キョーキと化す落し物




2017(平成29)年10月、岡山県津山市の中国道で、痛ましい事故が起こりました。

トラックから落ちたスペアタイヤに軽自動車が乗り上げ走行不能となり、
乗っていた親子2人は車から避難したのに、
後続の20tトレーラーもタイヤに接触して横転
避難していた2人をはねて2人とも亡くなったというものです。




高速道路上に落下物あり。




電光掲示で注意喚起をしていることがよくありますし、実際に落下物に遭遇したこともありますが、
速度が出ているだけに、目の前の異変に瞬時に反応し的確な回避行動をとるのは至難の業です。


落下物は確認次第、NEXCOの職員や警察の高速隊などが回収に急行していますが、
猛スピードで車が走る中、落下物を回収するのは非常に危険が伴います。




では、一体どれほどの落下物があるんでしょうか。


2015年度で計36万3000件!


1日当たり約1000件。
90秒に1件の割合で、全国の高速のどこかで車から何かが落ちているんです。


これ、高速だけの数字ですよ。一般道を含めたらどれだけの数になるのやら…。
どれだけ落し物をしてんねん。



「何か」の内訳は、

・プラスチックやビニール、布類…33%
・タイヤなど自動車部品類…
11%
・積み荷のベニヤ板など木材類…
10%

などとなっています。
(出典:NEXCO西日本)



それらは皆、道路上の凶器と化すのです。いや、狂気に満ちていると言うべきか。




風にヒラヒラと舞っているレジ袋くらいなら大したことがないやんとお考えのアナタ。
それは甘すぎる。

フロントガラスやメットのシールドに張り付いたら、視界を奪われますが、よろしいでしょうか。




落下物の恐ろしいところは、誰もが被害者となり、
一歩間違えば加害者にもなることにあります。

どういうことかという例と、対処法を挙げておきましょう。







落下物は落とし主の責任です。



高速では、風の抵抗で荷台や屋根にくくりつけた荷物が落っこちやすいです。
高速に乗る前に積み荷の点検はしっかりと!


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冒頭の事故の原因となった落下物のタイヤは、街灯もなく真っ暗な夜の高速に落ちていました。
似たような色のタイヤと道路は同化して、ライトを照らしていても直前まで見えなかったと推測されています。


タイヤは直径1m、厚さ30cm、重さ90kgもあったそうです。
僕が丸まって道路上に転がっていると考えてもらえば分かりやすいかな。そんなのがいきなり現れたら、どうします?

ま、転がっているのが僕だったら、きっと皆さん躊躇わず轢いていってくれることでしょう orz




記事参考・引用:毎日新聞 2017年10月29日付朝刊