ツーリング2日目・2003年9月17日(水)晴れ<午後の部@>



島の真ん中には大きな山があり、
そのひとつ、妙見山(1042m)と、金北山(1172m)をまたぐ全長30kmの「大佐渡スカイライン」を制覇します。


そのふもとに佐渡金山があります。
1989(平成元)年に閉山した金山の坑道を一般に開放している観光名所になっています。


時計を見るともう14時前。前半を悠長に過ごしたせいでかなり時間が経ってしまっています。
時間節約のため、通過。
金鉱で採掘させてくれるなら別ですけど、そんな事ありえないし。


急坂、ヘアピンが続く山道をぐいぐい登り続けます。
狭い道ですが、平気でフルサイズの観光バスが走ってくるので注意が必要です。

それさえ除けば、カーブごとに佐渡の風景が眺められる、最高の道です。山頂より西側は。

途中には「道遊の割戸(どうゆうのわれど)」という

真っ二つに割れた山があります。

道沿いに親切に「ここから道遊の割戸が見えます」と、
標識が上がってますので、見逃しません。
道遊の割戸 道遊の割戸を見下ろす
 

↑それぞれ、写真のど真ん中が「道遊の割戸」




山頂付近には、「乙和池」という「浮島のある神秘的な池」があります。
高層湿原性浮島としては日本最大で、新潟県の天然記念物に指定されています。

「大佐渡スカイライン」から道を離れたところにあり、そこへの道のりは未舗装ですので、
「2相棒」を置いて歩いて向かいました。

400mの道のりは薄気味悪く、
ここで拉致されても誰にも助けてもらえないなと不安を覚え
ながら到着。


神秘的な池…が視界に入りましたが、


車が2台停まっていて、池の奥のほうから数人の若者らしきハシャギ声が。
神秘的な気分を壊されて、即退散。来て損した。
乙和池



峠を2回越えて、いよいよ下りへ。

山頂まで結局1時間もかかってしまった。
最高地点風景 両津市街を望む


2つある峠のうち、東側の峠より東(ややこしい)は、防衛庁の敷地らしく、道の様子が激変します。


こんなものが敷き詰められていて、そこを走る事に。 ずっとこれが… PHS端末と比較。


ロードマップには「路面に細かい溝が」と書かれていましたが、正確には「六角形のブロック」がビッシリです。


さらに、登りの時と同様に、急坂・ヘアピンカーブの連続。
車なら難なく走れるでしょうが、バイクだと溝にハンドルを取られてまっすぐ走れません。
いや、転倒しないようにするので精一杯。

ローギアでブレーキをかけっぱなしで、スタンディングの姿勢でバランスを取ります。
それでもハンドルを取られるので、20km/hくらいでしか走れないんです。
カーブを曲がるときなど、ブロックの並びに沿って走らないと、マジでハンドルを取られてコケます。


防衛庁が、一般車を走らせないように仕組んだ罠でしょうか?!嫌がらせの域を超えています。
走っても走ってもブロックの敷き詰められた道。

防衛庁の「私有地を走らせてやってるんだから、ありがたく思え」って声が聞こえてきそうです。

途中に、航空自衛隊・佐渡分屯基地があり
戦闘機の手入れをしている隊員や、
ブロックの道をランニングをしてる隊員などが多数見られました。

戦闘機が「カモフラ」色やから、
後ろの山と溶け込んで分かりにくいですね。

横の消防車のほうが目立ってるやん。
消防車が浮いてます


自称・某大国が日本を含めて「不平和の道」を突き進めようとしてる折り、ここは平和そうやん。山の中腹だけあって静かやし。


おれは、平坦な道でもお前らのボスの悪趣味のせいで、「まっすぐ走れない」生き地獄の最中やのに!!!(-_-xx)

道路管理者の「佐渡分屯(ぶんとん)基地司令」の陰険さをうらみます。

佐渡の田んぼのワラで、管理者の等身大ワラ人形を作って、ガソリンぶっ掛けて火ィ点けてやる!!(失言)
一切の責任を取れ!!


