ニッポンのセダン




車は、その形によって名称がありますね。





(「デジタル大辞泉」より)




そのなかで、今回取り上げるのは、セダン
ボンネット(エンジンルーム)、客室、荷室(トランク)の3つの空間からなる車で、
車としては最もオーソドックスな部類のものです。




ニホン車でセダンと言って真っ先に思い浮かぶのが、クラウンですかね。
トヨタブランドの高級車。





(↑トヨタ公式サイトより)



「王冠」の名にふさわしい車だと思います。
「いつかはクラウン」と言われるほど、庶民にとってあこがれの車であり、
グレードの一つだった 「Royal Saloon」 は、成功者の証のような雰囲気を醸し出します。


1955(昭和30)年に発売され、モデルチェンジを繰り返し、現行は15代目。




グローバルモデルという名目で、車種の世界統一仕様が流行り、
どこの国でも同じ姿かたちの車を売っていますやん。
その中においても、クラウンは ほぼ国内に特化した販売

世界各国の車が安全性だの走りの向上などで、軒並みワイドボディ化していますが、
クラウンは幅を1800mm未満にこだわり、ニホンの道路事情にあった作りとなっています。



そういうクラウンは、整い、落ち着いたデザインが熟年の大人のイメージを強くし、
新車は値段も高いので、結構な収入がないと買えません。
だから同時に「オヤジ車の代名詞」と揶揄されてきました。
購入層も年配の方が多いと聞きますしね。




そこで、15代目でクラウンの文字もデジタル風に一新 → 

「RS(Racing Sports)」といったグレードもリリース。スポーティなスタイルで「若返り」をアピールしようと企てたようです。
が、「オヤジ車」の威力は大きく、訴求力には欠けていましたね。



そして、16代目…が出るのかと思いきや、出たのはこんなニュースでした。





クラウンがステーションワゴンになった時代もありました(例:クラウンエステート(アスリート/ロイヤルサルーン))が、
今 大流行りのSUVに変身するかも…とは。正気なんですかね。

こういうニュースが出るということは、噂ではなく、どこかで煙が上がっているのでしょう。



結局、セダン型は使い勝手の問題もあり、廃れていく運命のようです。
まぁ、SUVになってもクラウンを名乗り続ける度胸がトヨタにあるのか、見ものですね。




記事引用:毎日新聞 2020年11月12日付朝刊