ダイムラーもベンツもエライ!
2015年の大阪モーターショーでの最大の収穫は、これでした。
キャンピングカーのコーナー(→コラム「旅する軽自動車」)の横で、地味に展示されていた乗り物。
見た瞬間、頭の中で眠っていた遠い遠い記憶が目覚めたんです。
間違いないわ、と。
何だと思います?
世界初のガソリンエンジン自動車です。
まさか、そんな凄いものがモーターショーで展示されているなんて!
って、そんなわけありません(笑)。
複製品(レプリカ)です。
産業技術短期大学の学生さんたちが忠実に復元したもので、実際に走らせることも出来ます。
見に来ていた子ども達が運転席に座らせてもらって写真を撮ってもらっているのを羨ましく見ていました。
僕も撮ってもらったらよかったなぁ、と(後悔)。
では、初めてガソリンエンジン自動車を作ったのは誰でしょう。
初めて飛行機を作ったのはライト兄弟というのはよく知られているのに、
初めて実用的な自動車を作ったのは誰なのかはあまり知られていません。
でも、その名前は誰でも知っています。
カール・ベンツ。
そう、イカつい顔つきしたドイツ車の、あのベンツ。
ベンツは現在と同じ仕組みのガソリンエンジンを開発し、
自動車の開発とあわせて両方の特許を1886年に取得しています。
さらに書くと、同じドイツで同じ時期にガソリンエンジンを開発していた人物がいました。
その名も多くの人は知っているはずです。
ゴットリープ・ダイムラー。
現在、ベンツを作っている会社の名前です。
ダイムラーは現在の内燃機関のさきがけとなるガソリンエンジンを開発し、
それを二輪車に搭載したもので1885年に特許を取得しています。
世界初のガソリンエンジン車はバイクだったんですよ!
そして、ダイムラーは1886年に世界初の四輪自動車を作ります。
ダイムラーとベンツはそれぞれ自動車会社を設立しますが、
1926年に両社は合併し、現在のダイムラー社へと繋がります。
開発の経緯を考えると、因縁の対決だったと思いますが、最後は仲良くなったってことでしょうかね。
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モーターショーでベンツの1号車を眺めていた僕に、このレプリカプロジェクトの教授が話しかけてきまして、
僕が何故この車を知っているかを話すと、とても喜んでくれました。
その遠い記憶は、小学生のころ、当時大流行していたファミコンは買ってもらえず、
代わりに買い与えられていた子ども向けの学習雑誌にありました。
その雑誌は今も家の本棚で大切に保管されていますので、敬意を込めてそのまま載せます。
僕の記憶も満更ではないなと思ったのと、後年に残る知識や教養を与えてくれた両親に感謝しています。
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(c) Gakken 1985