えいまる閣下を励ます会 (合計排気量 357cc)




ある日、何かとマニアックな行動で有名(?)な、星屑之助さんがこんなメールを寄越してきたのが事の起こりでした。


熱中症で夏のツーリングに奥手になった

「えいまる閣下をとり囲む会」 とか 「えいまる閣下をはげます会」を称して、

原付(125以下限定)京都市発 三田市 蕎麦を食いませう 1日中 山道なツーリングって

星屑主催で実行可能な場合、参加されますか?




僕が主役のツーリング?!なんて嬉しいことを言ってくれるのやろう!!

即、了承しました(笑)。



で、何をもって励まされたのか…。


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2013年8月18日、日曜日。朝8時。


京都市西京区のR9沿いにある餃子の王将前に集合したのは、

ツーリング主催星屑之助さん(大阪府吹田市・スーパーカブ110)
愛知〜京都間の下道ベストタイムを更新したtoonoさん(愛知県碧南市・アドレスV125G)
そして、励まされる主賓の僕、えいまる(京都市・シグナスX)



本当は弟のJOGを拝借しようと策略していたんですけど、ちょっと乗ってみたらフロント周りがグラグラ安定せず、ブレーキの利きも悪く、
とてもツーリングに耐えられないと諦めたのでした。


早くにSHIFTさんも参加表明をされていましたが、
親戚から借りる予定の原チャが当日の朝に親戚の急な用事で使うことになってしまい、
参加不能
に。


でも、JOGを使おうと思っていた僕にしてもそうですが、
結論から言うと、50ccで走ったら、間違いなく序盤で脱落したのではと思うほどのハードなコースでしたよ。



それから、新しいバイクを納車したばかりのカッツンさんが見送りに来てくれました。
あくまでも見送りだけで「一緒に走ります」との声は、ついぞ聞かれませんでした(涙)。




彼の見送りを背に出発した原付2種3台のご一行様は、西を目指します。



このスタート地点から西に向かうなら、普通はR9を走るのですが、そこは星屑之助さん。
いきなり彼の本気ぶりを見せつけられることになったのです。



なんと府道733号という山道に突入。
完全1車線、カーブミラーの無いブラインドカーブまみれ、超急坂。
対向車が来たらどうしましょう的な道のマイナー度を星マークであらわすと

★★★★★ ★★★☆☆(10段階評価)くらいかな。



いきなりのハードモード認定ですよ。toonoさんが引いてるやん。

toono 「都会からいきなり山道になるなんてビックリ。
こんな道を走ると分かっていたらスクーターじゃなくて、実家からXR50モタードを借りてきたのに」
と悔しがってます。


実際MT車のほうが面白かったと思いますが、悔しがるところを間違ってますぜ(笑)。



普段ならそれに加えて落石に落ち葉が堆積しているなど荒れ放題で、府道ならぬ「腐道」なんですけれど、
お盆の時期で通行量があるからか、お掃除がなされていてキレイキレイ
あと、ロクにニーズのない道なのに舗装もやり直してあるやん。
以前のように転倒とか滑落の恐怖が取り去られているなんて、なんと面白くのない!



僕曰く「アバンギャルドなルート」、toonoさん曰く「エクストリーム・ロード」
このあと、ツーリング終了まで続くなんてこのときは考えもせず…。



前方視界がまるで無いので、星屑之助さんはカーブのたびにバイクから身を大きく乗り出して
対向車が来ないか確認しながら先導します。

でも来るんですよね〜、これほどのド地味な道でもスカイラインが突っ込んできて避けるのに少々難儀しました。

toono 「こんなところをスカイラインで走るなよ」
そやで、車が傷むわ。ま、そんなところを走ってるおれたちも大概やけどな(笑)。




京都の市街地は朝早くから気温が30℃を超え、蒸し暑くなっていましたが、
山道に入ったとたんグッと涼しくなります。メッシュジャケットを着て丁度いいくらい。
僕がまたツーリング中に熱中症にならないように考えてくれたんやね?

