お客さん用急ブレーキボタン




路線バスでは、次のバス停で降りるときにボタンを押しますよね。「つぎ停まります」のアレ。


そして車内に響く、ピンポーンの音。




僕、あの押しボタンがどうも苦手なんですわ。

押した途端にピンポーンとデカい音量で鳴るのに少しビビるし、
だいいち、どのタイミングで押したらいいものか、と。

一つ前のバス停を出発した直後やと早すぎるかなぁ、
それなら中間地点がいいのか、はたまたバス停が見えてきてからでもエエかな、とか。
もしかしたら、他の乗客が押してくれるかもしれないと他力本願になったり。



などと優柔不断ぶりを発揮したときに限って自分以外に降りるお客さんがいなくて、降りるべきバス停を通過してしまう、と orz


そんなバスに、ためらわず押して欲しいボタンが搭載されることになりました。


緊急停止装置です。


列車のSOSボタンや非常ブレーキレバーと同じですね。


チョイチョイありますもんね。
走行中に運転手が突然意識を失うなどして運転できなくなり、
乗客がハンドル操作やサイドブレーキを引いて停めた
という話。


列車の運行状況は指令所で常時把握されているので、緊急時はすべての信号を赤にすることで列車の安全を確保できますけど、
バスの場合は、周囲の信号を赤にするなどはムリがありますし、高速を走行中だと信号すらありませんので、
他の交通に配慮した停車が求められます。




このボタンは、運転手が運転を続けられなくなった場合、
運転席にあるスイッチを押すか、乗客が客席上部にあるスイッチを押すと、
自動で徐々に速度落として停車する仕組み
です。

その際には、車内には非常ブザーが鳴り、赤いランプが点滅して緊急停止することを乗客に知らせます。
周囲にはクラクションとストップランプとハザードランプを点滅させて異常を知らせます。

搭載されるのは大型観光バスです。




こういうものをイタズラで押す輩は必ずといっていいほどいますので、乗客用のスイッチは押してから3秒後に作動し、
運転席にはそれを解除できるスイッチもあります。抜かりないな(笑)。


長距離を走る観光バスの運転手はとても疲れるそうです。
願わくば、こんなスイッチの出番がないよう、労働環境が改善され、ゆとりある運転が出来ますように…。



参考資料:JAFMate (JAFMate社)2018年8・9月号

(あ、タイトルは急ブレーキと書きましたが、ホンマにそんな停まり方したら、乗客もタダでは済まへんで〜)