ガソリンスタンド過疎地
僕たちが乗っているバイクや車に欠かせない燃料。
それを供給してくれるガソリンスタンド(GS)が除々に減っていってます。
ピークだった1994(平成6)年度末には6万ヶ所以上あったのが、
2016(平成28)年度末には3万1467ヶ所。
ほぼ半減。
そういや、僕の家の生活圏にはもっとたくさんのGSがあったのに、いつの間にか無くなっているよなぁ…。
なんちゅう正比例のグラフなんや。このままの調子だと、20年ほど先にはガソリンスタンドがゼロになってしまうど(笑)。
「給油所過疎地」なんて言葉まであり、GSが3ヶ所以下の自治体をそう呼ぶそうです。
ちなみに、1ヶ所もない自治体が2017年3月時点で12町村あります。
1ヶ所だけというところも75町村。
でもこれって、「平成の大合併」で周辺自治体を吸収合併して面積が巨大化した市もありますので、
そういったところでは、最寄りのGSがすんごく遠いという、数字では見えない不便さも起こっているでしょうね。
どうしてこんなことになったのか。
それは、人口の減少や過疎化、車の燃費向上が主な原因らしいです。
単にガソリンを売っているだけでは経営が成り立たなくなっている現実もある、と。
それででしょうね、
GSにカフェやコンビニが併設されていたり、
レンタカーの拠点になったり、
宅配ボックスの設置をしたりなど、
多角化経営をしているところがあるのは、生き残りをかけているんでしょう。
↓ここなんて、コンビニなのかGSなのか、よく分からないことになってますよ(笑)。
この先、電気自動車(EV)が普及するとGSの立場がますます小さくなるかも…。
実際、EV充電器の数は2016年度末時点で2万7835基あります。
僕の職場にも200Vの充電設備がありますよ。
充電器なら、コンセントと車を停めるスペースさえあればOKですからね。
GSのように地下に消防法に適合した頑丈で巨大な燃料タンクを設置する必要もないですし、危険物取扱者も不要ですし、
様々な意味でラクといえばラクですもん。
数だけでいうなら、抜かれてしまうのも時間の問題やん。
…とは言え、EVの充電には時間がかかります。
航続距離400kmの日産のEV・LEAFで、8割まで充電するのに40分も必要です。
対して、GSでのガソリン給油は数分もかからないため、
充填スピードでは圧倒的なアドバンテージを持っています。
それに、EVと、充電できるハイブリッド車(PHV)車が流行の最先端のようで、もてはやされている感じを受けますが、
国内における両者の合計はたったの18万台(2017年7月末現在)。
乗用車全体(6140万台)の0.3%のシェアしか持ってないんですね。
EVが普及しすぎたら、ただでさえピンチな真夏の電力供給が追いつかなくなり、停電になるおそれもありますが、その辺を根本的に解決するメドあるんでしょうか…?
そういうわけで、当分の間はガソリン車の主役が続くでしょう。
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燃費のいいバイクといえども、ガソリンがなかったら1ミリも走れません。
ツーリングで鄙びた地域を走っていて燃料がピンチになり焦っていたとき、
不意に現れたGSは砂漠のオアシスのように見えて、大きなため息と共に安堵しましたよ。
経営は厳しいかと思いますが、これからもエンジン付き乗り物達のオアシスであって欲しいものです。
参考/引用記事:
京都新聞 2017年8月19日付朝刊
毎日新聞 2017年11月7日付朝刊