デカスク乗り誕生 2005.3.9 晴れ
毎日「高」の家で寝袋に包まって寝てる僕ですが、この日の朝は暑くて目が覚めました。
外を見るといい天気!! ちょっと蒸し暑そうな風がなびいています。
本日は「高」は仕事へ、僕は1日バイクをレンタルして本島を走る予定になっています。
近所のマクドで朝マックをした後、「高」と別れて、2日前にCB400SFのレンタルでお世話になったレンタルバイク屋へ。
店のオープン時間に合わせていくと、店の前に本日のお供のバイクがちょこんと置かれていました。
それがスカイウェイブ250タイプSE(以後「スカイウェイブ」)でした。
CB400SFと比べても、うんときれいな車体。パッと見はレンタルバイクに見えません。
ナンバーの下に貼られた「レンタルバイク」のステッカーさえ見なければ(笑)。
京都から持ってきたメットとジャケットに身を包めば、どこから見ても沖縄ライダーの出来上がりです(笑)。
僕、デカスクはどうも好きではなかったんですよ。
96年にマジェスティが出たときはカッコイイと思ったのですが、いまや軟派なバイクってイメージが…。
パンツが半分見えたルーズはき方をしたブカブカのジーンズに、ダボダボのシャツ、コケたら確実に頭がイッてしまうな被り方のメット。
出力の小さいスピーカーからガンガン鳴るヒップホップと、爆音マフラーの二重奏。
僕にはとても似合わない気がしたんですよね。
でも、これにしたのは、他に空いているバイクが、デカスクとオフロードバイクとアメリカンしか無かったので、
一番乗りやすそうな物を選んだに過ぎないのです。
ま、そんなことはどーでもいいや。再び旅先でバイクが乗れるありがたさを噛みしめながら、おそるおそる出発。
車体もホイールベースも長いので、すり抜けはしにくそうです。
無理にすり抜けして他の車に当てたらバカくさいですので、最初のうちは渋滞する車の後ろに大人しくついていました。
最初のうちは。
デカスクは未知の領域。どんな走りをするのか皆目見当がつきません。
信号が青になるのと同時にアクセルを軽くアオると、タコメーターの針がいきなり4000rpmを指し、
その回転数を保ったままスーッと走り出します。
リニアモーターカーのような滑らかな出足(乗ったことは無いけど)と、
力強さはまるで感じないのに一気に伸びる加速と、エンジンの静粛さ、
社長イスに座っているようなシートがあいまって、高級車か、はたまた未来の乗り物に乗ってる感じです。
いつもの「2相棒」のように、半クラで発進して、1速→2速→3速…と忙しくギアチェンジする必要も無く、悠々と走れます。
これエエやん!!
走り始めて数kmも走らないうちにデカスクの虜になっている僕がいました。
那覇市内の渋滞を抜け、R330の喧騒を通過し、嘉手納を経由して片側3車線のR58を快走。
最初の頃はシビアに見ていたメーターもまるで見なくなります。
だって沖縄県警がいつまで経っても登場しないんだもん(笑)。
前日に「高」とインプレッサで同じ道を走っているのですが、目に入る風景がぜんぜん違います。
受ける風のさわやかさがぜんぜん違います。
コーナリングを走り抜ける快感さがぜんぜん違います。
思いっきり走るどー!
