残暑の下に80万冊




僕、本を読むのが大好きです。



幼いときの「ぐりとぐら」や 「おしいれのぼうけん」といった絵本からはじまり、
小学生になると「シンドバッドの冒険」や 「十五少年漂流記」になり、
高学年になると「宇宙戦争」や 「ズッコケ三人組」
中学生になると「僕らの七日間戦争」にはじまる 「ぼくらの○○〜」シリーズ…、



ひたすら小説・物語にまみれた少年時代でした。


だから、今でもフラッと立ち寄った本屋や図書館から出てこなくなるのですが(笑)。



現在のお好みのジャンルはミステリーやサスペンスですね。
謎が謎を呼んだり、先の読めないドキドキ、ハラハラ感が好きなんですよね。


ただ、主人公の周りで登場人物が次々に殺されたり、
大事件が立て続けに起こるようなストーリーの小説ばかり読んでいると、読み手(僕)の心が疲れてきちゃうので、
そういうときはエッセイを読んでクスクス笑いながら肩の力を抜いています。




有名作家の新書が出ると、先を争って購入し読みふけってる方もおられるでしょうが、
僕は専ら古本屋か図書館で何年か前に発行された作品を手にしています。



職場で休憩時間に本を読んでいると、図書館のタグを目ざとく見つけた同僚らに
「えいまる、カネ持ってるくせにセコいわ〜」なんて言われるんですよ。


セコいんと違うがな、賢く本を手に入れていると言わんかい。

宮部みゆきの超大作「ソロモンの偽証」なんてハードカバー3冊組で合計5700円もすんねんど。
それを図書館で借りたらタダやがな。これが賢くなくてなんと言う!(エッヘン (`・∀・´))


その代わりに、話題の新書とは全く縁がないけどな orz
半年ほど前に出版された村上春樹の「騎士団長殺し」、いつになったら図書館で借りられるんやろう…(待)。




そんな  セコい 本好きの僕にピッタリのイベントが、お盆の京都市内で盛大に開催されます。



その名も「下鴨納涼古本まつり」。 巨大な古本市です。






世界遺産である下鴨神社の参道脇にある「糺の森(ただすのもり)」というところで行われます。

ホラ、5月3日に馬に乗った戦国武将に扮した人が弓矢で的を射る神事「流鏑馬(やぶさめ)」をする、あのだだっ広い馬場ですよ。
週末は観光バスの駐車場にもなってますが(汗)。



そういう、何でもありの場所がこの時は古本市となるのです。
各地の古本書店40店ほどが新旧洋邦硬軟さまざま携えて出店します。
開催期間は例年通りだと8月11日〜16日



これだけ宣伝しておいて、実は今年(2017年)初めて行きました(汗)。
古本市なんて大したことないと思っていたんですよ。ブッ○オフで十分やと。



ここで謝ります、大したことありました、ゴメンナサイ m(_ _)m

総数80万冊にもおよぶ巨大マーケットだったんです。





京都市内で最も大きい図書館の蔵書数で20万冊余ですので、その規模たるや分かってもらえるでしょうか。



糺の森に入った瞬間に虜になっちゃいました(笑)。



書籍だけではないです。こんな感じで各店舗が工夫を凝らして陳列をしていまして。


 

 

 

 

 

 

 






どこにニーズがあるのだろうかと思うような専門書からCDやポスター、レコードなどもあり、
それらを漁るのが宝探しのようで無性に楽しい。長い時間ウロウロして、足がむくみましたわ(笑)。



うっそうと茂っている糺の森の緑は目にも優しく、開放的で、
しかも木陰は真夏の陽射しをさえぎってくれて、「納涼」の名に恥じず暑さを和らげてくれます。
BGMはもちろん蝉の大合唱。



僕はいつも好んで読んでいるジャンルの本ではなく、目に留まった全然違うカテゴリの本と、懐かしのレコードを買いました。
こういう思いがけない出逢いがあるのも古本まつりの魅力ですね。

たまには毛色の異なる本を読むのも楽しいですし、家のオーディオが奏でるレコードの音も格別でした。




本離れが著しいとか、書籍の売り上げが減っているとか言われて久しいです。

けれど、この、チビッコからお年寄り、大半が和書なのに何故か来てる外国人観光客まで、
年代性別問わず一心不乱に本と向き合っている人たちを見ていると、そんなのウソやろと
言いたくもなりました。



納涼古本まつりは、毎年のように期間中のどこかで激しい夕立に見舞われ大変なことになるようですが、
今年はそれもなく、無事に終われたようです。


来年はもっと腰をすえて古本まつりの本たちと向き合いたいな。