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2006年2月9日の新聞に、あるバイクの累計生産台数が大台を突破したと大きく取り上げられていました。
その名は、ホンダが世界に誇るビジネスバイク 「スーパーカブ」シリーズ。 1958(昭和33)年に生産を始めてから 2005年末までの47年間で、 5017万8947台を生産。 バイク・車を通して、単一車種で 5000万台を生産したのは世界初。 |
1958年当時の大卒初任給が1万3467円に対して、 スーパーカブ(C100、右写真)の販売価格は5万5000円。 高いなと思いたくなりますが、コレ、当時の自転車2台分の値段なんですね。 その値段を目標に開発されたそうです。 当時の国産車が100万円以上し、高嶺の花でしたが、 カブは手軽で、経済性や耐久性に優れたバイクとして人気が出ました。 燃費はなんてったって、リッター110〜140km(30km/h 定速走行時)ですもんね。 |
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今のカブは、 2006(平成18)年式・キャブレター仕様で、16万8000円、 2008(平成20)年式・インジェクション仕様で、20万4750円。 初任給が20万円前後ですので 値段的にはだいぶんこなれています。 |
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アメリカでは、バイクは大型でアウトローの乗り物とのイメージがありました。 そのイメージを覆す、ホンダの挑戦となった商品がスーパーカブでした。 右写真が当時の広告(1963(昭和38)年)。 1959(昭和34)年にアメリカに輸出を始めて、 今では世界160カ国以上で販売しています。 生産拠点は、世界15カ国で年間600万台以上を生産。 どの数字をとっても「素晴らしい」のひとことです。 |
あの本田宗一郎が開発したバイクですからね。
国内仕様のカブのエンジンも、50・70・90・100ccと4種類ありますし、
そのバリエーションも、新聞配達などのプレス仕様(←僕はそう呼んでいますが、
これが「標準モデル」だそうです)からおしゃれなリトルカブまで豊富ですが、
カブ自体の基本設計は最初から変わってないそうです。
それだけ完成されたバイクなのだと、改めて感心します。
あるコピーライターのエッセイに、タイに旅行したときの話があったのですが、
タイではスーパーカブが大活躍で、家族5人が1台のカブに乗って移動していたり(どうやって乗ってるんだ(笑))、
荷台にヤギを乗せてバリバリ走ったり、高速道路を逆走してきたり、交差点を突っ込んでくるなど、
そこらじゅう「神風ライダー」だらけで怖かった…と書かれていたのを思い出しました。
どうしてバイクがメインかというと、東南アジアでは車が高価で買えないので、みんなバイクに乗っている、とも。
上にも載せた、世界のカブシリーズを拡大→ カッコいいなぁ。 しかし、全然カブらしくないぞ〜。 |
僕はニポンも十分バイク王国と思っていますが、世界レベルで見たら、ニポンはまだまだバイクの普及が足りん!のでしょうか。
新発売当時(1958年)のカタログ。 すでに現行と変わらぬ4.5PS仕様! |
1960年代、女性誌におそらくニポン初のバイク広告を掲載 |
ところで、僕個人としてお気に入りのカブを挙げろと言われれば、迷わず「郵政カブ」を挙げるでしょう。
詳しくはコラム「『赤カブ』ライダー」を読んでいただくことにしますが、あの出来は最高中の最高です。
どうして市販してくれないのか、不思議ですよ。(※後に「スーパーカブPRO」として発売されることになります)
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スーパーカブシリーズは、2008(平成20)年に発売50周年を迎え、5月22日には累計生産台数が6000万台も突破。
これからも変わらぬスーパーカブでありつづけてほしいですね。
僕の生きている間に1億台を目指してください(笑)。
参考資料: | 京都新聞 2006年2月9日付朝刊 |
Honda Magazine 2008 Summer | |
原田宗典 著「スバラ式世界」(集英社文庫) |