ボボちゃんの男意気にほだされて



内容が個人の趣味と混じっていますが、まぁいいやろう(笑)。



僕、男の友情ってものに大変弱いんです。
ラグビーのノーサイド(試合終了)で両選手が抱き合う姿とか、災害現場で要救護者を救い出すレスキュー隊とかね。
NHKのプロジェクトX(2006年末で放送終了・番組放送ビデオあり)なんて典型ですよ。
第2回放送の、ビクターの「お荷物」といわれたVTR事業を立て直した、「ミスターVHS」の物語などは感涙したものです。


と、まぁ、何かに懸ける男たちって、カッコイイと。
そういう人になりたいと願っていたのですが、今のところ叶っていません(涙)。現実は思ってるほどうまくいかないのだ。

  女の友情とか、男女の友情を否定してるわけではないんですけどね。

そんなものを感じた、僕のある一日を振り返ってみました。



2005年11月6日、日曜日。
滋賀県甲賀市土山町(旧・甲賀郡土山町)で、第19回あいの土山マラソンが開催されました。
その大会に、いつも仕事がらみでお世話になってる先輩が出場するというので、
前々から応援しに行くと言ってあったのでした。


ご存知の通り、僕も地元の悪友たちの影響で市民ランナーみたいなことをやっていますので、
「マラソン大会」というと、血が騒ぐのです。


しかし、朝起きてみると、がしとしとと降っていました。
気分は一気に下降し、「行きたくない」病を発症。でも、応援に行くと約束したんや。
約束は守るためのもの。行くど!
と自分を奮い立たせ、カッパを着てLEADに跨って家を10時に出ました

マラソンのスタートは10時35分で、目的地の土山町までは50kmあります。
どんなに頑張ってもスタートに間に合わない…、そんなものは気合いでカバーするんや(笑)。



エンジン・駆動系とも元気一杯のLEADでR1を東へ一直線。
どのくらい元気かというと、平地ならアクセルを半分くらい開けただけでメーターを振り切……ゴホンゴホン
車の流れに余裕で乗っていけます。頼れるLEAD。

少しでも早く着きたい衝動を適度に抑えて走りますが、雨は降り続き、風は強く、しっかりハンドルを握っていても
風圧でバイクごと持っていかれます。突風で1mくらい横に流されるのは当たり前。これはハードです。

さらに、前日は23度の陽気だったのに、今日は一転して15度
服装判断を誤り、カッパの下に薄手のトレーナーとTシャツしか着ていないので、体温を奪われていきますし、
濡れたシートからカッパを通して冷気を感じます。


わだちの出来たアスファルトに溜まった雨水をはね飛ばし、メットの内部が蒸れて発するイヤな臭いに気分を害されます。
バイクで雨天の長時間走行など、何年ぶりというくらいですからね。


なにもそんな状況で応援に行かなくてもとお思いでしょうが、
先輩が雨風にさらされながらも頑張って走っているのに、
約束を破ることなど僕には出来ない
のです。



先輩の名は…あだ名で「ボボちゃん」と言います。
「よゐこ」の濱口に似た、僕より1回りほど年上の先輩にそんな呼び方をしたことはありませんが、
ここでは許してもらおう(笑)。当の本人もこんなところで晒されてるなどとは微塵にも思ってないでしょうから平気平気〜。



スタート時刻はとうに過ぎ、早く着かなくてはと思いながらも、腹が減っては戦は出来ぬと「すき家」で豚丼を食べて栄養補給。
本当にボボちゃんや選手のことを思っているのか大変疑問です(笑)。
マラソンコースは、東→西へ、折り返して西→東の「⊂」字形に走るので、最悪たどり着けなくても、
一番京都寄り(つまり、一番西)の折り返し地点までいければいいやと、妥協案を提示(笑)。



