降格処分の特等席




電車やバスに乗るとき、どこに陣取りますか?

僕はたいてい決まった場所に腰を落ち着けます。
電車だったら運転室の真後ろ。バスなら最前列の左側。


電車なら立ちっぱなしになるし、バスなら左前輪の真上に当たるので正直なところ座りにくいのですが、
それでもこだわるのは、大きなフロントガラスから車窓を楽しみたいからです。


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「京都観光にはバスや電車などの公共交通機関をご利用ください」



観光バブルがどんどん膨らんでいたときは、自家用車での観光により慢性渋滞が深刻化していて、
僕たち住民は日常生活にも影響が出るほどでした。


週末や連休なんて、幹線道路は朝から夜まで渋滞。
観光地へのアクセス路は、車での来場を想定していないため、幅が狭かったり駐車場が少なかったりでここも渋滞。
混雑を避けるため、ナビを使って住宅地にまで他府県ナンバー車が入り込んでくる始末。



だから、車は郊外の駐車場に停め、公共交通機関を利用する、パーク&ライドを推奨していたのに。



新型コロナウイルスの蔓延により、
多くの乗客で「密」な状態が必然的に生まれてしまう公共交通機関は
感染源のような扱いに成り下がり
、敬遠されるようになりました。




かつて平気で乗客の積み残しをしていた市バスも、
緊急事態宣言が出ている今(2020年1月)は、空気を運んでるような状態ですからね。
車内換気のため、季節を問わず窓が少し開けられていますやん。

真冬の今、車内の暖房は「換気」のため十分に効かず、
座る位置によっては走行風がピューピュー当たって寒いのなんの。



このままでは公共交通機関は死に絶えてしまう!と危機感を募らせたのか知りませんが、
この度導入された新型車両はこんな風に「改善」されました。









フレッシュ(死語)な空気を取り込み、換気がしっかり行えていることをアピールしたいようです。

そのうえで冷暖房がしっかり効けば構わないのですが、僕の目は最後の一文に留まりました。




「最前列の座席を荷物置き場とした」




なんということでしょう!!バスの特等席が荷物置き場になり果ててしまうとは!!

今でこそ「特等席」はシートをかぶせて座れないようにしてありますけど、
それは将来的に座席に戻せるようにとの考えがあったからではないのですか。
最初から荷物置き場にするとは、恒久的にそこには座らせないと言ってるようなものですやん。

そういうことが平気でできるなんて、考えた人は悪魔に、いやウイルスに魂を売ったに違いない、そうや、そうに違いない!!


おのれ〜、しょうもないウイルスめ〜 人々に巣くって世界を混沌とさせるだけでは飽き足らず、
おれの密かな楽しみまで奪いやがって〜 (-_-x)
こうなったら風呂敷包みの荷物に変身してこっそり座ってやろうかな(錯乱)。




記事引用:2021年1月14日付 京都新聞(配信記事)