悪魔のゲート




おことわり:
このコラムはかつて存在した「酷道」と呼ばれた国道の峠道を取材したものです。
この道は災害により通行止めとなり、後に2011(平成23)年3月26日にバイパスが開通したため旧道に降格。滋賀県側からのみ峠まで行けます。



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GWが仕事三昧で遊べなかった僕は、連休明けの5月13日に、「相棒」
滋賀県と三重県にまたがるR421「石榑(いしぐれ)峠」へ行きました。






僕の愛用「ツーリングマップル」(昭文社・刊)には、その峠の様子をこう記しています。



「大型車両を止めるコンクリートゲートあり 三重県側は急坂」



実際にどんなゲートがあるのか、どんな急坂なのか、知りたくなって、居ても立ってもいられなくなったんです。
相変わらず動機は単純(笑)。


滋賀県八日市市から東へ20km余り走って、ようやくその峠にたどり着いた僕の目の前に立ちはだかったのがコレでした。





↑石榑峠、滋賀県側ゲート


2mの間隔で置かれたコンクリート製の巨大ブロック


道理でずいぶん手前から「2トン車以上は通行できません」と書かれていたわけです。
別に「大型車通行禁止の標識」があるわけではありません。










逆にいうと、この幅以下の車は通っても問題ないので、皆さん果敢にアタックしていました(笑)。
「車の幅」には出っ張っているミラーを含めないので、5ナンバー車でもミラーを畳まないと困難な程。





↑日産のRV、テラノの走行シーン



ミラーを畳んでしまうと、幅の感覚を取るものが無くなってしまうので、通るのは怖いと思いますよ。
自分の真横にまでコンクリートの壁が迫ってるし、圧迫されますよね。


そこを僕は「相棒」と楽々と通っていきました。かなりイヤミなヤツです(笑)。


笑ってられたのはここまででした。



ゲートを越えて三重県側に入った瞬間、道の様子が一変します。



ボロボロのコンクリート舗装(所々めくれていてボコボコで、落石もあり)になり、
完全1車線、写真では分かりにくいですが、傾斜も何度あんねん!な急坂。対向車が来たらどうしようもない状況に陥ります。










切り通しの道そのもの。



下り坂はハンドルを取られないように落石をよけながら、
1速でエンジンブレーキを利かしながらでもスピードが上がる状況。



そして悪路が終わると、また同じゲートが。




↑三重県側ゲート



通り抜けるのが怖くて、引き返す車もありました。
でも ここを通らないで向こう側に行こうとするなら、数十キロも遠回りをしなくてはいけません。



ま、そんなところでした。



三重県側の風景が所々から見られます。峠の標高も690mあるので、見晴らしもなかなかです。

ここを原チャで行く…三重県側の坂で果ててしまいそうです。三重県側からは上れないんと違うかなぁ。



僕も数ある国道(酷道)を見てきましたけど、目下、このR421がワーストワンの地位を譲ることは無いと思います。



それから、手前にある警告も「2トン車以上は通行できません」ではなくて、
「2トン車以上は物理的に通行不可能」と書いてあげるのが親切だと思いました(笑)。




新聞にもコラムが載っていましたよ↓





↑毎日新聞 2011年10月4日付夕刊より



そこへLEADで行ってみました。ツーレポはこちら


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現在の石榑峠の道は以下のようになっていますよ。


↓滋賀県側は県境の峠まで行けますが、例の巨大ブロックにはチェーンが渡してあり、車両は通行できなくしてあります。





↓そして、三重県側は、石榑トンネル入口から分岐した道をたどっていくと、数百メートル先でゲートがされています。




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