沖縄市のR330コザ交差点から 県道74号を西へ、 R58嘉手納ロータリーへ向かいます。 今日も米軍基地を眺める時間が やってきました(笑)。 そう、嘉手納飛行場です。 県道74号は嘉手納飛行場を 二分するように走っている道です。 つまり、県道の両側とも米国領。恐ろしい。 |
フェンスの向こう側には、やっぱり広大すぎる芝生が広がっています。 肝心の飛行場は、地平線のかなたにあるように見えます。 って、決して広くない島で地平線が見えるのって おかしくないですか? こんなに土地を無駄遣いしやがって〜(-_-x)が僕の素直な感想なんですが(笑)。 戦闘機の離着陸訓練をしないかなぁと、フェンスにしがみついてしばらく待っていたのですが、 一向に飛ぶ気配がありませんので、あきらめて先を急ぐことにしました。 きっと夜になったらバシバシ飛ぶのでしょうね。ホンマ迷惑な集団や。 なんでこんなヤツらに「思いやり予(以下略) |
フェンスに掲げられた「合衆国空軍施設」の日本語訳が直訳過ぎやろ。 警告 合衆国空軍施設 施設司令官の許可無くしてこの地域に入るものは違法となる (刑事特別法事項2(法律番号138、1952年5月7日)彼らの管理の下、 この施設の中の全ての者、及財産権は捜索を受けるものとする 軍用犬により巡視される 誰や文法丸出しの訳をしたヤツは?! ニポンの英語の授業を受けた生徒が訳したみたいやないか。勉強やり直せ。 |
フェンスにはさまれた県道を西へさらに進むと、「道の駅 かでな」に到着です。 ここだけは日本の領土が県道以外にも広がっています。 そうそう、本島では、本土などでは見られない光景が多々見られます。 そのひとつにこの10tダンプがあります。 ひっきりなしに走っているダンプ。しかし、どれも積荷は土砂ではありません。 何と思います? じつは、サトウキビなんです。 本島の北部で栽培、収穫したサトウキビ南部に運んでいるみたいなのです。 道路のあちこちにダンプが落としただろうサトウキビが。 行き交うダンプのフロントガラスの隅っこに「きび運搬車」の文字。 って、文字を略しすぎじゃございません?(笑) 沖縄の数少ない産業を支えてるんですね…サトウキビ。 …のダンプが1台、「道の駅かでな」に入ってきて停まり、 運転手が建物の中に入って行きました。 うん、荷台に溢れんばかりに積まれてますね。 けど、このダンプの停め方はないやろう。 これでは横に停まってるトッポBJは動かすことができひんやん、 前は縁石があって進めないし(笑)。 嘉手納飛行場に挟まれた県道74号を再び西へ。それを抜けると、R58と合流地点。 大きな「嘉手納ロータリー」をぐるっと4分の3周して、R58に入ります。 |
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海岸線に出ると、真っ青な空と、鮮やかなエメラルドグリーンの海が僕とスカイウェイブを出迎えてくれます。
前日のドライブでも全く同じ光景を見ているはずなのに、もっともっと美しく見えます。
今日は一人やし、と風景のいい場所で気兼ねなく休憩できます。
走っていても、海岸線のほうしか見てません。見事なよそ見っぷり。
どーせ車もあんまり走ってないので、前なんかどうだっていいのです(あぶないなー)。
前日同様、道の駅許田へ。
2件あった食堂のうち、前日に行ったほうと違うほうの店へ。
いかにも観光客向けの小洒落た食堂だった前日の店に比べて、こっちは労働者風の安っぽい食堂。
沖縄そばセット(600円)を頼むと、出てきたのがこれ。
ソーキ(スペアリブみたいなもの)が乗っかっている沖縄そば登場。
豚のほどよい脂こさと、うどんと中華そばを足して2で割った感じを思わせる沖縄そばとマッチして、僕好みの味でした。
それから、おひたしと、何故か揚げギョーザ2切れ。
トドメは山盛りのご飯。…2膳分くらい入ってません?
大食漢の僕でも、もうこれ以上食べたくないと言わしめるボリュームに満足して店を出ると、
沖縄名物、サーターアンダギーの揚げたてが売ってたので、迷わず購入。
揚げたてはやっぱりおいしい!
ううう、食べすぎで苦しい〜。
R58から県道84号に入り、本島で2番目くらいに高い山、八重岳へ向かいます。 山頂への沿道には桜がたくさん植えられていますが、 3月上旬なのに葉桜でしたorz 京都なんか、まだつぼみも膨らんでなかったのに。 山頂に着き、西を見やると、いい色の海の向こうに伊江島が見えます。 |
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あ、あっちのほうにも道があるやんと行ってみたら、 ここにも「在日米軍基地 立入禁止」と 先ほどと同様怪しい日本語訳の看板が。 ツーリングマップルにはそんなこと一言も書いてないど!! 誰も見てなさそうだったから、勝手に入っていけばよかったと今になって後悔。 そっちのほうが見晴らしがよさそうやし。 |
山を下り、県道84号→R449を走ると、本日の最大の目的地、海洋博公園に到着です。 かつて、この地で海洋博が行われたときの施設で、本島有数の観光地でもあります。 メインは大阪港の海遊館と張り合える巨大水族館 「沖縄美ら海水族館(おきなわちゅらうみすいぞくかん)」。 アプローチからしても南国ムードたっぷりで、期待させてくれます。 たしかにすごい水族館でした。久しぶりに興奮する素晴らしさで、 圧巻は最下層に位置する巨大水槽。 水槽の前に階段状に座席が設えてあり、 さも映画館で映画を見ているような雰囲気で 魚たちを眺められるのです。 しかしまぁ、平日の昼間なのに入場者数の多いこと。 修学旅行生らしい中学生くらいの集団も多数。 外せないスポットの一つだというのがよくわかります。 |
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しっかり水族館を楽しんで駐車場にもどって、改めて停められている大量の車を見てみると、
どの車も「わ」ナンバー。右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても「わ」ナンバーの車ばかり。
なんじゃここはー!!!観光客しか来てへんやんかー!!!!
