機械遺産
技術というのは常に発展、発達していくものです。
今 自分の身近にある物々を見ても、10年くらい前の物と比べても品質や使い勝手が格段に向上しています。
しかし、今あるテクノロジーにはどこかに原点、スタートに当たるものがあったはず。
それを語らずして今はありえない。
日本機械学会(www.jsme.or.jp)というところが、
「歴史に残る日本の機械を保存し、次世代に伝えるため『機械遺産』の認定制度」を
創設した新聞に載っていました。
なんでも創設するんですね(笑)。
それに「機械」と「遺産」という単語を引っ付けるのは、ニポン語の表現として妙な違和感がありますし、
音声で「きかいいさん」は歯切れが悪くて発音しづらいんですけど…。
まぁ、いいか。
このたび創立110周年の日本機械学会の記念事業として25件を選んだと新聞に載っていました。
選定基準は「機械技術の発展史上重要な成果や、国民生活の向上に貢献したものなど」が対象。
1 小菅修船場跡の曳(ひき)上げ装置 2 熊本大の旧機械実験工場と文化財工作機械群 3 足踏旋盤「明治8(1875)年伊藤嘉平治作」 4 陸用蒸気エンジン 5 10A型ロータリーエンジン 6 ホンダCVCCエンジン 7 民間航空機用FJR710ジェットエンジン 8 ヤンマー小形横形水冷ディーゼルエンジンHB形 9 ゐのくち式渦巻きポンプ 10 高周波発電機 11 東海道新幹線0系電動客車 12 230形233号タンク式蒸気機関車 13 旅客機YS11 14 カブ号F型(ホンダ自転車用補助エンジン) 15 麦わら帽子製造用環縫ミシン 16 無停止杼換(ひがえ)式豊田自動織機(G型)第1号機 17 活版印刷機 18 小松ブルドーザーG40(小松1型均土機) 19 オリンパスガストロカメラGT−1 20 バックトン万能試験機 21 万能製図機械MUTOH「ドラフターMH−1」 22 万年自鳴鐘 23 旧筑後川橋梁(筑後川開橋) 24 機械学会黎明期の学術図書 25 東京帝国大水力学および水力機講義ノート |
僕個人の意見として、24番目のものは、ただの自画自賛ではないのかと…(^_^;)
ほかにも選ばれるべき機械はたくさんあるだろうに、14番目にわれらの宝、バイクも選ばれてるやん!!
1952年にホンダが発売したそれの写真が掲載されています。見てみましょう。
うーん、コレ、見る人によっては懐かしいカタチかも。
僕の親の世代などがガキンチョ時代に三角乗りしたタイプの自転車でしょ?(笑)
キーキーうるさい鉄ブレーキの(爆笑)。
機械遺産になったのは自転車ではなく、そこに取り付けられた自転車用補助エンジン「カブ号F型」です。
写真では見づらいかと思いますが、スタンドの部分にある楕円形のケースに筆記体で「Cub」の文字が見て取れます。
説明には「身近な足としてヒットし、小型二輪車の原点になった」とあります。
ちなみに、世界中で愛されることになるスーパーカブがこの世に出現する6年前のことです。
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しかし、ホントに良いんでしょうかねぇ、
自転車に毛が生えたものをYS11や「だんご鼻」などスケールの大きなブツと同列に扱っても…(失言)。
参考資料 京都新聞2007年8月11日付夕刊