沖縄のクルマ事情(1) 2005.3.8 晴れ
旅行2日目(2005年3月8日)は、幼なじみの「高」が仕事の休みを取ってくれたので、一緒にドライブに出かけることにしました。
「高」は車を持っていませんので、レンタカーを借りることになります。
その前に沖縄の交通事情を簡単に説明しなければなりません。
沖縄本島は公共交通機関に乏しい一面を持っています。
那覇や空港のある本島南部は路線バスや、最近開通したモノレールがあります。
が、それ以外の地域への路線バスなどは本数が限られています。
それで移動するなど、よっぽど時間がないと出来たものではありませんし、行ける場所も限られてしまいます。
そのため、この地は全国まれに見る ほぼ完全車社会となっています。
車がないと生活が出来ないと言っても、過言ではありません。
当然この理屈は僕のような旅行者にも当てはまります。
行きたい場所に行くための手段として、レンタカーを使うのです。
日本全国レンタカー屋はありますが、ここ沖縄はその数が多いです。那覇だけでも10社以上あります。本土ではありえない数ですよ。
旅行会社の沖縄旅行・現地フリーツアーだと、レンタカーが勝手に付いてくる位、
車での移動が原則ということ。
そのため、沖縄旅行に車の免許は必須なのです。免許の無い人は、ぜひ免許を取ってから沖縄に行くことをお勧めします(笑)。
さ、くどいくらい車の必要性を書いたところで、2日目、3月8日のドライブについて書いていきましょう。
レンタカーの車種は結構豊富にそろっていますが、
一番人気は1000cc〜1300ccクラスのコンパクトカーで、台数も多いです。
軽四のレンタカーがあるのも沖縄ならではです。
具体的に見かけた車種でいうと、
パッソ、イスト、ヴィッツ、カローラ、キューブ、マーチ、フィット、デミオ、スイフト、ワゴンR…
使い勝手のいいラインナップですね。
もちろんステップワゴンのようなミニバンや、ロードスターのようなスポーツカーのレンタカーも走っていましたが、少数派でした。
ほかにもレンタカーでは珍しい韓国の「現代(ヒュンダイ)自動車」の先代モデルのスイフトみたいな形の車もありました。
どういうわけか、リコール隠しで有名になったM菱のレンタカーはまるで見ませんでした。借り手がいないのでしょうか?(笑)。
それに、旅行者に配慮してるのか、カーナビが標準装備です。
僕はロードマップ派で、カーナビは好きになれないのですが、今回はかなり助けられました。
これらコンパクトカーは大人気ですので旅行前から予約しておかないと、取れないこともあるかと思います。
実際僕がそうでしたから(笑)。沖縄に着いてから無難なところで、ニッポンレンタカーに電話してみると、
すでにコンパクトカーはすべて予約で埋まっていて、1ランク上の1500ccからしかないと言うのです。
仕方なく、それに決めました。前もって予約しておかなかった僕が悪い(涙)。
そして、本日のお相手を務めてくれる車とご対面。
インプレッサが停まっていました。
普段ボンネットの短い車に乗っている僕には、大きなボンネットがあるのには不安を覚えました。
着座位置も低いし、視界が狭いです。
ハンドルを切るタイミングがなかなかつかめず、あっちこっちぶつけそうになりながら出発。
最終目的地は、本島最北端の辺戸(へど)岬です。まずはR58をひたすら北上することにしました。
この道も例外ではなく、曲者と化していました。ここでも年度末恒例・道路掘り返しまくりで、
車線規制をおこなっていて何度も渋滞にはまります。時間ばかりがいたずらに過ぎていきます。
カーナビのVICS(FM多重放送)で渋滞情報を調べても、どこにも「渋滞」の表示がありません。
どこがやねん!思いっきり混雑してるやないかい!