…ということに気づいたのはツーリング終盤で山を降りたときだったんですが(笑)。




山の中の分かれ道で突然停まる星屑之助さん。
「この先、最短ルートと余興ルートがあるんですけど、どちらがいいですか?」

そんなの訊くまでもないでしょう。余興コースに決まってますがな。



と、いうわけで更に難易度の高いマイナー道を行った先に道の駅のような施設が現れました。




HPもあります(外部リンク)。
名称が田舎っぽさを醸し出していて◎。



僕たちはすんごい山道を走り継いでやって来たので、
大変な山奥にこんな施設を作って儲かんのかいなと少々心配になりましたが、
実際には大阪の幹線道路、R171から比較的簡単に来られるようです(笑)。



そして、見山の郷ではジェラードタイプのアイスクリームが名物と、星屑之助さんが。
で、本日のアイスはコチラ。

  

キワモノが揃ってます(涙)。


星屑之助 「キュウリください」

うええぇ〜、見ただけでも気分悪くなってきた〜。

toonoさんはマトモなものを注文するかと思ったのに、

toono 「トマトください」

orz

台詞だけ読んでいたらとてもアイスの注文とは思えへん。



両方とも淡い色でおいしそうに見えなくもないですが、色に騙されてはいけません。
2種類を二段重ねのオーダーも出来るそうですけど、そんなん絶対イヤー!
以前にもここでキュウリアイスを食べたことがあるという星屑之助さんは、さも平然と食べてます。

僕もちょっと試食させてもらいましたけど、両方ともズバリそのものの味。特に後味が…。
青臭くって、こんなのアイスと違うー!!


僕には「青唐を頼め」とキワモノ兄弟から飛んでくる念波をかわして無難そうなスイカを頼みました。
根性なしといわれようが、本日の主役までもがババ抜きに参加させられてたまるか!




余興コースはまだ続きます。
星屑之助 「北摂にマチュピチュがあるんですよ〜」と怪しげな笑い。

それって別名「廃墟」じゃないの?(心配)
テレビでも取り上げられたこともある名所と言うけれど、その番組って「探偵ナイトスクープ!」じゃないのか?(笑)



 ←「マチュピチュ」に向かうご一行様



「マチュピチュ」は「茨木市青少年野外活動センター」内の道路を通り、
巨大なコンクリートブロックの車止めを越え、林を抜けた先
にあります。
一体どこへ連れて行かれるのかとやっぱり心配になるがな。



林を抜けた先は見晴らしのいい稜線の上でした。そこから下に向かって住宅が立ち並んでいます。
場所は違えど、確かに古代遺跡のような雰囲気を醸し出す場所です。



 


そこは「茨木台」というニュータウンでした。
大阪府の地名がついていますが、地理上は県境を跨いだ京都府亀岡市の端っこ



1980年代に山の斜面を無理に開発したけれども途中で開発業者が倒産してしまい放置されてしまったとのこと。
学校や商店、病院などの生活施設が全くないし、ここへのアクセスも極悪。
ひと気を感じられずシーンとしていて、本当に遺跡みたいです。


典型的なバブル時代の負の遺産やがな。



すごい急坂を下り、茨木台を見上げると、崖に家が建ってる感じがします。よくもまぁこんなところに…。

 ←写真が歪んでいるのではなく、ものすごい坂道なんですよ、ここ。




星屑之助さんが茨木台の不動産情報をプリントアウトしたものを配ってくれました。
そんなもん用意してたんかい。



築26年で4LDKの家がたったの400万円



星屑之助 「ここならマイホームが現金で買えますよ!」
これ、いわゆる「ワケあり物件」と違うんか?


最寄のJR駅である茨木駅に行くのに、最寄のバス停まで1キロ半+バスで50分なんて、いらん。




↑某有名アニメ映画のキャラクターにこんなことをと言わせてますが
亀岡市は丹波地方ですぜ。
あ、目線は元から入れてありました(笑)。



余興コースはここまで。
引き続き、またまた山道を走ります。まっすぐの道を走った記憶があんまり無いわ(笑)。
もはやどこをどう走ってるのかもサッパリ分からん(笑)。





山の中に黄金の観音像と、小汚い観音像と、三重塔が見えます。何かの宗教施設らしいのですが…。
写真を撮ったのはいいけれど、これがどこにあったのか全く思い出せないorz



