ユーザー車検(の、さわりだけ)【検査ライン編】




2007(平成19)年3月1日9時。仕事の有給を合わせた僕と、先輩の「uno!」は、
それぞれ「2相棒」とゼファー1100という、共に前世紀仕様のボロバイクを携え、
国土交通省・京都運輸支局(以後「車検場」)にやって来ました。


車検は全国どこの運輸支局で受けてもOKですので、
ツーリングがてら滋賀県守山市の滋賀運輸支局で受けるのも面白かったかも。




いっつも思うことなんですけど、どーしてこの手の施設って人里離れた どヘンピな場所にあるんでしょう。


車検場へは、油小路通(新堀川通)やR24といった快適な道から外れ、
準工業地帯の狭い2車線道路を行った先にあり、
塀を挟んだ西隣には京都拘置所があります。

抜け道にも使われているらしく交通量は多く、道はがたがた
車検場に出入りする車のせいで渋滞が起こっています。


ロケーション最低。
国土交通省のヤツら、自分らの都合だけで場所決めて、ユーザーのことなんかまるで考えてないんやろう。



ユーザー車検を受ける方は、事前に書類セットを買いに来がてら施設全体の見学をしておくといいです。

なぜかというと、ここもお役所だからです。
そう、車検の手続きをどのようにやっていけばいいのか分かりにくいんですよ。



数年前に車検場の建物を全面的にリニューアルした際に「分かりにくさ」がそれなりに改められ、
いまは「ユーザー車検の受け方」なんて親切なDVDも設置してありますが、やっぱりお役所のニオイがしてますよ。

以前の古い建物のときは何の説明も無く何をどうしていいのか全く分からず、
軽いパニックを起こしそうでした(笑)。




インターネットのそういったHPなどで手順を調べるのもいいでしょうけど、自分の足で歩いて見慣れておくほうがより安心です。
誰がうろうろしていようが気にかける人なんていませんから、安心して見て回りましょう。
検査ラインも見学できますので流れも分かりますよ。



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車検場に到着したら、まず受付を済ませます。
「ユーザー車検窓口」で予約番号を告げ、書類7点セットを提出して不備がないか確認します。
予約の時間は、一番早い9時からにしたのですが、応対した係官は
「バイクの車検は10時半からになっています」
うううう、なんでそんなに遅くからのスタートやねん(涙)。せっかく早く来た意味がないではないか。


いまさらどこかで時間をつぶすのも中途半端なので、のんびり他の手続きを済ませておくことに。

売店で自賠責保険の継続手続きをし、
一緒に検査料の1400円(※当時。現在は1700円)と重量税の3800円(古いバイクは5000円)を支払います。


そこまで終われば、検査ラインで車検を受ける準備完了です。
開始時間の10時半にはまだ早いですが、
少しでも早く車検を受けるためにバイクを検査ラインに移動。バーゲン初日のスーパーのオープン前の気分(笑)。


ちなみに車検場内は道交法で言う「道路」ではないので、ノーヘルで乗っても法律上は全く問題ありません。
何年かぶりにノーヘルでバイクに乗り、素肌感覚を味わいましたよ。
この状態でコケて頭を打ちつけたらカチ割れるやろかと少々ビビりながら(笑)。


ん?どこやバイクのラインは…。


実は、一般車のラインと新規登録ラインの間に、ひっそりとあります。
写真右側に並んでいるトラックの左側とレーンの仕切りの間を進むと、
申し訳なさそうに二輪車のラインが見えてきます。



建物が完成してから「あ、バイクのレーンを造るのをわすれたわ。
ま、いいか。この辺に造ったら」って感じのレイアウトですよ。

初めて行ったら確実に迷います。こんな扱いあるかー!



事前に下見をしておいたほうがいいというのは、こういうフェイント回避の目的もあります。
お役所のやることは、僕たち一般人の常識では理解できませんから (^_^;)




(注)2013(平成25)年現在、二輪レーンは右側から左側に変わっていますのでご注意を。


拡大→ 




検査開始時間に並んでいたのは、僕たちの前に1台、後ろに1台の計4台
何度も来てますが、いつも空いています。バーゲン気分萎え萎え。バイクの車検って人気がないのやろか。


検査ラインには計測用の溝があり、ここに車輪を乗せて検査を受けます。

前方には電光掲示板
ここにさまざまな指示が表示され、それにしたがって検査が進みます。




電光掲示板の表示が「前輪をテスタに載せる」になると、最初に左側にある
バイクの速度検出が前輪か後輪か、ヘッドライトが一灯式か二灯式かのスイッチを押します。



HP用にと僕の前の人の車検の様子を写真を撮ろうとすると、検査官がフッ飛んできました。
「場内での写真撮影は許可を取っていただく事になっていまして」。
えー、つまらん。と、いうことで検査中の写真は一枚もありません(´・Д・lll)ゞ



