一日半居座った37トン
奴らはたいていニンゲンどもの寝静まった深夜にあらわれる。
緑の回転灯を回した車を露払いに、道路を目一杯まで占領する巨体。
それは超巨大なトレーラー。特殊なブツを運んでいることが多い。
ある時は鉱山で使うような馬鹿デカいブルドーザーだったり、ある時は蒸気機関車だったり、ある時は長い長い橋桁だったり…。
とにもかくにも、スケールのデカいものばかりだ。
2車線を跨ぎ、交差点を曲がるのにも一苦労の車両。
とてもじゃないが、混雑する日中など走れやしない。
となると、交通量が少なくなった深夜に走る、となる。
車両も積み荷も高価で代えがきかない。ならば運転にも熟練の腕利きが呼ばれるのだろう。
なのに!事故りやがった!!
(C)京都新聞
タイヤがいっぱいついている、やはり巨大なクレーン車。
中央分離帯に衝突して破損し、動けなくなってしまった。
その重量37トン!乗用車20台分やど!!
(C)NHK
そんなのが京都市内の大動脈である国道1号線の一車線をつぶして居座ったのだから目も当てられない。
おれも知らずに通りかかって渋滞に巻き込まれた。
これだけの巨体だとレッカー移動などできるわけもなく、現場で修理。
直るまでの1日半、大動脈の混乱は続いたのだった。
無事故で頼むで、エキスパートの運転手さん!
記事引用:
京都新聞 2023年11月20日付夕刊
NHKニュース 2023年11月21日付放送