「3輪のバイク」見参!【特定二輪車】
さて、2年ほど前の2007(平成19)年3月にニポンに上陸した「黒船」的乗り物、
ピアジオの「MP3」シリーズ。
前が2輪、後ろが1輪の 3輪のスクーター風のスタイルをしていまして。
現在、MP3・250FL、MP3・400FL、
それと、ジレラブランドで販売しているFUOCO500ieの3車種があり、
ニポン国内では合計2000台以上が流通(2009(平成21)年5月現在)していると聞きます。
MP3の凄いところは、「トライク」のカテゴリに属しながらも、それらとは違い
前後に独立したサスペンションが付いているため、
乗り味はまんまバイクなのに、「道公法上」バイクに該当しないため、車の免許で乗れ、ヘルメットも不要などの特典で
車オンリーユーザーを引き込んだところです。
これは、3輪の乗り物に対する国内の法整備がアバウトなため、その穴を突いただけ、
というのが正しい表現なのですが。
事実上、「3輪のバイク」ですもんね、これ→
僕はMP3をこのままトライクとして放置してもいいのやろうか…と、うすうす疑問には感じていました。
過去2年ででMP3による4件の重軽傷事故が起こっている現実もありますしね。
2000分の4。この事故率って高いのか低いのか、よく分かりませんが…。
そんな「黒船」の攻撃に、ニポンが誇る警察庁が黙っていませんでした。
法律を変えるという必殺技を繰り出してきました。
内容は、
2009(平成21)年9月1日以降は、 ・3輪のバイクは二輪免許が必要 ・ヘルメット着用の義務 ・ただし、現在、車の免許で3輪バイクに乗っている方は、2010年8月31日までに特例試験に合格すれば、 3輪バイクに限り運転可能なバイクの免許を与え、それまでの間は車の免許でも運転可能 ・高速での法定速度が 80km/h→100km/hに格上げ |
といったものです。
特例試験の内容は、バイクの免許の実技試験から波状路と一本橋を省略したものと、適正試験とのこと。
波状路や一本橋は 2輪車でバランスを取るための項目やし、転倒しようのない3輪バイクでは必要ないわな(笑)。
以後、発売されるかもしれないMP3に類似した乗り物対策として、
今回法改正の対象となる3輪のバイク(道路交通法上は「特定(普通/大型)二輪車」)の定義が
明確に示されています↓
51cc超で、以下のすべてを満たすもの 【1】 3個の車輪を備えているもの 【2】 車輪が車両中心線に対して左右対称の位置に備えられているもの 【3】 輪距(左右のタイヤの接地面の中心と中心との距離のこと)が460mm未満のもの 【4】 車輪及び車体の一部又は全部を傾斜して旋回する構造のもの |
↑これ、MP3のために作られたような定義ですね(笑)。
【3】の定義は、ヨーロッパの基準にならったものとか。
これらのすべての条件を満たす乗り物は、
トライクのカテゴリから分離し、バイクの位置づけとなる、と。
当然でしょうね。やはりバイクは、バイクの免許で乗りましょうということです。
これにより、3輪の「バイクの仲間」的乗り物は
・原付(ジャイロ) ・ミニカー(改造ジャイロ) ・サイドカー ・トライク ・3輪のバイク(特定二輪車)(MP3系) |
の5形態となります。幅広くなるね。
ただ、僕が見かけたMP3ユーザーは全員ヘルメットを被って走っていましたし、多分もともとバイク乗りなんじゃないのかなぁ。
なので、現実問題として3輪バイク限定免許を取得すべき方って、案外少ないのではないか…の個人的な予想。
どうせなら、バイクの免許を取得したほうが便利もいいしね。
参考資料: | 毎日新聞 2009年6月11日付夕刊 |
日経NET 2009年6月11日付 | |
「ビッグマシン」 2009年9月号 |