俊敏な低ポリゴン車
今時のゲーム画面では、立体的なキャラクタが滑らかに動き回ってますよね。
あれは、ポリゴンという、三角形や四角形といった図形を組み合わせて作られていています。
キャラクタの位置や動きに合わせた座標軸…、
数学のグラフでいう縦横のX軸、Y軸に加えて、高さのZ軸の3点をキャラクタの動きに合わせて無数に設定することで、
形を作っているんです。
一枚物の絵(CG)が動いているわけではないんですよ。
なぜCGではなくポリゴンにするのか。それはデータ量との戦いだからです。
フルHD画質(≒200万画素)のCG1枚で6MBも要るんですよ。
そんなものでパラパラ漫画(古)みたいなことをしたら、容量がいくらあっても足りません。
そこで、ポリゴンを使うわけです。
定めるのはキャラクタの位置の座標だけ。
これだと数字の羅列で済みますので、データ量が圧倒的に少なくて済みます。
ゲーム機は今でこそ無数のポリゴンを同時に動かせる性能を有していますが、
ポリゴンが使われ始めたころの90年代半ばのゲーム機は、データ処理の性能が低いためポリゴンのキメが粗く、
三角形や四角形がはっきりと見えてしまうほどで、キャラクタはガタガタしていました。
キメの粗いポリゴンの分かりやすい例として、1993年に発売されたメガCD版「シルフィード」をご紹介します。
動画はコチラ→https://www.youtube.com/watch?v=J_MoPL_73w4
(C) GAME ARTS 1993
これでも当時としては最高の技術でして、それまでスーファミ(古)の色鮮やかな2D画像でも感激していた僕でしたので、
ポリゴンが織りなす、奥行きのある映像を初めて見たときは、その迫力に目を奪われたものでした。
ま、ゲームの話はこのくらいにして本題に入りましょう。
なぜポリゴンを出してきたかというと、こんな車がリリースされたからです。
コレ、90年代のゲームの画面ではありません。実車です。
アメリカの自動車メーカー・テスラが発売した、EV(電動)のピックアップトラック「Cybertruck」です。
ピカピカの車体はステンレス製で、いわゆる鉄板丸出し状態。
サイズは全長5m、全幅2m、全高1.9mとアメリカンサイズ。
スタイルがシルフィードのポリゴンよりカクカクで、
いったい何を考えて作ったのやろうと首をかしげてしまいますわ。
でも、なんです。
搭載されるモーターにはいくつかバリエーションがありますが、
0−60マイル(0−96km/h)加速が、最廉価盤でも6.5秒と相当に速いのに、
最上級モデルはたった2.9秒!! スーパーカー並みの速さ!!
そのくせ航続距離は400〜800kmにも及ぶといいます。
そして、値段も3万9900〜6万9900ドルと、性能の割に安い。
実用一点張りのニホンのEVがどれも霞んでしまいますやん(笑)。
実車をこの目で見たら、衝撃を受けるんやろうなぁ。
90年代のポリゴン車が猛ダッシュをするんですから、
性能は時代の先を行ってるのに、デザインは後れを取っている…、もう、現実離れしていてよくわかりません(笑)。
ゲームの世界に迷い込んだのかと錯覚を起こすかもね。
実車の紹介動画もリンクを貼っておきます→ https://www.youtube.com/watch?v=464puoD09dM
こういった思い切った車はニホンのメーカーには出来ひんわなぁ。
記事引用:
Response 2019年11月24日配信記事
https://response.jp/article/2019/11/24/329115.html