最強兵器はステッキ




【問】はじめ4本足、次は2本足、最後は3本足になるのはな〜んだ?



【答】人間ですね。



赤ちゃんは手足を使ってハイハイしますし、続いて立って歩行するようになり、
歳をとって足腰が弱ると杖のお世話になる…。



そんな歩行者について書いてみようと思います。
僕は道路を共有する全ての方を「交通社会人」と認識してます。歩いてる人だって例外ではありません。


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さて、ニホンでは、車両は左側通行が基本となっていますが、
歩行者に限って、歩道と車道との区別がない道路においては、道路の右側を歩かなくてはならない
定められています(道交法10条)。


これは1949(昭和24)年に交通安全上、合理的な対面通行を実施するようにという
GHQ(連国軍総司令部)の指導
によって道路交通取締法が改正されたのが始まりです。

年配の方なら当時できた「車は左、人は右」って標語が頭に浮かんだかもしれませんね。



とは言うものの、たいていの人は車と同じように道路の左側を歩いているような気がします。
僕もそうですし。
右側を歩くのってどうも違和感があって歩きづらいんですよね。対面通行したほうがお互いに安全なのはわかるんですけど…。



それまでは、1900(明治33)年に制定された道路取締規則により牛馬車(←時代を感じるなぁ)を左側通行とし、
翌年には歩行者も左側通行と定められ、
その後 半世紀近く歩行者の左側通行だった時代がありました。



では明治時代に左側通行が採用されたのはなぜか?


これについてはハッキリとしたことはわからないそうです。

左側通行のイギリスの影響を受けたという説や、
武士が左腰に刀を差していたので、刀の鞘(さや)が触れ合わないように
左側通行だったとの説
もあります。


心臓を守るために人間は基本的に左側通行で、
ナポレオンが常識を覆す右側からの攻撃で戦績を収め、
右側通行が生まれたという説
もあります。



と、いうわけで、歩くのもやっぱり左側通行の方が自然なようですね。


歩行者が交通社会において最も弱い立場、いわゆる「交通弱者」ってのは言うまでもないことだと思います。

ところが、いままで長年車やバイクを運転をしてきて最も怖い思いをしたのは
そんな弱々しい歩行者からの「一撃」でした。



仕事で片側1車線の幹線道路を2トン特種車で快調に走っていた僕。


次の瞬間、道端で喋っていたお年寄りのひとりが何かを指し示そうとしたのか、
手にしたステッキを道路のほうに、それも僕の行く手を遮るかのように突き出したのです。

突然の一手に、僕だけじゃなく同乗していた同僚も「わーーーッ!!!」と大声を上げましたよ(驚)。


僕は脊髄反射でハンドルを思い切り右に切り、間一髪でステッキとの接触は避けられましたが、
対向車がいたら正面衝突間違いなしでした。

ミラー越しに見たら、当の本人はヘーゼンとお喋りを続けてましたわ。
ほぼ殺人行為ですよ、コレ。


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なーんや、ステッキか。それなら若いおれには関係ないわ〜とお思いの皆さん。
将来お世話になるかもしれないでしょ。それに、他にも長い棒状の類似品があるやん。
とかバットとかゴルフクラブとかスキーストックとかナギナタとか物干し竿とか…。


これらは振り回していい場所(?)が定められています。
決して道端では振り回さないようにお願いします!!



参考資料:京都新聞2009年2月15日付朝刊