ケータイ命



いまやニポン人の必携アイテムとなった携帯電話
日本における携帯・PHSの契約台数は1億台を超え、
国民のほぼすべての人が持っている、まさしくケータイ国家になりました。



皆さん、持ってますよね?
僕の職場には、30歳代の人たちで頑なに「携帯は持たない」と言ってる人が若干名いましたが、
ほかの大多数は携帯を当たり前のようにもっています。



それにしてもすごいです。
「ワイヤレスホン」と言う名で電電公社(現NTT)が無線電話サービスを始めたのは1979(昭和54)
かつて我が家には、1981(昭和56)年に出版された百科事典がありましたが、
それの「電話の歴史」の項目の最後にワイヤレスホンが載っていたのを覚えています。


それは、今のコードレスホンに短いラジオのアンテナが付いた物体で、
幼い僕は、長きに渡ってそれをコードレスホンと勘違いをしていました。
それにはバッテリーを含む本体の写真が省略されていたので、まさかどこからでも電話が掛けられる物体には見えなかったのでしょう。


デカいバッテリーを肩に提げて使うショルダーホンや、自動車電話などの歴史を経て、だんだん電話が小型化し、
持ち運びに便利になっていきます。



当時、僕の身近で無線電話使っていた人は、母親の姉ただ一人。自動車電話をつけていました。
それが1990(平成2)年頃の事。

そのときの電話番号が、「030 -**-*****」と変わった表示をしていたので、
東京の市外局番「03」につづけて「0」を付けると何故車に電話が掛かるのか、不思議に思ったものです。
日本全国どこにいるかわからない相手を呼び出すのは手間が掛かるやろうな、と。


それぞれの携帯が、全国各地にある無線中継基地局に位置登録をしているから、
スムーズに電話が掛かるというシステムを知ったのは、ずーっと後のこと。



そして、携帯のレンタル制度が廃止され、販売自由化が始まったのは1994(平成6)
その頃初めて見た携帯はまだ、黒くて小型の無線機ぐらいの大きさがありましたが、それでも「すごい」のひとことでした。



そこから携帯は年間1000万台のペースで一気に普及していきます。
この文章を書くために携帯・PHS各社のカタログをもらってきて読んだのですが、その進歩や、僕には、ついていけません。


←左から、 au、TU−KA、vodafone、WILLCOMの

2005年5月号カタログ




付加機能が充実し、携帯ひとつで何でも出来るようになりました。
これだけ短期間で性能が向上したメディアは珍しいです。

って言うか、メインの通話機能はほとんど進歩してない気がするんですけど…。



携帯のスペック(仕様)を見てると、
今の若い人たちの動向がはっきりと見えるのも気のせいではないでしょう。



で、付加機能いっぱいの携帯、あなたはどういう風に使ってます?

カラフルなメール、Web、着メロ、着うた、ラジオ、テレビ、カメラ、ビデオ、テレビ電話、財布、音楽、ゲーム…

電話とメールとちょっとしたWebサイトが見られればいい…などというシンプルユーザーの僕は時代遅れでしょうかね。


何でも出来るようになったせいで、
外出時に携帯を忘れたり、失くしたりしたら自殺しちゃうんじゃなかろうかって人が巷に溢れています。
圏外になっただけで不安になるのもそうでしょう。
場所をわきまえず携帯を使い、マナーの問題になりました。


四六時中携帯をいじって誰かと繋がっていたい、いつでも情報に囲まれていたい。
初めて会った人と名刺交換よろしく、携帯番号交換してる姿。


……携帯に支配されてる人生の、何が楽しいのやろう。


個人の自由やろ、放っとけやい!と言いたくなるのはもちろん分かりますが、
便利なそれと引き換えに、ニポン人は、ニポン人が長年培ってきた大切なものを置き去りにしてませんか



携帯が現在のコミュニケートには欠かせないアイテムのひとつですが、僕は、
電話とメールだけでつながっている人とは、少なくとも「親友」にはなれませんね。


若い人たちからすれば、そういう考え方をしている僕はオヤヂそのものやね。



そんな僕はPHSを2台も持ってる変人ですわ(笑)。




お堅い話はこのくらいにしておくとして、
いつでも、どこでも、だれとでも繋がる便利アイテム・携帯は移動中に最大の威力を発揮します。
当たり前か。


車の運転中など、格好の電話タイム。
僕自身、車を運転しながら何度も電話した事がありますし、メールを打っていたこともありました。
今思えばおっそろしいことを平気でやってたんやなぁと思います。