コケずにこの道を走り切り、アスファルトの道が見えたときの喜びようは言葉に出来ません。
そこでも、やたら気合を入れてランニングに精をいれてる自衛隊員らしき男たちが…。
おのれ、平日の午後を平和に過ごしやがって〜(-_-xx)

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両津市内の宿にまずチェックインし、荷物を部屋に置いてから、冒険の再開です。

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佐渡島の山越えルートの2つ目、「ドンデン山」を目指しました。
面白い名前ですよね。案内標識にもこう書いてあるのですから、それでいいのでしょう。


島の東側、両津港からすぐに山岳路に入ります。
山のふもとには、妙見山の時のように金山…は無く、採石場があり、狭い道を10トンダンプがビシバシ走ります。
埃っぽくてやってらんないね。

路面にはダンプが落として行っただろう泥が所狭しと落ちています。 道の真ん中に…
ここにもシミが… 狭い道で、幅が3mくらいしかありません。
こんな所までダンプが走ってるのか…
出遭ったら離合ができないなぁ、

などと思いながら走っていました。


→こんな標識もあるし。
こんなにデカい泥の塊が落ちています。乗り上げないようにしないとなぁ。
落とした泥を片付けた跡がありますが、さらに新しい泥が落ちていて、掃除が追いついていません。
でかい泥やなぁ

泥を落とさないように走れないのか、ヘタクソな運転手め!
そして、頭に血が上りそうになりながらブラインドカーブを曲がると、そこには、

 

 

 

 

黒牛の親子連れらしき6頭が、道端で草を食んでいたのです。



んなアホな、なんでこんな所に牛が歩いているんや???!!!

同時に、路面に落ちていたのは、泥ではなく、牛の「ブツ」ということを悟ります。


おれ、泥と思って何度も踏んづけて行ったぞ!どないしてくれるんや〜!(ToT)


急坂の狭路では引き返すことも出来ません。
牛さんの群れ(号泣)


でも、ラッキーな事に牛は道端の草を食むのに夢中で、僕の姿が目に入っていません。
一気に牛の群れの横を走り抜けました。

何なんや、この山は!!
ロードマップを見直しました。
そこには「山頂付近は草原で、牛が放牧されている」とありました。



これのどこが放牧やねん!こういうのはフツー、「脱走」やろ!!!



道の「ブツ」のシミは、その後もえんえん続きます。

どこで黒牛と遭遇するか分かりません。恐怖は更に募ります。


山頂付近まで来ると、佐渡島が見渡せるビューポイントがあるのですが、急坂急カーブ、そして、例のシミが…。
怖くて停まっていられません。ほとんど風景を見ないまま峠を越え、島の西側の下りに差し掛かりました。



幸運の神様は、僕を見放したのです。



またしても黒牛6頭と遭遇(号泣)。


今度は状況が悪く、子牛が道に寝転び、その向こうには、子牛のせいで動くことが出来ない乗用車が。

牛を興奮させるといけないので、クラクションも鳴らせません。
そのまま長い時間が経ったように思いました。
子牛が車に気付き、道の端っこに移動したのです。
その隙を突いて、乗用車が僕の横を逃げるように通り抜けていきました。

次に僕が逃げの体制を取ろうとした瞬間、さっきの時とは違う事態が発生しました。


牛と目が合ってしまった……。


牛の目に映ったのは、
のバイク、のジャケット、のメット、のタンクバッグ、のウェストバッグ…と
全面的に「赤い物体」。

よく言いますよね、牛は赤い物体に興奮する、と。闘牛士が牛を興奮させるのも、赤い布でしょう。

そのうちの一頭が、興味深そうに僕のほうに近づいて来るではないですか!
そのアタマには立派な角が2本生えています。


ああ、おれ、あの角で突かれて、誰にも見取られず死んでしまうんや…。

そんなのイヤだイヤだイヤだーーーーーーーー!!!!!!


エンジンを唸らせ、牛をスラロームでかわし、強行突破。

すぐ先のカーブを曲がり、牛の視界から身を隠せたことを確認してから「2相棒」を降り、牛の背後にこっそり近づき、写真撮影。
シャッターが切れたことを確認した瞬間、逃走。

さっきの写真は、その時の決死の1枚や、もう一度見ろ!(笑) 牛さんの群れ(号泣)

怖がってるくせに、こういうことは怠らない僕って一体…(笑)。

シミだらけの下り坂をおびえながら、牛が出てこないことを願い、走りました。

途中でシミの無い普通の道になったときの喜びようは言葉に出来ません。

山を下りきり、島の西側の海沿いの県道に出たとき、はじめてドンデン山に目を向けました。

安堵のため息とともに「こんな山、二度と登るもんかい!」と、にらみながら。
中央の山が「ドンデン山」

 

 

実は、牛は「赤い物体」に興奮するのではなく、ヒラヒラと動くものに興奮するんです。
前から知ってましたけど、あの状況でそれを考える余裕などあるわけ無いじゃない!