さらにR1を東へ。甲賀市土山町に入ると、国道沿線にはマラソンののぼりが立ち、街をあげての大会の感じを受けます。
事前に調べたところによると、マラソンコースは、国道のすぐ北側の田園地帯の県道や農道
設定されているようです。
これなら適当な場所で国道をそれたら、どこでも応援できるやん。
時間は12時になろうとしていました。スタートから1時間20分。速いランナーなら復路に入っているでしょうけれども、
我らのボボちゃんはフルマラソン4時間コースですので、まだ来ていないでしょう。


どこで応援しようかな〜、追っかけしようかな〜と考えていると、国道の交差点ごとに看板が立っています。
「左折禁止」
さらにご丁寧に、交差点という交差点にガードマンやK察官が立ち、道をがっちりふさいでいます。
マラソンコースと交差する道は通行禁止、と。当然コースも通行禁止。追っかけ断念。


一応聞いてみたのですが、原チャですら通らせてくれませんでした。

コースを走るランナーが遠目に見えているのに、近づけないではないか!
どうしよう。いくらマラソンコースが国道から近いといっても、国道から気軽に歩いて行ける場所ばかりではありません。
それに、どうせなら原チャでコースの際まで行って見やすい場所で見たい。雨も降ってることですし。
こうなりゃ「左折禁止」の無いところを探せ!!
LEADで、国道をウロウロ走り、マラソンコースに近づけそうな交差点を探し求めます。
大半の交差点が左折禁止と厳しい交通規制がしかれています。


ここならどうや!


数少ない「左折禁止」看板の無い交差点を曲がると、
そこはマラソンコースと重なってはいますが、車通行可の道でした。

ちょうどそこは往路24km、復路31km地点でした。
ここへ「2相棒」で来ていたら、車体の大きさがあだになって、
転回や駐輪も困難になっていたことでしょう。
往復とも見られる観戦に適した場所に偶然たどり着け、個人的には大変ラッキーですが、
田園地帯のど真ん中だけあって、観客はほとんどいません

いたのは、大会役員や、スタッフ、高校生ボランティア、K官、消防団、ガードマン
31km地点は制限時間の関門らしく、早くも選手収容のバスも待機しています。


道の端にLEADを停め、ランナーを応援開始&
ボボちゃんを待ち受けよか〜




観客は2〜3人くらいでしょうか。寂しいものです。
それもお目当ての選手(友人でしょうか)が通り過ぎるとさっさと引き上げ、
観客は僕1人だけに。なんと自分勝手な観客なんや(笑)。


スタッフたちはカッパを着て濡れながら立っています。
傍から見たら僕も同じ様な格好をなので、傍目にはスタッフの一員にしか見えないんですけど(笑)。
寒さが足元から上がってきて、鼻水が出てきました。


でも、K官も消防団の人も、高校生ボランティアも、
皆が声援を送っている
んです。

おれたち、わたしたちがついてるぞ、って。立場を越えて。

大レースでは、大会関係者が応援などまずありえない光景なんですよ。
それぞれが、与えられた任務を遂行する義務があるのでね。


僕も負けじと声高らかに「ファイト!」と応援。
頑張るランナーには声援が何よりの励み
これに勝るものはありません。


ありがとう、がんばるぞと言って走り抜けていく選手たち。
雨と強い向かい風の劣悪コンディションを跳ねのけ、ゴールを目指す彼ら。
雨風除けに頭から被ったビニール袋が風圧で体にピッタリと張り付き、見ているだけでも残酷です。


原チャで来て、カッパを着てツッ立ってる僕だって「市民ランナー」の端くれです。
ゼッケンを持たない僕は一人ひとりを応援することで、マラソン大会の一員になりたかったのです。



さて、ボボちゃんの到着を待ちますが、一向にやってきません
そうこうするうちに往路の24km地点を最終ランナーが走っていきました。
あれ?おれ見逃したのかな?
それとも、意外にハイペースで、僕が到着する前に通り過ぎたか…。
それなら復路の31kmで改めて!


