スズキ公認?「世界最速」駅
(The “FASTEST” Station of the world,recognized by SUZUKI)




一部のバイク乗り達から「聖地」として親しまれている鉄道の駅があります。




2009(平成21)年8月23日。学生時代からの友人である「脇」と
毎年恒例の「夏遊び」の一環で訪れた、鳥取県東部にそれはありました。


「ありました」って過去形にしたらアカンなぁ。現存してますんで、現在完了進行形にしとかなね(笑)。



若桜鉄道というローカル私鉄でして。






1987(昭和62)年に国鉄が民営化した直後のJR西日本から切り離された路線で、
鳥取県八頭町(やずちょう)と、若桜町(わかさちょう)を結び、営業キロ数はわずか19.2km
切り離されたといっても物理的に路線や線路が分断されたわけではなく、いまでも若桜鉄道←→JR鳥取駅間で直通運転しています。



で、その駅がどういう意味合いで「聖地」なのかというと、↓









1990年代後半に繰り広げられた、
国内のバイク4メーカーによる
「最速競争」に勝利したバイクの名称がそこに。



正式名称、「GSX1300R・隼」
スズキ渾身の作で、ノーマルで300km/hが出せる怪力車。
登場当時は175馬力だったエンジン出力も、いまや197馬力に。



横文字が並ぶバイク名の中で、ニポン語名が光っていますね☆



駅名の由来は、
トヨタ自動車のおかげで豊田市(愛知県)になったり、天理教のおかげで天理市(奈良県)が出来たり…の類ではなく、
単にこのあたりの地名が「隼」というだけでして。




近くには「隼小学校」もありますしね。
ここの卒業生だったら、



   「おれ、隼小学校出身やねん」



ぐっ、カッコイイなぁ。
そう思うと、僕の住んでるところの地名や小学校名など、いろいろな意味でひ弱そうやorz




 


隼駅は、かつては別になんてことのない田舎の無人駅だったのですが…。

バイク雑誌「Mr.Bike」が 昨年(2008年)夏、


「8月8日はハヤブサの日。
ハヤブサ乗りは若桜鉄道隼駅に集合だ!」


誌面で勝手にブチ上げたのがすべての事の起こりでした。



そのとき集まったハヤブサ乗りは7台・8人で、駅前で写真を撮るだけの企画だったんです。




その素朴な集まりが1年後の、今年(2009年8月8日)

地域をあげての 「歓迎・隼ライダー 隼駅祭り」となり

参加者500名余といきなりスーパーグレードアップ。


人数が多すぎて駅前では集合写真が撮れず、隼小学校のグランドで撮影。





後日誌面を飾った当日の記事には、祭りが大成功をおさめたことが記されていて、
普段は個々で活動するハヤブサ乗りが、バイク乗りが、うらやましく感じたものです。



 



そして、「スズキ二輪」の全面的な協賛。イベントカー持ってきて、キャンギャルが音頭を取ってます。
片田舎で行われたイベントであっても全力投球で、ユーザーのほうを向いているメーカーの姿勢に本気を覚えましたね。




僕は生粋のホンダ車乗りやけど、混じりたかったなぁ。
スズキやこの場にいるハヤブサ乗りたちなら、部外者だって受け入れてくれたやろうね。
そんな雰囲気が誌面の写真から感じられてねぇ。



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話は戻って。

「夏遊び」中の僕達は、1000円の会費を払って若桜鉄道の応援団員となり、
付属の「1日乗り放題チケット」で若桜鉄道を満喫。


1両編成の列車に乗り込み、ごとごとと緑豊かな田園地帯を行きます。
速さを追求する新幹線などとは対極にある「ゆるさ」に身を任せるぜいたくさ。




1往復乗車し、それから車で隼駅へ。



待合には大きなハヤブサの写真パネルが飾られていて、
隼駅とハヤブサ(バイク)の親密な関係の解説なども。
ホームにはリアルな案山子タイプの人形も。
その向こうには田畑が広がり、おおよそ「聖地」とは思えません(笑)。


線路の向こうにも、リアルな案山子が。
決して農作業中の地元住民ではありません(笑)。


駅前でしばらくたたずんでいた僕達の前に、
大阪ナンバーのハヤブサ
が停まりました。


タンデムだった彼らは「ここが隼駅か〜」と喜びの声を上げながら
駅舎の中に消えていきました。



「聖地」巡礼、ごくろうさまです!!





枕木オーナーを募ったり、若桜鉄道グッズを作ったり、休日には動態保存してあるSLを動かしたりと
イベントを盛りだくさんのように見えますが、実は若桜鉄道は経営がかなり傾いた状態にあるそうです。



「脇」がここに行きたいといったのは、「鉄道がなくなる前に乗っておきたかったから」だと orz
だいぶんストレートに言うてくれるやん。
ま、実際乗ってみると、乗客は少ないし、速度は遅いし、1時間に2本くらいしか走ってないし。
運賃も微妙に高いし(僕達は乗り放題でしたが(笑))。



それでも、隼駅は、いや、若桜鉄道は
ハヤブサ乗りのためのみならず、バイク乗りのためにあり続けて欲しいです。



そのためには、若桜鉄道の社員さんたちも、前向きに仕事をしてね。

なんでこんなこと↑を書くかって?
それは、列車の最前列席を陣取り、運転士と車掌のやり取りを見ていた「脇」が嘆いていたからや。
オブラートに包んだ表現をしておくと「気合が足りん!」かな。





コラムを最後まで読んでくれた仲間達に、8月23日に若桜鉄道を訪れたときに買ってきた、
「ハヤブサ+若桜鉄道」コラボグッズをプレゼントいたしました。 (※応募は終了しています)


・若桜鉄道マーク入りハヤブサハンドタオル(25cm四方)
・隼駅入場券+隼駅行き乗車券(両方とも日付印字&入鋏済)セット