きまぐれクラッチ




今どきの新米バイク乗りにとってはハードルが高い(らしい)。

それは、クラッチ操作



バイク乗り30年選手の僕は、オートマ(AT)限定なんて無い時代に免許を取得してるので、
教習所で散々クラッチの操作を叩き込まれてるから難なく乗れるし。

だから、スポーツタイプのバイクにクラッチ操作はツキモノと思ってるんやけど…古い考えなのかねぇ。




そんなクラッチアレルギーの人のために、ホンダが提唱した「DCT」というAT機構があります。

スポーツタイプのバイクにもかかわらずクラッチレバーやシフトペダルは無く、
アクセルを回せば発進でき、ギアチェンジも自動の完全なAT。
また、加減速チェンジを左ハンドルの「+−」や「△▽」のボタンを押すことで任意に行える代物です。




たぶん、新米バイク乗りは言うんですよ。そうじゃないんや、と。

あくまでも左足でシフトペダルを操作して機械的にギアチェンジはしたいだけどクラッチ操作はイヤ

ただのワガママですやん。




ですが、過保護に育ってきた方たちのために、新技術が登場しましたよ。
またもやホンダからです。








こちらの2台のバイク。クラッチレバーもシフトペダルもある、見たところフツーのスポーツタイプのマニュアル(MT)バイクです。

なのに、です。



アクセルを開けるだけで発進が出来るんです。

クラッチ操作をせずにシフトペダルの操作だけでギアチェンジも出来るんです。

停止時もブレーキをかけるだけでOK。クラッチを切らなくてもエンストしません



これらを行っているのが、クランクケースのそば、バナナ2本分くらいの出っ張りにあります。

これこそが新技術、「E-クラッチ」です。














似たような機構にセミATがありますが、アレはニンゲンが行ったシフト操作に電子制御でギアチェンジをしてくれるモノ。

それに対して、E-クラッチは、クラッチの操作のみを電子制御で行い、
ギアチェンジはあくまでもニンゲン主体の機械的な操作





そして凄いのは、
走行中にクラッチレバーを握ると即座に電子制御が解除され、
ニンゲンがクラッチ操作を行うMTに切り替わる
点。


もちろんE-クラッチ機能そのものを解除して、純粋なMTとして乗ることも可能。エンストもさせられます(笑)。



つまり、渋滞時の低速走行や悪路での不整地走行などはE-クラッチを使って安定した走りをし、
スポーツ走行を満喫したいときはMTとして走る。

クラッチ操作によるストレスも軽減し、よりバイクが楽しく…を目指したようです。



開発に10年もかけただけある素晴らしい機構と思います。
お値段もMT仕様にプラス5万円なので安いと思います。



ですけど、その素晴らしいE-クラッチを、なぜ不人気車だけに搭載させたのかは甚だ疑問です orz