フン詰まりマフラー



今回のお話は2サイクル(2スト)のバイク向けです。
4サイクル(4スト)のバイクのみをお持ちの方も参考にどうぞ。


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昨今街中で見かける2サイクルのバイクは、
排ガス規制の影響で、50ccを筆頭とするいわゆる小排気量のスクーター(以下、「原チャ」)くらいになってしまいました。
まぁ、台数は減ってきているとはいえ、2007年中盤現在でもヤマハとスズキは生産していますし、しばらくは表舞台で活躍してくれるでしょう。



その原チャでまま見られる、あることが気になっています。



走行中にマフラーから元気よく吐いている白煙。
脂ぎってギトギトになっているマフラー出口。



どうしてでしょうか。


これ、エンジンオイルです。

考えられる理由はこんなところ↓

【1】 遅い速度ばかりで走っている

【2】 オイルの混合比率が高い

【3】 安物のオイルを使っている


2サイクルエンジンの場合、オイルはガソリンと混合してシリンダーで燃焼させていますが、
↑の3つは原チャにとって良くない典型です。


【1】→2サイクルエンジンの不得手とする、燃焼効率の悪い低回転域のみを使っている。
【2】→オイルが濃いため、シリンダー内でオイルが完全燃焼していない
【3】→品質の問題



で、どれもオイルが燃え残ったままシリンダーから排出され、マフラー内部に溜まってしまいます。
それがどうなるか…。


朝イチなど、マフラーが冷えた状態でエンジン始動させる

マフラーの温度が上昇

内部にたまっていたオイルが加熱・気化

白煙となって排出 or 気化し切らず「お漏らし」



環境に悪いだけでなく、マフラーが詰まってきて排気効率が落ち、それが抵抗になってエンジンも高回転まで回らなくなり、
パワーダウンや走りが悪化します。
白煙を撒き散らすと周囲にも迷惑です。



対策として、

【1】→エンジンを高回転まで回してオイルを完全燃焼させる
    ※人目につかない場所でこっそりお願いします(笑)。

【2】→バイク屋さんでオイルの混合比率を調節してもらう(簡単に出来るそうです)
    原チャのオイル燃費はおおよそ800〜1000km/Lぐらいです。
    オイルの減り方が早いという方はすぐ調節してもらいましょう。

【3】→最低でもメーカー純正オイルを使う
    オイル燃費を考えると、安物オイルとのランニングコストの差は微々たるものでしょ



などで大方回避できます。



が、長期にわたりオイルによってマフラーを詰まらせたままの「長患い」だと、それでは改善しないかもしれません。
それなら、思い切ってマフラーを新品に交換しましょう。
原チャの純正マフラーなら1〜2万円で手に入ります。
それで走りが回復するなら安いものと思いますよ。

そのため、原チャのマフラーは消耗品といえます。


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かつて弟が乗っていた原チャ、Dioはマフラーのつまりが原因で全開でもエンジンの回転が上がりきらず、ロクに走らなくなっていました。
そこでバイク屋さんが気を利かしてタダで別のマフラー(中古ですが)に付け替えてくれました。
おかげでDioの走りは驚異的によみがえったのですが…、


長患いだったのに、突然排気が良くなり、いままで回らなかった高回転域まで回ったエンジンは
焼きついてしまいDioはあっけなく廃車。


教訓:患ってると分かったら早いこと手を打つのが長寿の秘訣なのは、バイクも人間も同じ(笑)。