ところで、この「あいの土山マラソン」の先導は白バイが務めてくれます。
男子の女子のそれぞれ先頭に白バイがついていました。
降りしきる雨の中の先導はストレス溜まるんでしょうねぇ。
他にも連絡車や写真撮影車には原チャやBMW(車種不明)が付き添っていました。


ボボちゃんが来たときの応援の文句は考えてありました。


「かわいいお姉ちゃんが前を走ってるでー!」


下心を出して走るのがいいんや!と、
マラソン出場の不純な動機(?)を口にしていた彼でしたので、
これ位の冗談なら言ってもバチは当たらへんやろう。きっと元気を出してくれるに違いない。

実際には“下心力”どころか、体力も消耗しきってヘロヘロになりながら走っていることを
僕はよく知っている(笑)。



雨と風の中、じっと待っていますが、いつまでたっても来ないではないか。
健脚なご高齢ランナーも次々やってきてるのに、どうなってるんや。


そして14時15分。
スタートから31km地点までの制限時間・3時間40分となり、
関門が閉じられ
ました。
走り及ばず失格を告げられるランナーたち。きっと無念だったでしょう。
そんな彼らに「ここまでよくやった」と拍手を贈りました。


ですが、結局ボボちゃんは現れませんでした。
これはおかしい。マジでリタイアしたのか?
それとも、こんな天気で走ってられるかーと、最初から出場しなかったのか?!
どっちにしても許さーん!!


この優秀な後輩を雨の中2時間以上も
無為に立ちんぼさせた罪は重い!!

お仕置きだベェ〜!!(死語)と、LEADに飛び乗りゴールへと向かいました。



15分の後には、スタート/ゴールの土山中学校に到着。
選手用駐車場にLEADを停めて、ボボちゃんを探します。どこへ行った〜出てこーい!!!


それでもいません。かくなるうえは最終手段、テレフォン


プルルルル、プルル…「もしもし?」
のんきな声でボボちゃんは電話に出ました。そして僕が問い詰める前に彼は意外なことを言ったのです。


「実はなぁ、フルマラソンに出るつもりやってんけど、足のつめがはがれて調子が悪かったから、
欠員の出たハーフマラソンに出たんや」


なんということや。21kmしかないハーフマラソンでは、24/31km地点で待ってても来るはずがないやんorz
「雨も風も強いし、まさかバイクで来てくれてるとは思わへんかったわ。ごめんな。もう帰り道やねん」

そう言ってました。ハーフマラソンは約2時間で無事完走できたそうです。
普通は一度エントリーした種目を変更は出来ないので、そんなこと、考えもしませんでした。
って、おれを放ったらかして自分だけ先に帰宅かい!!



こうしてボボちゃんの男意気を全く見ることなく、帰路につきました。
何しにここまで来たんだのむなしさ及び無念を心に刻み込んで。


寒さというのはただ立ってるだけでも体力を消耗するんだと実感しました。
昼ごはんから4時間しか経っていなのに、もう空腹感を感じ、ラーメン屋さんに突撃。
ふつうにペロッとチャーハン定食を平らげました。


帰路のLEADも快調そのもの。ゆっくり走ってるつもりでも55km/hとか出てます(笑)。
前を走る原チャはごぼう抜き。楽勝。
雨もようやく上がりました。って遅いわ!


ふと、右スネに軽い衝撃を感じました。
みると、鳥のフン爆撃が命中し、カッパのスネ全体が被爆していました。

ウンも尽きたのか…○| ̄|_

帰宅は17時。辺りは薄暗くなり始めていました。走行距離120km、燃費は28.1km/Lでした。
おれの日曜は、これだけで終わってしまった…。うううう(涙)。


ボボちゃん、来年はちゃんとフルマラソン走ってくださいよ。走ってくるのを沿道で仁王立ちして待ってますからね。