クルマにも予防注射の時代が…
さて、一般的にウィルスというと人間や動物に悪影響を及ぼす病原菌を指しますが、
パソコンやスマホもウィルスに感染します。
え、パソコンがビョーキ?そういや触ってみたらなんとなく微熱っぽいなぁ…。
…それは内部にあるCPU(中央演算装置)が一生懸命動いて電力を消費することによって
熱を発しているだけで、風邪ひいてるわけではありません(笑)。
これらコンピュータは、全て人間が作った「プログラム」に従い動いています。
プログラムとは、そう、運動会や演劇などで使われる「進行表」のことです。
そしてプログラムに書かれているものは命令であり、絶対に従わなければなりません。
たとえば、いま皆さんが読まれているこのコラムも「HTML」と呼ばれるコンピュータ用の言語で書かれていて、
そこに書かれた「命令」通りにインターネット閲覧ソフト;通称「ブラウザ」が表示させているわけです。
と、いうことは、悪意をもって書かれた いたずらプログラムがあったとしましょう。
人が見れば「それはアカンやろ」とすぐに分かります。
ですが、コンピュータは「命令」に対する善悪の判断など出来ません。
プログラムに書かれたとおりに実行するのみです。
そこに個人情報をネット上に公開しろとかかれてあったら、コンピュータは個人情報を公開しますし、
ハードディスクを超高速回転させろと書いてあったら、ハードディスクが耐え切れず物理的に壊れるまで超高速回転させるでしょう。
そういう悪意をもって書かれたプログラムのことを
人の病気にたとえてコンピュータウィルス(単に「ウィルス」とも)と呼ぶのです。
最近の車ってインターネットに接続できる通信機器が搭載されているものがありますよね。
それによって、カーナビの情報を更新したり、現在地連動で周辺情報を提供してくれたり、ますます便利になっています。
世界各国でシノギを削っている、自律的に運転してくれる車…いわゆる「自動運転車」なんか、
走行データをネットを介して集積(いわゆる「ビッグデータ」化)し、更に自動運転の精度を高めようとしてます。
…ただ、僕は車がネットに常時繋がっていることによる便利さよりも、一抹の不安がありました。
それは現実のものとなっていたのです。
車が乗っ取られてしまう。
いまは悪意のある人たちの直接攻撃ですが、これがウィルスとして車のコンピュータを巣食ってしまったらどうなるんでしょう。
現時点(2015年)では、人間が運転する車よりコンピュータが運転する「自動運転車」の方が事故を起こさない…となっていますが、
いつの日か自動運転車が乗っ取られて「悪いこと」に使われやしないかと危惧しています。
車にもノートン先生が標準でインストールされてる日が来るかもね(笑)。
もしくは、ある日クルマが忽然と姿を消し、駐車場に
「旅に出ます。捜さないでください」と書き置きが残されていたら…ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿
それってクルマに嫌がられてるだけやんとか言わんように (゚д゚メ)
資料引用:毎日新聞 2015年7月25日付夕刊