宇宙に飛び出したスポーツカー




さっそく一枚の写真をご覧にいれましょう。









地球をバックに車が走っている…?! Σ(゚Д゚;


映画のワンシーンのようですが、これは実際の写真です。



アメリカの宇宙ベンチャー企業、「スペースX」が、
現役ロケットで世界最大の打ち上げ能力を持つロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げ実験を行いまして。



打ち上げロケットには、大抵は人工衛星などを載せるのですが、
その代わりに最高経営責任者(CEO)が所有するスポーツカーを載せて宇宙へ行ったというわけです。
座席には、宇宙服を着せた人形「スターマン」を座らせて。



コラム冒頭の写真は、打ち上げた車に取り付けた車載カメラのものなんですね。



当然にして疑問が起こります。


この車が宇宙開発の何かの役に立つのか?



いいえ、全く何の役にも立ちません。



最終的な目的地は、太陽を回る火星に近い軌道…らしいですが、それを知る術はありません。
なぜなら、搭載されているバッテリーが切れて、既に通信が出来ないからです。
それから、火星の外側には小惑星帯があり、それらにぶつかったり、強い紫外線などで崩壊する可能性を指摘されています。
そうなると、ただの宇宙のごみです。



CEOは「すごいことが実現した。ベンチャーが成し遂げたことで他の国や企業が勇気づけられたと思う」と話しましたが、
結構 無責任なプロジェクトに思えてなりませんわ。



それにしても、自分の車を宇宙で走らせるなんて発想、考えもつかんわな、普通。
金持ちのやることは、僕たち一般ピープルには理解できませんね…。




参考記事:京都新聞 2018年2月7日付夕刊