ぶつかれない車
日がな運転免許で食わせてもらっている僕が恐れていることは、
事故ること。
もちろん、そんなものしたくてする訳がありませんが、
どれだけ注意をしていても、どれだけ神経を尖らせていても、100%防ぐことは出来ない。
ちなみに、わざと車などにぶつかって賠償金を巻き上げる職業を「当り屋」と呼びます(笑)。
あ、これは仕事じゃないですね。犯罪者です(^^;)
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車に装備されている様々な装置により、
より楽に、より簡単に、より快適に車を運転できるようになっています。
僕の本業においても、実はその快適装置のひとつのおかげでスムーズに行えています。
それは、今の乗用車では当然とも言うべき、オートマチックトランスミッション(AT)。
街中や狭い道をトラックで走り回り、細かいゴーストップを繰り返す僕の仕事は、
クラッチ操作から解放されるだけでも段違いにラク。AT様々だと思っています。
僕の仕事の場合は好意的にとらえていますが、
ATのおかげで車の運転が大幅に単純化されたために
人は運転という本来複雑な動作を行いながら、他の事を同時進行させるようになります。
テレビを観ながらしかり、漫画や雑誌を読みながらしかり、
携帯・スマホ・ニンテンドー3DSをいじりながらしかり、物を食べたり化粧しながらしかり…。
車だけじゃないの?これほどまでに「ながら運転」できる乗り物って。
電車の運転士がテレビ見ながらマスコン(アクセル)操作してる?
飛行機のパイロットが自動操縦中であってもスマホでゲームしたりしてる?
船の船長がアンパンをかじりながら「面舵いっぱ〜い!」とか指示だしてる?
あるわけないでしょ。
人の命を預かってるのに、そんなことしながら運転できるわけないでしょ。
車の運転だって、本来は緊張感をもって行うべきなのに…。
緊張感をもって車を運転してる人など免許取りたての人だけじゃないかと思えてしまう現実。
だから、最近登場してきた、「安全運転支援システム」と呼ばれるものは、
生ぬるい馬鹿ドライバー向けの過保護装置なんやろうなぁ…と思ってしまいます。
※列車には「ATS」と呼ばれる 列車自動停止装置がついています。Automatic
Train Stopの略ね。
運転士が信号の指示を無視した場合に、警報を鳴らしたり自動的に列車のブレーキをかけて停止させ、
衝突や脱線を未然に防ぐ…というもの。
それを車バージョンとでも言うと意味合いが近いかな。
中身は全然違うけど(笑)。
車に搭載されている安全運転支援(以下略)なる、お手盛り機能には、最初にこういうものが登場しました。
↓トヨタの例
更に、それが進化して、こんなにいろいろと装備が充実しました。
↓ホンダの例
そんなことまで出来るんかと、技術の進歩についていけてない僕はただただ感心するばかり。
ただ、僕からすれば…、
そういうのが装備されている安心感という意見も一理あるけど、
もともとはドライバーのミスが原因で起こることやろ?
それを車自身がカバーしてくれることにより、
どうしてそういうミスが起こるか(起こすか)をドライバー自身に考えさせる機会を奪っていることが
正直怖い。
それと、各社のセールスコピーである「ぶつからない」ってのは、
車が自分の意思に反した動きを勝手にするわけやから、
実際に安全運転(以下略)が作動したときはビックリして更なる誤操作をしてしまわないか、と思うんやね。
ABSが作動した際のブレーキペダルに伝わる「ガタガタガタ」という振動にすらビックリして、ペダルから足を離してしまい、
逆に制動距離が伸びてしまった…って事例をよく聞くからね。
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ま、安全(以下略)により、当たり屋は商売上がったりになるやろうなぁ(笑)。
それから、「ぶつからないバイク」なんてものは登場するはずがないから安心したまえ(笑)。