バイクと風の一体感




自分の好きな事柄って、チラッと目に入っただけでもパッと反応しません?
僕は自称多趣味ですので、あちこちにアンテナを張っています。



さっき、新聞の夕刊を斜め読みしていると、ある単語に僕のアンテナが過剰反応しました。

目に飛び込んできたのは趣味のひとつである「バイク」の文字。


だいたい紙面でバイクって書かれるときって、良い内容のことが少ないですので、
読み飛ばそうとしましたが、それは違いました。


なにかの工芸美術品の写真記事のタイトルに「バイク」と書かれていたからです。



しかもそれは、京都市美術館で開催中の「日展」(日本美術展覧会; http://www.nitten.or.jp/ )に
出展されている作品についての解説。
記事を読むと、ここにもバイク乗りの感性が表現されていたのです。









風を受けて走るのは時に爽快感を、時に満喫感を、また時に緊張感を…、
様々な感覚・感情とともにあると思うんですよね。



ただ、この手の抽象的な芸術作品って、主張のポイントがよく分からないです。
まぁ、芸術作品なんて自己満足の塊やから、第三者に「理解」してもらうものではないと思うけど。


だいたい、この写真だけでは立体感に欠けますし、どの程度の大きさの作品かも分からないので、
日展へ見に行って作者のバイクに対する情熱を直に感じてみたいです。開催期間があと2日間しかないけど、なんとか…。

そして実物をこっそり写真撮影(しません)。


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このコラムを書いた2日後に「日展」京都展に行ってきました。吹雪の中を。
最終日でしかも美術館の閉館時間が迫っていたので、出直せなかったんです。


「包む風」は、高さ40cm、幅80cm、奥行き40cm(いずれもおよそ)の大きさで、漆はツヤをあえて消すように塗ったようでした。
色は新聞記事の写真とは違い、
深緑に青をわずかに足したような色合いで、写真のような青さではありませんでした。

作品の左側に入っている らせんのエグレは、右側では2つの渦を巻くようになっていて、
1枚の写真からでは想像できないほどデザインに躍動感がありました。
バイクが風を切って走る…という作者の主張が十分に表現されていたと思います。

ただ、作品には解説がつけられてませんでしたので、他の観覧者にはそこまで伝えきれないでしょうね。それが惜しいです。

見に行って自分の目で確かめられて良かったです。

他に、バイクを題材にした作品がもうひとつ、洋画(油彩)であり、
ハーレーをバックに、何かを見つめ力をこめる表情をした半裸の青年を紫と黒を基調にして描いた「胎動」という作品。
思わず「上手い」と言わせる作画で、特選でしたよ。




記事引用:京都新聞 2017年1月13日付夕刊