バイクのエンジンをかけ前進。別にエンジンをかけず、押して移動してもOKです。
所定位置まで動かし、ギアをニュートラルに入れて、検査開始です。
エンジンを切ったまま受検してもOKですが、電気式メーターの方はイグニッションをONにしておかないとメーター検査で困りますよ(笑)。




前輪をテスターに乗せ、前輪ブレーキ検査
続いて後輪をテスターに乗せ、後輪ブレーキ検査


どちらの検査のときも、ギアをニュートラルのまま
「前後ブレーキ操作」と表示が出たら、テスターが大きなトルクでタイヤを回そうとするので、
それに打ち勝つ強さでブレーキをかけます。
力いっぱい(←重要)ブレーキをかければOKです。



次にスピードメーター検査
左足で足元の細長いスイッチを踏むとテスターのドラムが車輪を回し始め、スピードが徐々に上がっていくので、
40km/hになったら、スイッチから足を離します。

アナログ表示のメーターだと、タイヤが回り始めてからメータが動くまでのタイムラグがあります。
そのためメーター表示で40km/hになった瞬間にスイッチを離すと、
実際には40km/hに達してなくアウトになる可能性がありますので、一瞬遅らせる感じでスイッチを離すと安心です。




そのままヘッドライトの光軸検査です。

エンジンをかけずに検査を受けている方は、ここで必ずエンジンをかけましょう。
エンジンを始動しておかないと、電圧不足でヘッドライトの光量不足なるなどの恐れがあるからです。
バイクのライト検査ほど意味がなさそうなものはないですよ。バイクは車体を倒して(バンクさせて)曲がるので、
光軸がすぐ移動してしまいますし。



僕の前のバイク、CB1300はここで「×」が出てしまいました。
どうするのかなぁと思っていると、

検査官「もう少し下向けにしてもらえますか」
被験者、手で丸目のライトを下に押して角度調整
検査官「はい、それで結構です」
…いいのんか、そんなんで…(゚Д゚ )



テスターでの検査はこの4つ。
このあと検査官が地声で指示してきます。


・ウィンカー
・ブレーキランプ
・クラクション

それぞれ操作して正しく作動すればOK。




バイクを降りて、マフラーに細長い棒を突っ込み排気ガス検査(1998(平成10)年以降の規制車のみ)。
社外品のマフラーをつけてると、騒音検査も行われます。
最後に検査官が外観検査および同一性の確認をします。

小型のハンマーで車体のあちこちを叩いて、ねじが緩んでいないかを確認。メジャーでハンドル幅を確認。
同時に車体に大きな損傷はないかや、タイヤの溝の深さも確認。
フレームナンバーが車検証と同じか、それと走行距離もチェックされます。




全てOKだと自動車検査票にハンコをついてくれます。
検査ラインから出て、それをもって「継続検査」窓口へ。
そこで検査官に指示された書類を提出すると新しい車検証とナンバープレートに貼る車検シールを受け取り
全行程終了です。




スムーズに行けば最初の受付から新しい車検証を受け取るまで20分もかからないでしょう。
説明のためにいろいろ長い文章を書きましたが、実際にはかなり簡単です。



かかった費用は

自賠責保険 20240円 + 重量税 5000円 + 検査料 1400円 + 書類代 65円 (2007年現在)

しめて2万6705円
某バイクショップには車検が5万5000円と書いてありましたので、半額以下です。


(注:2008年1月より検査料が1700円に値上がりしています。
   2012年度より重量税の額が変わりました。また自賠責保険は年度により保険料が上下します。

   2009年3月に車検を受けたときは、13400円+5000円+1700円+60円の、計20160円
   2013年3月に車検を受けたときは、13640円+4400円+1700円+50円の、計19790円でした)



僕の新しい車検証によると、前回の車検から2年間で2万5000kmを走っていました。通勤で乗ると距離の伸び方が違いますね。
で、「uno!」に、キミは何キロ走ってたんやと車検証をのぞいてみると、

2年間でたったの2000kmしか走ってないではないか!
なんとヤル気のない。鬼嫁に頭を下げまくってフルローンを組んでまでして買った中古のゼファー君が泣いてるど(笑)。



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むはは、ユーザー車検なんて余裕余裕。
「uno!」と2人で無事の車検通過を喜び、久々のツーリングへ。

どこへ走りに行こう? すると、ヤツ曰く、
「子どもが学校から帰ってくる4時には家に帰りたい」
鬼嫁が外出中で子どもの帰宅時に留守という事態は避けたいという。

時間は11時。あと5時間でどこへ行けと言うのか…。
ま、一応走りに行きましたけど、時間を気にするばっかりで楽しさが激減したよな…。

僕は初めてユーザー車検を受ける際に買ったユーザー車検マニュアル、本を今でも大切に使っています。
車検の手順だけでなく、バイクのメンテナンスの方法も載っていて勉強になります。

自信がない方は持っておくと心強いですよ。持ってる僕自ら推薦します(笑)。