最先端は“歩車分離”信号




街中の交通量のある交差点の横断歩道を、青信号で歩いてわたっているシチュエーションを思い浮かべてください。


そのときに、突然左折車があらわれて、ドキッとしたことありませんか?


車に向かって「オマエには歩行者の姿が見えてへんのんか??!」とムッとした経験、1度や2度ではないですよね。


逆に車で交差点を左折するときに、死角に入っていた左からの歩行者や自転車に驚いたこともあるでしょう。




当然僕もどちらの立場でも、何度も怖い目にあってます。

↑は、同じ方向の歩行者の信号と車の信号が共に青のために起こります。

かつて、大阪府内で、青信号の横断歩道を渡っていた小学生が、
やはり青信号で左折してきた車に轢かれて亡くなる事件
がありました。


それを期に、横断歩行者を左折者から守るため、信号のあり方を改めようと言う声が高まりました。



そして登場したのが「歩車分離」と言う考え方です。


まず、車の信号は全部赤にし、歩行者・自転車の信号だけを青にして、
安全に渡れるようにするアイデアがあります。
いわゆる「スクランブル交差点」のことですが、
それだと車側の赤信号の時間が長くなって、交通量のある道では渋滞が発生しかねません。




次に出てきたのが、京都市内の交差点に登場し出した、こんな信号です→ 



「歩車分離信号」と書かれたこの信号は、常に赤です。

そしたら車が渡れへんやん!とお思いでしょう。



------


交通量があってなかなか右折できない交差点では、
赤信号になってからその下にある「→」の矢印信号が点灯し、安全に右折できる…。
よく見かけますよね。



今から紹介する歩車分離信号は、3色の信号は赤のまま、直進も右左折も矢印信号で調整します。
そして、歩行者も安全に渡れ、なおかつ車の流れを妨げないスグレモノです。



信号の点灯パターンは以下の通り。


↑このときだけ、歩行者の信号が青になります。
進路を妨害する車は来ませんので、
安全に横断歩道を渡れます。

←対向車線も同じ。左折車が安全に曲がれます。
←直進車が止められます
←直進車だけ止まり、右左折の車が安全に曲がれます。

←まもなく交差点内の全ての歩行者・車の進行が止められます。
←普通に赤信号



いいアイデアやなぁと思います。
これだと、歩行者・車ともお互いに安心して交差点を渡れ、または、右左折できます。



京都市の中心部の繁華街・四条通は、歩行者優先の概念から、歩車分離信号を掲げていますが、
事実上の「スクランブル交差点」化しています。

なので、車の流れはお世辞にもよくありませんが、
こんな繁華街に車で来ること自体が間違っているので、いいお灸をすえられてると思いますね(笑)。




ただ、すぐれた歩車分離信号にも1つだけ欠点があります。


それは、
普通の信号と思って横の信号が赤になった途端フライングする歩行者や車が多数いることです。
僕もそのうちの1人だったりします(^_^;)
気をつけなきゃ



撮影場所:京都市上京区、堀川通今出川交差点