発電道路



思うんですけど、アスファルトの道路ってどうしようもないですよね。


真夏は太陽の熱を吸収して都会熱の原因になるし、大雨降ったら即席の川になるし、
新たに舗装された下にいるセミの幼虫は地上に出られないし、タンポポの綿毛が着地しても芽を出せないし、
けつまづいてコケたらとっても痛いし。



たまにカラフルな舗装もありますけど、多くは無機的なダークグレー景観を損なってますやん。

そんなどうしようもないものが、ニホンだけでも延長100万km以上もあるんですよ。



メリットは車両が走りやすい…それだけです。

それしかありません。




人や動物が歩くのは、硬い舗装よりも地道のほうがいいんですよね。
衝撃を吸収してくれて足にも優しいから。

ホラ、学校の運動場ってたいてい砂地か、リッチなところで芝生ですやん。
アスファルトの運動場なんて聞いたことないでしょ。

つまり そういうことなんです。




ならば、どうしようもない無駄スペースのアスファルト道路を有効活用しよう!

…と、いうわけで開発されたものが 今回のコラムの本題です。



ところで、無駄スペースといえば身近にもありまして、そのひとつに家の屋根があります。
雨風しのいでくれますが、存在が地味です。
が、そこに太陽電池パネルを敷いて発電しているご家庭がありますよね。


それを道路に応用したものがフランスのノルマンディーにあります。



長さ1kmに渡って太陽光パネルを敷き詰めた道路が開通しました。




(c)毎日新聞/ロイター



その名は、発電単位のW(ワット)と、道路を意味する言葉を組み合わせて「ワットウエー」と名づけられたもので、
街灯約5000本分をともせるそうです。

太陽光パネルの表面を何層もの樹脂で覆って、トラックの重量にも耐えられるとか。

フランス政府はワットウエーの総延長を1000kmに拡大して、最大500万人分が使う電力を賄えるようにしたいそうです。



面白い試みですよね。道路で再生可能エネルギーを取り出す。
電力供給に必要な地下資源をほぼ全部輸入に頼っているニホンも、こういうのを積極的に採用したらいいのにと思います。




いいことばかりのように見えますが、課題もあります。
頑丈にするために生産コストがかさみ、コストが通常の太陽光発電の13倍もかかってしまう点。
道路に据え置いたままなので、太陽の角度が浅いと発電効率が落ちてしまう点。

家庭用の太陽発電にしても、夏は売電できるほど発電できても、冬はあんまり発電できないと聞きます。それと同じです。


なので、ワットウエーは駐車場や歩道など限られた範囲での使用なら有用だろうとみられています。



…ここまでがニュースになっていた内容ですが、僕には大きな疑問があります。


太陽光パネルって表面がツルツルですよね。雨が降ったらスケートリンクに早代わり。
うっかり車が走ろうものならツルーンッと滑っていって あー停まらないーードッカーン!!


道路で発電するのは考え直したほうがいいかもしれませんぜ (´皿`)




参考資料:毎日新聞 2016年12月25日付朝刊