「T」だと思っていたのに
あらゆるところに延びる道が交わるところ、交差点には色々な形がありますね。
ありふれたものでは、十字路だったり、T字路だったり、ロータリーだったり…。
突然ですがここで問題です。上の1文には間違いがあります。どこでしょう。
…どっこも間違ってへんやん。「間違ってる」って言うことが間違いなんやろ?
いいえ、明らかに間違っているところがあります。
正解は「T字路」です。
実はこの表現、道交法上には存在しません。
正しくは「丁字路」と言います。
アルファベットではなく、漢字なんですね。あ、読み方は「ちょうじろ」ではなく「ていじろ」。
どうして漢字なのかと言うと、昔々のニホンには英語が存在しなかったからです。
だから、物の形などを例えるときはそれに近い簡単な漢字を当てたりするのが普通だったようです。
たとえば、「一文字(いちもんじ)」というのも真っ直ぐな様子のたとえでしょ。
もし江戸時代などに英語が普及していたら、
時代劇とかNHKの大河ドラマとかの台詞がメチャメチャになってしまうやないか(笑)。
ちょっと見てみたい気もするけど(・∀・)
明治以降、国内に英語が入ってきて
「丁字路」は音や形が似ている「T字路」に置き換わってきたと考えられています。
まぁ、今現在で日常会話で「丁字路」と発音してもほとんどの人に通じないでしょう。
ただ、既存の活字メディアなどはその辺が厳格なようで、難儀しているようです。
新聞のコラムを載せて締めくくっておきましょう。
英語表現の氾濫もどうかと思いますが、頑なにニホン語にこだわるのも考えものですね。
参考資料:毎日新聞 2013年4月3日付朝刊