真夏の災典


8耐
鈴鹿8時間耐久ロードレースが今年もやってきて、通り過ぎていきました(笑)。


国内のバイクレースの最高峰に位置するこの大会。
今年は8月1日〜4日に行われ、決勝(つまり「8耐」本番)は、最終日の4日です。


ごく簡単に8耐の説明をしておくと、
8時間で鈴鹿サーキットのフルコース(1周 約5.8km)を
何周出来るかで競う
もので、
1台のバイクで、2人または3人のライダーが適宜交代して走りつづけます。


今年、25回目を迎えました。
「真夏の祭典」と言うだけあって、イベントなども同時進行で行われ、
メーカーなどのブースやショップも沢山あり、温泉やプール、遊園地も回れるので、
8時間べったしレースを見ていなくても楽しめます。


何が嬉しくて、8時間も炎天下で走りつづけるのか。正気の沙汰とは思えません
僕は、この時期はバイクはシーズンオフですからね。暑いから。
でもヤツらは走る。


僕もバイク乗りの端くれ。
バイク乗りの血が騒ぎ、観戦に行ってきました。シーズンオフの「相棒」と共に。


京都市の自宅から、鈴鹿まで90km。「相棒」で2時間の距離です。


そもそも、8耐を見に行こうと決断したのが前日の夜。
この時間では前売り券の販売が終わっているので、当日に窓口で入場券を買うことになるのですが、
9000円もしました。入場するだけで。ひええ。
その代わり、企業やスポンサーのブースの数は普段よりはずっと多いですけどね。

駐車場代が、バイクで1000円、クルマで2000円。
周辺は治外法権なので、バイクだと、路駐したって大丈夫の模様。
でも、念には念を。専用駐車場に入れました。
が、バイクスペースが満車で、歩行者がゾロゾロ通る通路に停めさせられて。
金払ってこんな所に停めさせるんかい!(-_-#)

…鈴鹿サーキットに入場する数分間で、福沢諭吉が1人消えました(涙)。
しかも、入場したときにちょうどレースが始まって、肝心のスタートシーンも見られなかった…。
うううう(号泣)


ちなみに、前売り券だと、7000円、2人入場できる「ペア券」は12000円。
前夜祭と決勝の入場・キャンプ・駐車場のセット券が10000円。
高校生以下だと1000円台と脅威の値段。何でそんなに差別待遇をする!!!


大損コース バク進の僕。
大金を払って中に入っても、観戦に最適な「指定席」は別料金で、さらに5000円〜8000円も追い金させられます。
アホらしくて金を払う気にもなりません。
「指定席」の後ろの柵の向こうから、恨めしそうに観戦しました。

場内では、ここぞとばかりにインフレが起こっているので、食べ物飲み物が軒並み高いです。
ペットボトルのジュースが200円で、輪ゴムを食ってるような食感の焼きそばに450円も払わされるのは、
納得が いかへん!
ドサクサにまぎれて、伊勢名物の「赤福氷」(400円)まで売っている!
喉が渇いていたので、思わず食べてしまった!うまかった!
食料は、事前にコンビニなどで調達しておくのがいいです。


とにかく暑い。徹夜組みがいい場所を占領しているので、僕をも含めた遅刻組は日なたでばっかり観戦させられます。
日焼けして顔が痛いです。

そんな状況なので、上半身裸の人や、汗でシャツをボトボトにして小汚くなった「にわかルンペン」もフツーの光景。
誰しもが配布されたうちわでパタパタ扇いでますし、
木陰で死んでる人は数知らず、
数少ない「水場」であるトイレの洗面台で水浴びをするのも、ここでは許されます(笑)。
容姿云々…は言ってられません。

カッコつけてオシャレしてる連中が、かえって浮いてますね。
僕はサンダルだけしか持っていきませんでしたけど、今度は水パンを履こうかと思いました


そんな8耐ですが、出場の条件は厳しく、
特定の国内レースで優勝をして「ライセンス」を取得していないと、予選にすら出られません
なのに、僕の高校時代の同級生がエントリーしているのを知って、驚きました。
ほとんどのチームが、メーカーやスポンサーの看板を背負い、豊富な資金力をモノに言わせてるのに対して、
彼は「プライベーター」(要するに、個人参加)として出ていたんです。


同い年やのに、おれは、しがないヤローで、ヤツは世界と戦う。この差はなんなんや……。


去年は、あの「ガチンコ!レーシングチーム」を上回る、総合15位でしたが、
今年は、いつの間にか姿が消えていました

メジャーなチームの情報はラジオや電光掲示で分かるのですが、それ以外だと、まるで分からないのが実情です。
詳細は、家に帰ってインターネットで調べた結果、彼らの「8耐」は、72周、3時間4分28秒497で終わっていたことを知りました。
なぜリタイヤしたのかも不明のまま。しこりが残ります。

太陽がギラギラと照り付けるサーキット内の移動の手段は、唯一、自分の脚力のみ。
いろんな場所で見たいから、ウロウロするわけです。
コースは1周5.8km、勾配もあるので、移動といっても骨が折れます
膝の悪い僕にはたまりません。

歩くのも、だんだん ひょこひょこと頼りなくなり、
それを繰り返して、暑さも加わって体力も消耗し、一番おいしい最後の2時間半を耐えられず、
僕の「8耐」は夕暮れが近づいた17時に幕を引きました。


観客の僕でこの状態なんですから、8時間走りつづけるライダーやスタッフの体力は計り知れませんね。
ちなみに優勝した「キャビン・ホンダ」は過去最高の219周もしていました。


昔はもっと観客が多かったそうです。徐々に観客数が減ってきているそうです。バイクの人気が落ちているせいもあるんでしょう。
なのに、時代錯誤のボッタクリ料金では、ますます観客動員数が減ってしまうぞ〜!
おれの貴重な福沢さんをかえせ〜!!!

2002.8.6