1:29:300



ただいま、「年末年始無災害運動」が行われています。

これは、働く人たちがあわただしい年末を無事故で過ごし、明るい年始を迎えることができるようにとの趣旨で、
1971(昭和46)年から労働省(現厚生労働省)の後援のもと中央労働災害防止協会が提唱する運動で、
本年(2010(平成22)年)で40回目を迎えています。



このコラムを書いているのは暮れも押し迫る12月の最終週でして、僕もばたばたと年末を過ごしていますが、
皆さんもお忙しくされていることでしょうね。
僕など大晦日まで仕事(orz)で、しかも職業柄この時期に仕事量が最大のピークを迎え現場が戦場と化すので、
否応無しにアドレナリンがいっぱい出て高揚感が増します。



同時に、京都府下では、「年末の交通事故防止府民運動」が12月11日〜31日の期間で行われます。
類似品に「春/秋の全国交通安全運動」がありますが、↑は、見たところ特別変わったことをしている様子はなく、
単に名前だけが一人歩きしている感じです。
言うなれば大学などで一定年数勤続すればもれなくもらえる「名誉教授」の肩書きのようなものです(違うか(笑))。



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さて、「ハインリッヒの法則」ってご存知でしょうか。
この名称を知らなくいても、コラムのタイトルにしている「1:29:300」というのは耳にしたことがあるんじゃないか思います。

重大災害の下には多くの見えない災害が隠れているというもので、
その比率が、「重大災害を1とすると、軽症災害が29あり、無傷災害が300ある」という警告として、
安全活動の中ではよく出てくる言葉です。



ちなみに「1」の経験をされた方はごくごく少数だと思います。あったら困るんですが。

しかしながら「29」の経験は、僕は3回ほどあります。
バイクで走行中に後続のバイクにオカマを掘られたのが2回、
1回は渋滞の車列を縫って現れた車に衝突したことです。
3回とも大事には至らず物損事故で処理し、示談もスムーズに進んだので良かったです。


上記の2つは絶対無いわ〜と自信をお持ちの方でも、
「300」のはあるはず。
これはいわゆる「ヒヤリ・ハット」のことです。
一歩間違えれば重大事故になったかもしれない出来事のことで、「ヒヤリとした」「ハッとした」といった経験のことを言います。



僕はバイク通勤ですし、仕事ではトラックでそれなりの距離を運転していますので、「300」の遭遇率が異様に高いです。
心拍数や血圧がハネあがるようなシーンにぶつかることは日常茶飯事ですよ…。
毎日の仕事でどれだけ緊張を強いられていることか。自分の寿命を縮めてる気がしてならへんわ。



これらも自分が遭遇するほうではなく、自分が相手を「ヒヤリ・ハット」させる「原因者」の立場で考えると早いかも。


たとえば、

歩きながらK帯の画面に夢中で、電柱にぶつかりそうになったりとか、
自転車を傘を差しながら走りふらついてコケそうになったりとか、
バイクでスピード出しすぎて、カーブで対向車線にはみ出したりとか、
車を運転しながらテレビを観ていて赤信号に気付くのが遅れ横断歩道上で停まったりとか、


どれもこれも、相手から見たら「危なっ!」と思うようなことですやん。



事故を100%防ぐことは無理かもしれません。
でも、自分の行動に気を払うことでリスクを減らすことは出来ますよね。
それは自分のリスクを…ではなく、相手へのリスクを減らすと言うこと。



新しい年を迎えるにあたって、今一度自分の不完全な状態や行為を振り返り、その対策を考え、実行していきませんか。