ここまででも、京都市をスタートして、
大阪府高槻市→京都府亀岡市→大阪府茨木市→京都府亀岡市と移動
してるんですよ。



さらにこの付近を南北に走るR423、R477、R173を横断し、
大阪府能勢町→兵庫県猪名川町→三田市と、ちょっとずつ西へと向かっています。

僕は市町境界や府県境界に立つ看板があるから何とかおおよその場所が分かるだけで、
地元ではないtoonoさんのコンパスは完全にやられています(笑)。




数え切れないくらいのブラインドカーブを越え、何度あったか分からないアップダウンの道の先に、
本日の昼食場所が見えてきました。






かやぶき屋根で風情のある平屋の建物。
三田市の県道49号線にある、「峠の茶屋 一軒屋」です。


古民家をそのまま店にしてあり、開け放たれた戸や窓から涼しい風が流れ込んできます。

板張りの床とあいまって、かなり気持ちいいです。下界の酷暑がうそのようや。そう言うたら、ちっとも汗をかいてへんやん。
他の客がいなかったら、迷うことなく床でごろ寝をしていたやろうな(笑)。



星屑之助さん曰く、メニューよりも雰囲気重視にしたとのこと。
おかげで雰囲気はとてもいいです。それよりも僕たちが店の雰囲気に合ってないのが問題かと (-_-;)

「茶屋」というだけあって、
カレーとかスパゲティとかサンドイッチとか、俗な食べ物は一切ナシ。
唯一のお食事メニューは「茶そばセット」(1100円)のみ

お腹がすいて目が回りそうな僕たち(いや、僕だけか)は迷うことなくそれを注文。





メインの茶そばはおいしかったですが、小鉢で付いていたワラビモチの方が更においしくて、きな粉まで全部食べましたわ。
雰囲気も大事やけど、燃費の悪い僕の腹具合も店の選定基準に入れて欲しかったなぁ。




そしてここから北へと向かい、篠山市街が見下ろせる峠へ。
展望台に着いたのはいいけれど、何も見えへんやん。




星屑之助 「前は(風景が)見えたのに、木が成長して視界を遮ってしまった〜!」 orz
一体、いつリサーチをしたんや?葉が茂ってない冬に見に来たんやないよね?



ここで星屑之助さんのネタが炸裂。
リアボックスから出てきた保冷バッグには、見たことのないデザインの缶ジュースが入っていました。
一緒に配られたレジメ(やっぱり用意がいいな)にはこう書かれていました。



ザ・ヘルス! 熱中症を回避せよ 栄養食品編

------別名 利きまず汁------


我らの『えいまる閣下』が真夏のツーリングで熱中症になられて、真夏のツーリングに奥手とのこと。

(略)私、星屑之助は、この暑さの中、以下に体力を保持するか?と言うことに考えを移し、栄養食品は?…と言うことで、

沖縄宮古島マルマサファミリー商事より
ナイスな飲料をGETしました。




タイトルがいやらしく感じてしまうのは、僕がオトコばっかの職場にいるせいですかね…(・∀・)



それはともかく、持ってこられた4種類を順に試飲することに。
ちゃんと紙コップまで用意してあり(相変わらず芸が細かいなぁ)、それぞれに注いでくれました。





    


で、缶には「飲む極上ライス」とか「栄養食品」とか書いてあるけど、

星さんよォ、「まず汁」って、どういうことやねん。飲む前からゲテモノ確定やろ。




注がれたそれは、やはりと言うか当然と言うか、
4種類ともドロッとした泥水色のバリウムみたいで飲む勇気が湧かへん。
しかし、星屑之助さんが僕のために買ってきてくれたんや。あ、ありがたく頂きます(一気飲み)。


うッ、喉ごしがバリウムどころか不二家ネクター(懐)より悪い!!
僕もtoonoさんも飲み干すのに一生懸命でマトモな感想が出てこない。く、口直しに途中で買ったお茶を…!!





↑またもや目線入りキャラクターに喋らせていますが、全然良くない!!

ストレートで飲むのは罰ゲームやがな〜(涙)。
多分、牛乳で割ってオーレにしてやると飲みやすくなるんじゃないかと…。



お土産に4種類セットを貰っちゃいました。
現在我が家の冷蔵庫に眠っていますが、日の目を見る日は来るのやろうか…。
(後日、父親が勝手にそのうちの1本を飲んで悶絶してました(笑))




さてさて、篠山市の市街地を目前にして再び山の中へと引き返して行くご一行様。



県道どころか地図にもうっすらとしか描かれていない山道を抜けます。
僕が個人的に走ることは絶対に無いと断言してもいいよ、こんな道は。
一人で入り込んだら迷ってしまいそうやし、だいたい入る度胸も無いけども(汗)。
よくこれだけのルートを調べたなぁと星さんの計画力に脱帽ですわ。


