商魂パーキング




世界の観光地を自称する、古都・京都
春夏秋冬を問わず、毎日多くの観光客をお迎えしています。



かつての冬の京都は来訪者が少なく、社寺仏閣めぐりには最適だったのですが、
ここ何年かは、それも関係なくなり、週末ともなると有名どころは人であふれています。



僕は公共機関か自転車・原チャでの観光をオススメしていますが、車で来られる方も少なくありません。
その車に関連して、ちょっと気になっていたことが新聞で取り上げられていました。


それは、京都市中心部に次々とコインパーキングが出来ていることです。
中心部というのは、北は丸太町通、南は五条通、東は東大路通、西は堀川通に囲まれた区域を指しまして、
昔々京都に都があった時代に、最も栄えた地域に当たります。


京都ならではの「碁盤の目」の通りをぶらぶらしていると、あるわあるわ、コインパーキングが。
「増殖」と言っても大げさではないほどのペースで増えています。


車で来られる方にとって、京都の駐車場の少なさは悩みの種ですので、コインパーキングが
増えることはありがたい…とお思いでしょう。



ここで、新聞記事を見ていただきましょう。




コインパーキングの増殖のせいで歴史的な町並みが歯抜けになっちゃっています。


京都市街は景観条例により建物の建築に大きな規制がかかっていますが、実のところ穴だらけなのです。

条例により大きなマンションが建てられないとかで、不動産屋が嫌がっていますが、
通りに面した部分だけ高さを下げて、表構えだけ和風のデザインにすればOKですし。


駐車場については、車1台分の土地があれば駐車場にしても構いませんし、
500平方メートル(約20台)以下の時間貸し駐車場は届出も要らない。



歴史的景観地区の家は、

・格子戸にしろとか、

・窓にはすだれ、通りに面した入り口には門扉をつけて外から庭や家の中(生活空間)が見えないようにしろとか、

・エアコンの室外機も和風の覆いをつけて隠せとか、

・屋根はスレート葺き禁止、日本瓦にしろとか、

・隣の家とは30cm以上あけて密集感を出させるなとか


細かい規制をつけてる一方で、
コイン(略)に関しては、何の規制もなし。

これだと、土地を持ってる人なら「とりあえず家をつぶした跡地はコインパーキングにして小銭を稼ごうか」となってもおかしくない話。



果たして、夜の京の町屋のあちこちに 風情をぶち壊しにする看板を掲げ、
こうこうと明かりをともした無粋なコインパーキングが浮かび上がる異様な光景
が出来上がりました。

こんなのが景観条例に反しないなんて、おかしいですやん。




いまや、京都市街に車2〜3台分くらいが停められるミニ駐車場は労せずして見つけられるほどです。
それもそのはず、中心部400ヘクタールに275ヶ所(2160台分)もありますからね。

こういう計算はおかしいのですが、あえて計算すると、1ヶ所平均の駐車スペースは8台といったところ。
ほとんどが小規模コインパーキングと分かります。




下の新聞記事&図は、御池通/堀川通/五条通/河原町通に囲まれた「田の字」地区において、
2006(平成18)年末〜2007(平成19)年末の間の
1年間で、139ヶ所→173ヶ所へと25%もコインパーキングが増えた
調査結果です↓




何度も書いていますが、この問題に限らず、
京都市の政策に的外れな物事が多い&実行スピードの遅い
こと。
コインパーキング問題は2年も前にマスコミに指摘されているのに、未だ放置したままなのには、ほとほと呆れています。


景観政策は、50年後、100年後の京都のためのものとか旗印を掲げているけれど、
裏返せばそれは未来への先送りとも言えるし、
やることなすことが外面に格好をつけてるだけの場当たり的で、

この人ら(役人)の本音は「京都の未来なんてどーだっていい」んじゃないかと勘ぐったり。



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さて、お正月に通りかかった あるコインパーキングで、僕は大声を上げてしまいました↓






これにはビックリですわ。
1時間2000円。それも青天井です。
さらに驚くことに、こんなボッタクリ価格でも満車!!


すぐ横に世界遺産、清水寺があるから車で入洛する観光客から根こそぎ金をむしりとってやろうという
汚い根性がミエミエです。




ちなみに、普段の値段はこうです↓




それでも、土日祝日は1時間1600円(やっぱり青天井)……。


時期に応じて値段を大きく変えて荒稼ぎだなんて…。
こういうところに、京都人の「イケズ」さが見えるわけですね。僕も京都人の端くれやけど、恥ずかしいわ。

くだらんワナにハマるくらいなら、車はやめておいたほうがいですね。ウン。



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↑この駐車場は2014年3月に別会社に経営が変わり、値段も改められましたが、
それでもボッタクリ価格に違いはなく、観光客からカネを巻き上げてますよ(笑)。


証拠写真はコチラ↓






参考資料:

京都新聞 2007年11月15日付夕刊
毎日新聞 2010年 1月25日付夕刊



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2012年1月8日 追記

上には上がいましたよ。




↑写真は、八坂神社南側のコインパーキングです。

写真左下の注意書きには

「大晦日〜正月3が日は「周辺地域が大変込み合います為、
より多くのお客様にご利用いただける様、長時間の駐車を予防する措置として、特定日営業の料金となります」



そうは言うても最初の1時間3000円は取り過ぎやろ〜!!

まぁ、お正月にこんなところにまで車で乗り込んでくるくらいやから、それなりの承知はしてるやろうけど。
僕なら最初から地下鉄乗って行きます(笑)。