懐かしいネーミングの裏側




人・モノにつけられるネーミングは、
そのキャラクターを決定付ける重要な要素ですね。



名前を聞いただけで、「ああ、あれか〜」と想像したり、過去を思い出したり…。


ところで、「乗り物界」においてちょっとした異変が起こっているのにお気づきでしょうか。

その名前を聞いて思い浮かべるものが年代によって大きく違っていることに。



3車種で例を挙げました。
あなたがその名を聞いて思い浮かべるのは、どの年代の乗り物ですか?




ホンダの「CBR」

90年代中盤 2012年





カワサキの「ニンジャ」

90年代前半 90年代後半 2012年





トヨタの「ハチロク」

80年代中盤 2012年




他にも、ホンダの軽自動車「N BOX」は、昔の「N360」(1967(昭和42)〜1972(昭和47))をイメージしたものらしいですし、

ミニバンの「ステップワゴン」も昔の「ライフステップバン」(1972(昭和47)〜1974(昭和49))を連想するように名づけられたとも。



以前のものとは姿かたち、仕様すらもぜんぜん違う乗り物に「変身」しているのに、
そこへ古い名称をもってくる…。





なんでや!!?




実は、これには2つの理由があるらしいです。



ひとつは懐古主義

僕が上で取り上げたバイクや車は、永い時を越えて愛され続けています。
古い車名を引っ張り出してくるのは、ネーミングが持つイメージを消費者が思い浮かべやすいから
以前とまるでちがう乗り物に成り果てようが、あえて使うということ。




もうひとつ。

最近では車にしてもバイクにしても、国内仕様オンリーにこだわっていては売れないので、
「世界戦略車」なんて聞こえの良い言葉でもって、世界中で同じ仕様のものを売ったりしています。

となると、新しくリリースする世界戦略車は販売する各国で同名で商標登録されていないか
調べたりしなければならない
のです。
もしカブってしまうと問題になりますからね。(スマホのiPhoneなんか典型ですよね)

この作業はものすごく手間と費用がかかるそうです。


なので、もともと自社で商標を持っている古い車名を引っ張り出してくる…。
そうすれば手間も費用もかからない…。
楽チンやね、こりゃ。というわけ。




時を越えて愛されている名前の裏には、企業の本音が透けて見えている現実。
昔の名前のイメージをもった方が今のものを買うと、あまりの違いにガッカリするかもしれない…?