「わ」ナンバー症候群になってしまいそうですわ(笑)。
バイクで走っているときはあまり感じなかったのですが、ひとたびバイクを降りて歩くと、 暑いの何の。 射す太陽の光も体を焦がし、 半そでTシャツ1枚で十分でした。 R58に戻ると、再び海岸線を眺めながら潮風を浴びながら走ります。 今まで味わったことのない快感を覚えます。 どこぞかの街道のようにK察にビビりながらチマチマ…ってことがバカくさくなるほど 開放的に走れる喜び。 |
ゆけどもゆけども、気持ちのいい海岸線が本島の最北端まで続きますが、
そこまでいくと那覇のレンタルバイク屋の閉店時間に間に合わなくなるので、手前の県道2号に入り、本島を横断します。
本島の北部のことを総称して「やんばる(山原)」と言い、豊かな自然が残されています。
県道2号はそこを突っ切る形で通っていますので、その原生林が両サイドから覆いかぶさるような形になり、
その迫力は、ほかの地域の山道とは比べ物になりません。
車、ゼロ。中〜高速コーナーが続く唯一の峠越えに気持ちが高ぶります。
デカスクのスカイウェイブのこと、上り坂はペースダウンするかと思っていましたが、全然。元気良く坂を上っていけます。
「2相棒」よりスムーズに走れてるかも(笑)。
海岸沿いは初夏の陽気でも、山陰の風は暑くもなく寒くもなくで、走る条件がすべて整った感じでした。
本島の東側に出た後は県道70号〜R331を経由して、南下していきます。 東海岸側はガソリンスタンドが少ない(北部には1件もありませんし)です。 ど田舎に行くとガソリンスタンドを探すのも一苦労ですが、 この辺の少なさは都会に住むものにとっては恐怖でもあります。 見つけたらとりあえず給油をしておかないと、不安で走り続けられません。 僕は八重岳の近くにあったエネオスでさっさと給油しましたが、 走り回っている間にガソリンのメーターが徐々に下がりつつありました。 |
名護市に入ってしばらく走ったR331沿いの小さな集落内で、僕のPHSが鳴りました。
誰やろ、こんな真っ昼間に電話してくるのは…と取ってみると、バイクの先輩からでした。
仕事でパソコンを使っていて使い方がわからないので教えてどーのこーの……と。
あの〜、僕沖縄ツーリングしてるんですけどー、と言うと、京都で仕事中の先輩はすんごく羨ましそうにしてました。
僕は沖縄満喫モードだっただけに、いきなり現実に引き戻された気分でしたけど。
翌日に彼から来たメールにはこう書いてありました↓
オキナワツーリング中なんて、会社の皆がそれを聞いて、
休みの無い会社なので一同嫌気がさして、グッタリしてしまいました(苦笑)
スンマセン、僕ばっかり遊んじゃって(笑)。
R329と合流し、名護市の南部まで来ると、普通の市街地になり、大自然とはお別れになります。
太陽は大きなオレンジ色の影を西の水平線に映し、キラキラ輝いています。時間はいつの間にか18時に。
街中を軽く流しながら、僕もオレンジ色に染まっていました。
朝9時から始まったスカイウェイブとのツーリングも、決して無限ではなく、終盤にさしかかっていたのです。
那覇では「T」が僕の帰りを待っているはずです。
今日という日がずっとずっと続いてくれることを願わずにいられませんでした。
沖縄道・金武ICから40km先の那覇まで高速クルージングの始まりです。
デカスクの高速走行は如何ばかりかとアクセルをあおりスピードを上げてみました。
レンタルバイク屋の店員さんは「140キロ位しかスピード出ませんよ」と言っていましたが、それ以前の問題でした。
車体が軽いので100km/hも出すとハンドルがブレてきて、
110km/hまで出してみましたが、体が立っているため安定感が無いので落ち着いて走るどころではありません。
控えめに90km/h前後で走ってみると、なかなかイイ感じ。デカスクは飛ばすものじゃないですね。
日が暮れた20時に那覇に到着。走行距離は330km。 給油すると、燃費はリッター35kmでした。 1日中走ってガソリン代が1000円で済むのですから大したものです。 これだけ楽しめるデカスクに対する偏見も改めなくては、少し反省しました。 |
最後の夜は、那覇で数少ないスーパー銭湯で3日間の疲れを癒し、「T」と沖縄料理と泡盛ハイで舌鼓を打ちました。
あと1日残っていますが、これで事実上、沖縄旅行は完結です。
最終日はモノレールに乗り首里城などを観光しましたが、楽しさで言えば格が下ですので書かないでおきますね。
駄文にお付き合いありがとうございました。