白い目で見られる地元民




このコラムを過去のものとして読まれている皆さんへ。


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2020(令和2)年、世界中で未知のコロナウイルス「COVID-19」による風邪が爆発的に流行
人間はこのウイルスによる免疫を持たないため次々と感染し、死に至ることもある恐怖の病として恐れられました。
感染者は厳重に隔離され、医師や医療従事者は防護服に身を包んで治療にあたりました。



感染拡大のため、「3密」と呼ばれる、密集・密接・密閉を避けるため、
人々は不要不急の外出自粛を求められ、原則として自宅で過ごすように。



学校は休校、仕事は在宅勤務、生活必需品以外を販売する店舗は軒並み休業、
大型商業施設や行楽地、観光地は閉業しゴーストタウン化しました。



営業している店舗でも、空気感染・接触感染を防ぐため、レジの前には透明のビニールシートが吊られ、
店員さんはゴム手袋を着用し、金銭や商品の授受を行うように。



感染防止のために必要なマスクやエタノールをはじめとする消毒液は売り切れとなり、
独自に仕入れたであろうものを販売しているところでも価格が暴騰。
外出する際はマスク着用が常識となり、せずに出歩くと白い目で見られることもありました。



感染の拡大が止まらないと見るや、感染者の多い地域から少ない地域へ疎開する人が出始め、
遂には、鎖国するかのように、県をまたいだ移動もしないよう行政機関から求められました。



COVID-19のはびこりは、憲法が保障する「自由」まで制限させたのです。



人々に喜びや楽しみを与える役割をしてきた人たちは仕事が無くなり収入が途絶え、会社の倒産や解雇が次々と起こり、
そして世界的に景気が急激に悪化。



そのような我慢の日々が長く長く続き、人々はどんどん疲弊していったのです…。



うそのような本当の話です。こんなこと、二度とごめんです。


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ですけど、やっぱりお出かけしたいですやん。
お日様のもとでパワー全開になる僕に日の当たらない生活を送れだなんて、どだい無理な話です。


というわけで、休日は仕事のストレス発散もかねて積極的に出かけてました(笑)。


ですけど、僕のような異端者が他地域へ出ると「帰れ帰れ」と石を投げられるような事態に。
それをどこで判断するか。車やバイクのナンバープレートです。

まぁ、分かりやすいですよね。
例えばですけど、感染者の多い「大阪」ナンバーの車が京都を走っていると、こいつウイルスをバラ撒きに来やがったのかと疑ってしまう、と。



そういうわけで、
そうじゃないよ〜、私は同じ穴のムジナだよ〜とアピールすることが必要になってきたわけです。







本州最南端の町、和歌山県串本町。最南端の潮岬からの眺めは抜群に美しいですよ。
のーんびりとした街と記憶していますが、そこにまで疑心暗鬼の目が…。



お上による自粛や我慢、辛抱を求められる日が続き、かつて人類が誤って歩んだ道、
「全体主義」って、こうして拡大していったのかもな〜と思います。




記事引用:毎日新聞 2020年5月1日付朝刊