舵角は80°



僕、フォークリフトの操作資格を取得しました。

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車両には大型特殊や小型特殊といった特殊車両と呼ばれるカテゴリのものがあります。


簡単に言うと、機械に車輪を付けて機動性を持たせた乗り物のことでして、


大型特殊には、車種区分が「9」で始まるナンバープレートが、




小型特殊には、原付サイズの緑色のナンバープレートが与えられ、


(↑スリー7ってか。おめでたいな(笑))

それぞれ大型特殊免許や小型特殊免許を所持していれば公道を運転することができます。




ですが、これら特殊車両の役割は、車両としてよりも、「機械」部分の操作が主ですよね。
たとえば、小型特殊のフォークリフトは小型特殊免許を所持してなくても、原付免許以外のすべての免許で運転可能です。
だから極端な話バイクの免許でも運転可能ですけど、ただ公道で走らせるだけでは何の意味もないですよね。


重たい荷物を持ち上げて移動させるという「機械」の部分を用いることで、フォークリフトの本来の役割を果たせるわけです。
その「機械」の操作には運転免許ではなく、機械の種類に応じた別の技能資格が必要となります。




そんな技能講習を大津市の教習所で受けてきました。
何で京都府民が滋賀県へ、って?
京都で職業訓練補助金を受けるよりも、滋賀の正規料金の方が安かってん(笑)。



講習車両はコチラです。



車体は小さいですけど、これでも定格荷重1.5トン…つまり、1.5トンの荷物を持ち上げる能力があります。
違法駐車の車両を持ち上げてどっかへ持っていくことができますね(笑)。

見かけによらず車重は2.5トンあります。
2100ccのガソリンエンジン搭載で、この手の乗り物としては静かです。

講習は4日間みっちりと行われ、1日目は座学、2〜4日目は実技となっています。




この時の受講者は10名。
実技は配られたゼッケンの番号順に行われ、僕は1番でした。

恥ずかしがりで引っ込み思案の僕が…1番手か orz
だからといって、エエ歳こいて嫌とか言えませんやん。
やるときはやるど。

そういうわけで、フォークリフトの基本的な運転方法から、荷役作業の練習に至るまで、
受講者を代表して(笑)、全てトップバッターで行いました。



一挙手一投足を教官をはじめ他の受講者全員から見守られるんですから、公開処刑もいいところですよ。
でも逆に緊張感があり、変化に乏しい日常を送っていた(当時)僕にはちょうど良い刺激でしたね。

また、一番手だけに、操作を失敗しても
どこがいけないのかを教官が丁寧に解説してくれるので、呑み込みが早かったです。




フォークリフトは同じ4輪の乗用車と決定的に違うのは、後輪で舵を取り、その舵角が80度もあることです。
つまり、前輪を中心にして、その場から動かずにくるりと回ることができるんです。
さすが荷役に特化した乗り物だけあります。



実技の内容は、

スタート地点から前進で走り出し、
A地点の台の上に置かれた荷物
(コンクリートブロックでした)をフォークで持ち上げ、
それをクランクのあるコースを運び、
B地点の台の上に置き、バックでゴール地点に停車する
…というものです。



運転席からでは目の前にあるフォークの高さや差し込み具合などが分かりにくいし、
フォークがある分 前が出ているのでオーバーハングを考慮する必要があります。

そして大きな荷物によって前方視界が遮られるので前進よりもバックでの走行の方が多く
後ろを見たままでハンドルさばきが必須。

後輪操舵の上に舵角が大きいのでハンドルの切るタイミングが乗用車と全く異なり
ちょっとした操作ミスでコーナーに接触。
ひいてはお客様の積み荷の破損に繋がります。

それだけに、久しぶりに初心者の気持ちを味わいながら慎重に練習を繰り返します。




講習は全部で31時間(普通免許所持の場合)と定められていまして、みっちり練習させられるのかと思いきや、
肝心のフォークリフトは1台しかなく、それを10人で順番に乗るのですから、待ち時間がびっくりするほど長く
だんだん退屈になってきます。


どう考えても31時間も縛る必要ないやん。
マンツーマンなら半日でもOKそうやがな orz


最初のうちは他の人の操作を見てイメージトレーニングなどしてましたが、そのうち慣れてきたら雑になってきましてねぇ…。
それが祟ったのか、自分の番になると操作手順が頭の中でごっちゃになりミスを連発。教官に何回も叱られました orz




そして最終日の午後、実技試験が行われます。
やはりゼッケンの番号順に行われ、僕はここでも1番手。
練習時は他の方の操作を自由に見学できたのに、試験時は全員別室で待機させられ、ギャラリー禁止


一人 コースに立たされる僕。
何度も練習をしたことを行うだけなのに、いやが上にも緊張します。

フォークリフトに乗り込む前に、車両の周囲を確認し、乗り込みシートベルト、エンジン始動、
ギアを前進に入れ、パーキングブレーキを解除、前方確認、そして発進…。

全ての動作を鉄道の運転士よろしく声出し確認をして、慎重に、丁寧に…。
練習時から苦手だった、荷物をB地点に置くときに少し傾いてしまったけど、あとは大丈夫やったやろう。



一番に終わってしまったら後は楽なもんです。
青い顔をして前だけを見つめてる順番待ちの他の受講生をよそに賽は投げられたと開き直って、全員の試験が終わるのを待ちました。



そして全員の試験が終わり、だいぶん時間が経って、教官が戻ってきて結果発表がされました。



全員合格。その場で免状が手渡されました。




普通ならすぐに結果の発表ができるそうですが、時間がかかったってことは…もしかして。
僕たちはお互いに試験の様子を知りませんからね(意味深)。



とにかく、これでこれでフォークリフト乗り、えいまるの誕生!!…です。
が、今のところ免状を用いた荷役作業は一度たりともしたことがありません orz



だれか僕にフォークリフトを扱わせて〜!!