加害者は交通最弱者




今回のテーマは「交通弱者」についてです。



さて、「弱者」とは一体何者なのでしょう。
思い浮かぶのはだいたい決まっていますが、正確には、これは、相対的な立ち位置で表されます。


食物連鎖でいうと、
肉食動物 > 草食動物 > 植物 となり、ある立ち位置から見て下位にいるものが弱者となります。



これを、交通社会で表すと、

大型車 > 乗用車 > 自動二輪車 > 原付 > 自転車 > 歩行者 となり、

ある立ち位置から見て下位にいるものが弱者となります。



たとえば、乗用車から見た自動二輪車は弱者になりますが、自転車から見た自動二輪車は強者になります。

「相対的」というのは、こういう意味合いです。



そして、弱者は強者には勝てないんです。




そりゃ、ニホン語には「下克上」「窮鼠猫を噛む」(きゅうそ ねこをかむ)と いった
一発大逆転の言葉もありますが、一般的には考えられない話。



それが、交通社会で起こったのです。









信じられないことに、最も交通弱者である歩行者がバイクに勝ってしまったんです。



これが対クルマやったら、強者である車が100%勝ちますし、赤信号で渡ってる中年男がどうなっても自業自得です。

が、走ってるときだけ安定する二輪車は相手が誰であろうが
当たった瞬間に不安定になり転倒してダメージを受けます。


亡くなられたライダーの方が気の毒でなりません。これで「前方の確認を怠っ」て書類送検って…歩行者が原因作ってんのに。
信号無視の中年男は身体的な罰を受けていますが、司法による罰も下るよう願っております。



車が来てないからと赤信号で渡ってる歩行者、少なくないですが、
子どもの前では止めておきよし。マネするで。




記事引用:京都新聞 2019年6月3日付夕刊