街路樹は、よく見かけるプラタナスではなく、ヤシの木です。
工事さえしてなければ道も3車線と広く、なだらかな道。いかにも南国ムードです。
ヤシの木だけでなく、なにしろ暑いのです。
この時期の京都なら、厚手のジャケットを着て車もエアコンをガンガン利かすのに、
ここでは窓を開けて南国の暖かい風を受けながら走ってます。余りに暑いので、僕も「高」も服を1枚脱いで身軽になります。
ところで、周囲を走っている車が妙なことに感じていました。 ナンバーです。 普通ひらがなになっているところが、「Y」になっています。 何やこれは? 回り込んで運転席を覗くと、明らかにニポン人…いや、 明らかにアジア系でない人種が運転していました。 そうです。沖縄在住の米軍関係者の自家用車だったのです。 注意深くほかの車も見てみると、「Y」ナンバーの車がたくさん走っています。 それだけ沖縄が今も米軍の植民地と化しているということか。 |
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さらに、国道沿いにフェンスに囲まれた広大な敷地が嫌でも目に入ります。 これが米軍基地です。地図上で見ても非常に広い。戦闘機なども見えます。 フェンスの向こう側に並ぶ家は大きくてキレイでゆったり しています。 こっち側の建物は昭和30年代クラスなのに(失礼)。 |
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こんなにたくさんの土地を米軍に取られたままにされて、沖縄県民は悔しくないのか? とつい文句が口をついて出てきました。 すぐに「高」が反応。 「米軍基地で働いている人(沖縄人)もたくさんいるからな」と。 そりゃそうやな。基地内にいるアメリカ人は好きで沖縄にいるわけではないの だから、彼らに罪はない。 ある意味運命共同体なのかも。 米軍のために「思いやり予算」として、年間2441億円(2004年度)も支払ってるのは、 何でなんや? それを状態を放置しているニポンのエライサンのほうが問題やで。 こういうときによく聞く 日米同盟ってものは、スネ夫とジャイアンの間柄と同じ なんやろうね。 |
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米軍基地周辺のR58は、アメリカ製のデカいボンネットトラックが行きかいます。 にわかに外国に来ている感じになります。 こんなものもありました。 立ち寄ればよかった。迷彩柄のウェアがほしかったもので。 ってか、芝刈り機を買う人がいるのか?それが使えるほどの広い家がほしいね(笑)。 そんなものが役に立つ場所が、フェンスの向こう側にある…。 |
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世界遺産に登録されている、座喜味(ざきみ)城跡へ。 沖縄の史跡を見たいという「高」のリクエストでここに来たのでした。 詳しくは読谷村の案内を読んでもらう事にしましょう。 たとえ復元とはいえ、かつて15世紀に築城されたときは、建設機械も測量機器も無かった だろうに、これだけきれいに石を積める技術ってのは、どうやって培われたのだろうと、 不思議に思います。 ここは海沿いの高台の上にあるので、 読谷村の町並みや、東シナ海が一望できます。 |
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写真でしか見たことが無かった、あのエメラルドグリーンの海が、 僕の網膜に焼き付けられます。美しい……。 南西方向には、「ゾウの檻」といわれる、極東最大の米軍の電波受信施設、 楚部通信所が。 「ゾウの檻」は元々地元の方の私有地を、ニポン政府が米軍のために強制レンタルし、 そのレンタル期限が切れてたのに、所有者に返還されずに大問題となった、アレです。 檻を遠めに見ていると、さっきとは違い、米軍に対してだんだん腹が立ってきました。 決して日本を守るためではなく、自国の防衛線として沖縄を利用してる だけだ、と。 ナマで見て、疑問はようやく確信に変わりました。 |
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そこへ観光バスが到着し、観光客がぞろぞろとこっちへやって来ました。 平日の昼間に来られる人など、限られています。やっぱり格安ツアーの人々でした。 ぶっちゃけた話、僕としては城の跡など見ても大して面白くも無いのですが、 さすが世界遺産、しっかり観光ルートに入ってるんですね。 「高」と2人、記念写真を撮ったりして城壁の上をウロウロ歩いて、 それなりに歴史を感じていましたが、 彼らが来たことですっかり場末の観光地に成り下がってしまいました。 さっきまで僕たちがいた城壁の上は、彼らに占拠されてしまいました。 そこでガイドさんの説明を受けている彼らを写真に収めてみました。 遠くに見える「ゾウの檻」の説明を受けてる模様。 縮小したのでわかりにくいですが、全員あらぬ方向を向いてるように見えます。 下から見るとかなり笑えます。 よもや下から撮られてるとも知らずに(笑)。 |
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その近所の、残波岬(ざんぱみさき)も行ってみました。 青い空に濃いブルーのコントラストが、非常によろしい。 ここに灯台があって遠くまで見渡せそうなのですが、 入場料を取るので却下(笑)。 そばにバスを改造したアイス屋さんがあったので、 沖縄特産、紅芋(べにいも)のアイスを頼もうと店の中に声をかけても 返事がない。 こら〜店員どこに行った〜〜!!お客様のご登場やでーー!! ……やっぱり返事がない(-_-x)。 あきらめて、近くにあったベンチに座ると、横にいた、いかにも沖縄人の老夫婦が会話してます。 何をしゃべっているのか、全くわかりません。 これが世に言う琉球語かと感心。ってか通訳お願いします(笑)。 |
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高速道路は、那覇〜名護まで。これは名護側の終点、許田(きょだ)IC。 高速は本島の中部より北にはありません。 ここから先に行くには下道を走ることになります。空いているので下道でも快適です。 |
昼飯は道の駅・許田の食堂で。
昨日に引き続いてゴーヤチャンプル定食を食べました。ゴーヤ大好き。(写真を撮り忘れました。ごめん)
値段も安いですし、量も少ないだろう…との予測を、またもや裏切ってくれました。
ばか多いですがな(笑)。ヘンに追加注文しなくて良かったですよ。腹いっぱい。
その横で、サーターアンダギーという、握りこぶし大の揚げパンを売ってましたので購入。
揚げたては最高においしいです。1つでも十分腹が満たされます。朝ごはんにいいかも。
沖縄限定の食料品も多々見かけます。
自販機に入っているジュースも、ちょっと違います。
たとえば↓
ぐいっと飲む人、本当にいるんでしょうか?僕には買う勇気すらありませんでした。
続く。