しかも、一度だけ行き先を勘違いされただけで、あとは迷うことなくスイスイと走ってましたし。
僕たちは彼に全てを預けて着いていっているだけよ。




出た先はR173
今回のツーリングでたった一度っきりの国道走行
メインルートを走れると安心…!したのも束の間、またもや3桁県道へカムバック orz



大阪府能勢町をかすめて、京都府亀岡市へ。
僕たちは、これをもって早朝から続いた山道走行を終え、俗世間に戻ってきました。
地元のローカルコンビニで小休止。



パンやおにぎりを調達するtoonoさんと僕
やはりお昼の茶そばだけではtoonoさんですら体が持たんかったか(笑)。
そして、星さんから最後のネタ登場。


  



またもやこの辺りの不動産情報…。某有名アニメ映画の悪役に問題発言させてるし(;・∀・)
土地40坪に築26年の4DKで390万円…。


星屑之助 「ここなら年収でマイホームが持てますよ!」
定期預金下ろしてこよか(笑)。


どうしても格安物件に僕たちを住まわせたいのか?!
それなら家庭のある星さんに買ってもらいたいなぁ。団地住まいより広々していてエエやん(・∀・)ニヤニヤ




ムオッとし、息苦しさを覚える蒸し暑さに思わずメッシュジャケットを脱ぎました。

やっと気づいたんです。
僕たちはずっとバイクで山の中を走りながら避暑も出来ていたことに。



さらにマイナーな道だと、他車に出遭ったり追いつかれたりすることもほぼ無い。
信号も無いし、ネズミ捕りもないので無駄なペースあわせをする必要が無いので、
小排気量車でも心置きなく走れる
こと。

どれもこれも計算されていたんですね。



湯の花温泉を通り抜け、亀岡市のR9の道の駅「ガレリアかめおか」でツーリングはお開きとなりました。
走行距離は150kmほどでしたけど、延々とクネクネしていたので、2日分くらい走った感じでしたね。


走った道は次の通り。

京都市西京区 餃子の王将 (集合)

府道733
大阪府高槻市
京都府亀岡市 府道43
大阪府茨木市 府道109
見山の郷(キワモノアイスクリーム)

京都府亀岡市

茨木台(北摂のマチュピチュ)
府道46
府道733
大阪府能勢町 府道732
府道106
府道4
府道602
兵庫県猪名川町 県道602
県道12
兵庫県宝塚市 県道319
兵庫県三田市 県道323
県道37
県道49
峠の茶屋 一軒屋(昼食)
兵庫県篠山市 県道49(展望のない峠)
県道308迂回路(市道?)
県道37
県道309
大阪府能勢町 府道601
国道173
京都府亀岡市 府道731(格安不動産第2弾)
府道54
府道731
国道9

ガレリアかめおか (解散)


ツーリングの途中で何度も星屑之助さんにルートを尋ね、ツーリングマップルを追いました。

地図も見たい?




右下から時計回りで右上までぐるっと走っています。縮尺の加減で、スタート地点が切れています。

地図の左端の「三田篠山線」と小さく読めるあたりに「峠の茶屋 一軒屋」があります。



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僕のツーリングは、走りやすい道やワインディングロードなどを攻めつつ長い距離を走って遠くの目的地へといざなう、
いわゆる正統派です。それがツーリングだと思っていました。

ところが、星屑之助さんのそれは、僕のツーリングと真っ向から勝負する正反対の味付け。
正直に言えば、万人ウケはしないでしょう。


しかしながら、今回のツーリングを通して、僕はあちこちをバイクで走ってきたのは、
どこまでいっても「ただ走ってる」だけだったんやと気づかされました。
だから、難易度とマニアック度も高めなのが逆に新鮮で、濃い一日でした。ツーリングらしからぬ疲労感にも包まれました。



僕はこのツーリングを通して励まされたか?

もちろんです!!個性豊かなメンバーのアンバランスさが、このツーリングをより笑えるものにしてくれたんですから!
星さんは懲りたようですけどね(笑)。


おかげで熱中症でダウンすることなく夏を乗り切れましたよ〜♪




左から、えいまる(シグナスX)、星屑之助さん(スーパーカブ110)、toonoさん(アドレスV125G)



ありがとうございました