トライク




前回の項目ではサイドカーを紹介しました。
今回も同じく3輪の乗り物をお目にかけたいと思います。

↑右から ↑後ろから


太いRタイヤを履いてます。車用でしょうか。ベースはハーレーですね。
中央道の恵那峡SA下り(岐阜県)に停まっていたのを無断で撮らせてもらいました(悪)。




二輪車の駐輪スペースに停めてた「2相棒」の横にあった、それの存在感は抜群でした。
周囲にいた人が集まってきてしきりに眺めていましたからね。
乗っておられたのは立派な白髪の男性でした。一躍人気者でしたよ。



すぐ隣の僕の「2相棒」など人々の眼中にまったく入っていません。ひどい(涙)。



激しく嫉妬した僕は、彼に話しかけたい衝動を抑えて、さっさとその場を後にしたのでした。
今から思えば、かなり後悔してます。
ヘンな意地を張るんじゃなかったなぁ。




これも車両法では「側車付オートバイ」に分類されますが、
道公法上は「普通自動車」扱いとなる特殊な乗り物です。
通称トライクと呼んでいます。(三輪車の英語読み「Tri-Cycle」の略と思われます)




サイドカーが2輪のバイクにオマケをつけたような形状を取ってるのに対し、
トライクは、バイクの後輪数を2つに増やした三輪型車両となっています。

法的な定義としては、


・またがり式の座席、
・バーハンドル方式のかじ取り装置
・3個の車輪
・運転者席の側方が開放された(車室なし)自動車。



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いまでこそバイク寄りの乗り物として扱われていますが、
1999年7月15日までに登録されたトライクは、
車両法で
「三輪幌型自動車」の扱いでした。



つまり、かつては「バイク」ではなく名実ともに「車」だったのです。
そのため、地域によっては車庫証明が必要にだったそうですし、税金も保険も「車」と同じでした。



ナンバープレートも「車」のものが付いてましたからね。当然バイクの免許では乗れず、普通免許が必要でした。
「京都77」(※小型乗用車の「5ナンバー」の後継ナンバー)で始まるナンバーをつけたトライクを見たときに
「何やあの乗り物は?」と不思議に思ったものです。


証拠写真を↓



画質が悪いですが、「○○77」が読み取れると思います。
7ナンバーは 現在では四輪の小型乗用車;「5ナンバー」の代替ですが、かつては三輪の乗用車のナンバーでした。



1999年7月16日以降に登録されたトライクは
車両法上
「側車付き二輪車」となっています。



結果、「バイク」の税金、保険が適用され、維持費が安くつくようになりました。
ナンバープレートも「バイク」のものがついています。




1500ccのトライクで、
以前の「車」扱いだと、自動車税は34500円、任意保険が20数万円(全年齢、新規契約)なのが、

「バイク」扱いになったとたん、
軽自動車税が6000円、任意保険が10万円あまり(条件は↑に同じ)になりますし。
強烈に安い!いいのかコレ??!




ですが、今まで普通免許で乗っていたものをバイクの免許で乗っていいはずが無く、
今でも免許は普通免許が必要です。



もともとは「車」だったのですから、サイドカーと違ってノーヘルでもOKですし、
定員乗車で高速もOK(車検証に定員4名と書いてあったら、4人乗って高速を走れるということ)。

ただ、ノーヘル4ケツのトライクで高速を疾走するのは、命知らずか、よっぽどの大バカと思いますが(笑)。




高速の法定速度は、
サイドカーが道交法上2輪車扱いのため100km/hなのに対して、トライクは道交法上3輪車のため、80km/hです。
あと、安全のためにバイク乗りに準じたスタイル(メットやグローブの着用)が無難と思います。



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またトライクは値段がすごく高い。手の込んだ物になると300万とか500万とかザラです。
最初からトライクとして生産してるのではなく、あくまでも二輪のバイクを改造して作ってるので当然ですけど。
ほとんど手作りですもんね。



ベース車の排気量も全体に大きいのが目立ちますし。
たま〜に250ccクラスのスクーターをトライクに改造したものを雑誌で見かけますけど、そんなのは稀。
サイドカー同様に、ゴールドウィングやハーレーが多いですね。


時間はあるけどカネの無い若者には手が出ない代物です。



いわば、車の免許だけで乗れるトライクは、
バイクの免許を持ってない車ユーザーにバイク気分を味わってもらえる乗り物
とも考えられます。
まぁ後ろの2輪のサスペンションが車と同様の固定式(?)ですので、車体をバンクさせてコーナリングは出来ません
バンクさせようとすると、確実に横転します。
曲がるときは、ハンドルを切って曲がります。
なので、バイクそっくりの走りとはいきませんが…。



それも、街中を走ってるトライクに乗られている方の年代を考えてると、
若い時代にバイクに乗ってた方が多いのではないかと思います。
二輪はバランス感覚が取りにくいけど、トライクなら3輪だから乗りやすい…。


やっぱり道楽の乗り物なのか??(笑)

2007年の夏に、中国道で見かけた物体→

車体の下を見ていただくと分かりますが、車輪は3つ。ナンバープレートはバイクのもの。
宇宙船のようなリアビューからは原型が何だったのか想像もつきません。


紛れもなくトライクですが、こんな改造はアリなんですか?





こんなトライク↓も見かけましたが、これもアリなんですか?





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3輪の原チャ(いわゆる「スリーター」。現在ではジャイロしかありませんが…)
3輪のミニカーの排気量を上げて50cc超にすると、
原付2種にはならず、いきなりトライクになります。




なぜかというと、3輪の乗り物を、名実ともバイクとして扱うのは原付1種のみという決まりがあるからです。
↑この辺については、次回で述べることにしますね。


※2009年9月に、3輪の乗り物の例外が出来ました。