命の道しるべ




暗礁を恐れぬ 希望の眼となれ ここから世界へ ここから未来へ




世の中に存在するモノの総てには、どこかに誕生した瞬間がありますよね。

今回紹介するものは、1967(昭和42)年3月18日に岡山県で誕生し、今年で半世紀になりました。

それは、街のいたるところにあるのに、大多数の方には必要とされていません。僕も必要ない一人です。
でも、とても大切なものです。



それはなにか。






点字ブロックです。



交差点を渡ろうとする視覚障害者の前を車がビュンビュン走り抜ける光景を見た、ある実業家が考案しました。


「コケと土の違いが足で踏んだときの感触でわかる」との視覚障害者の方の発言から、
足裏の感覚なら個人差が少ないと考え点字ブロックを発案したそうです。



いまでは、世界150ヵ国以上で利用されているんですよ。
まさかこれがニホン発祥だなんて思いもしませんでしたよ。



コラム冒頭の言葉は、世界初の点字ブロックが設置された、
岡山市中区の旧国道2号線・原尾島交差点前に建てられた記念の石碑に刻まれているものです。

視覚に障害のある方にとっては命の道しるべです。



ブツブツの突起の点字ブロックが「この先注意」を意味し、
線状の突起のものは進行方向を示す「誘導ブロック」です。

この2つはどこででも見かけるメジャーなタイプですよね。




最近では、横断歩道の真ん中にも点字ブロックが引かれているところもあり、
「エスコートゾーン」といいます。





さらに、弱視の方向けか、夜間に強い光で点滅する点字ブロックもありますよ。
(上写真の濃い黄色の2枚の点字ブロック)


ご紹介したものは、京都市北区の千本北大路交差点のものです。
ここ交差点の点字ブロックは、「全部入り」なんですよ。


なぜなら、すぐ横に盲学校があるからです。
白杖をついている方が頼りにされているのをよく見かけます。



お困りの様子の彼らに声をかけて手助けしてあげるのも大切ですが、
彼らにとって大切な点字ブロックの上に自転車やバイクを駐輪して行く手をふさがないようにすること、
それは小さいけれど大きな親切です。



「点字ブロックを守る会」の代表の言葉を引用してコラムを締めたいと思います。

「キャリーバッグや車椅子の利用者は、点字ブロックが邪魔と感じることもあるでしょうし、景観を損なうと思う人もいるでしょう。
それでも、私たちにとってはなくてはならない存在だということを理解してほしい」





参考記事:毎日新聞 2017年5月24日付夕刊