浮足立つ後輪
僕の住む山科区は、名神の京都東ICがあり、
高速を使うよりも北陸方面へのアクセスに優れているR161の起終点もあるため、
ベッドタウンにもかかわらず、昼夜を問わず長距離トラックの往来が多い地域です。
その足元を見てると、奇妙な車両に出くわします。
某所で、「実物」をじっくり見ることが出来ましたので、写真に収めました。
コチラ↓
どこが奇妙なのか分からん、って?
まぁ、パッと見ではありふれた大型トレーラーにしか見えませんよね。
では、こうすれば分かるかな?
このトレーラー、車輪が浮いています。
どう見ても、車両後部の3つの車輪の真ん中だけが地面に接していて、両側の2つは浮いてます。
空中浮遊です。どっかのカルト宗教の元教祖みたいに浮いてます(古)。
どういうことなん、コレ?いったい何のために?!
ってか、浮いてる車輪、必要ないやん!
はい、いいところに気づきましたね。要らないんです。
いまどきの、車輪がたくさんついてる大型トラックは、
積荷の重量によって車輪の数を変えることが出来るんです。
たくさん荷物を積んで重たいときは、すべての車輪を使用し、
積荷が軽かったり、空荷のときは、少ない車輪で車体が支えられるので、
タイヤを浮かせちゃう、と。
転がり抵抗が減るので燃費も向上しますし、タイヤやブレーキの摩耗も減らせます。
たぶんそれは建前で、本当の理由は別にあると僕は睨んでいます。
大型車両の高速の通行料金は、
車軸の数(車体を横から見た時の、車輪の見た目の数)で決まります。
たとえば、ここで紹介しているトレーラーだと「5軸」です。
道路に接している車輪が多いと、そのぶん道路への負担が増えるので、料金が高くなります。
当然と言えば当然ですね。
ところが、車輪を浮かせると道路への負担が減るので通行料金が安くなるのです。
5軸だと、料金区分が最高額の「特大車」になります。
それが、車輪を浮かせることで、一つ下の「大型車」になり、通行料金が40%も浮くんですよ♪♪
浮き浮きですやん♪(オヤジギャグでスミマセン)
きっと、コチラが本音でしょう。
高速料金高いですからね〜。車輪を浮かせるなんてアイデアは、ニホンが生み出した涙ぐましい努力の賜物かもしれません。
そういうわけで、バイクだってウイリーさせて1軸で走行したら…いえ、なんでもありません(汗)。
※このコラムで登場する車両は、正確には「トラクター・トレーラー」(牽引車と被牽引車)と表記すべきですが、
主眼はそこではないため、表記を簡略しました。