自分のことを棚にあげてしまいますが、つくづく運転中の携帯は危ないなぁと思っていました。


半ヘルをかぶった原チャ小僧が何kmにも渡って携帯でしゃべりながら片手運転したり、
メールを打ちながら走っているのを見て、


「コケて死ね」と思ったものです。

さすがの僕でも、バイクで走りながら電話したりメールしたりしたことはありませんよ(笑)。



普通の人間は、2つ以上の複雑な動作を、正確に行う事が出来ないとか言います。
僕も自分では「普通の人間」と思っていますので、車の運転をしながら電話を使うなど、どっちかがおろそかになっていたでしょう。
運良く事故には至りませんでしたが、
運転中の携帯使用が原因で事故を起こし、命を落とした人もたくさんいる
わけですし。



そこで、まず携帯使用が原因となる交通事故を起こしたり、交通において危険を生じされた場合に限り、
罰則が適用されるようになりました。
しかし、普通に運転中に携帯を使っても違反にならないので、ほとんど意味を成していませんでした。


これではいけないと、2004(平成16)年11月より、運転中の携帯使用が全面的に禁止になりました。


「走行中に携帯電話を手で保持して通話したり、
メールの送受信のために携帯電話やPDA(携帯情報端末)を
手で保持して注視した場合」
が罰則の対象に。


基本的には、運転中に携帯電話を手に持って使うことが全面的に罰則の対象になったわけです。


反則金は、大型7000円、普通車・自動二輪は6000円、原付は5000円。違反点数は1点。
罰則は5万円以下の罰金となりました。


禁止になった直後はK察が徹底的に街頭取締りをしたので、
運転しながらの携帯使用者が入れ食い状態でパカスカ捕まり、
施行初日では3645人、3日間で6021人が全国で検挙されたのは記憶に新しいでしょう。


禁止になった初日に、知ってて携帯を使ってるヤツってのは、脳ミソの入れ替えが必要ですねぇ。
ワンパターンなK察の行動からして、最初に見せしめ行動と取るのがお約束なのを、お忘れですか?(笑)


ところが、これにも穴があり、ハンズフリーも一部地域(東京など)を除いてOKなため、
車を日常的に乗ってる人の耳にイヤホンマイクが装着されてるのをよく見るようになりました。


ハンズフリーキットはカー用品店やホームセンターなどでいくらでも売っていますが、
どれもこれもバイクには不向きな作りばかり。
バイクで走っているときの風切り音が邪魔して、使い物にならない、と。


音を直接振動で伝える骨伝道システムの物もあることはありますが、種類が大変限られているので選べない…しかも高い…(涙)。

バイク乗りってつくづく不便やなぁ。
ま、便利さをバイクに持ち込むことが間違ってるのかもしれないですけどね。


なんとしてもバイクに乗りながら携帯を使いたいなら、信号待ちを利用するしか方法がなさそうです。
思い出してください。


停車中の携帯使用は、もともと取り締まりの対象外。


そこで、僕はそれが本当かどうか試してみました。

バイクで信号待ちをしているときに、
横にいた3台の白バイにあからさまに見えるようにPHSを取り出しメールを打ってみたのです。



さあどうする、白バイのアンちゃん!
勝算は五分五分でした。
しかも、僕にはワケアリで「記録が残る事故違反は厳禁」の縛りがあった上に、
もし、違反を宣告されたときの反撃の文句は何も考えてなかったので、かなり冷や汗をかきました。
僕の無計画さに我ながら呆れてしまいますね(^_^;)



が、


誰も何も言ってきませんでした。


やっぱりこれは正しいようです。多分(取り締まる側の問題もありますが…)
そういうわけで、僕は今でも信号待ち時に限り、メールも電話もしています。
そこそこの内容のメール1本打つのに信号待ちを3回くらいしないといけないので、文章作成の効率は非常に悪いんですが(笑)。


それなら最初から道端に止まってやりゃあエエやん、って声が聞こえそうですが、聞こえないフリをしておこう(笑)。