京北町民よ、聞け!



あれ?「わがまち京都」では、京都市の話題しか載せないんじゃないのか?と疑問をもたれる皆さん、
まぁまぁ、反論は話を聞いてからにしてね。


ところで、いつごろからだったでしょう。市町村再編と言い出したのは。


今や、「平成の大合併」と呼ばれる、日常茶飯事的に行われている合併事業、
ちいさな市町村を統廃合して、大きな1つの市町にし、業務の効率化や経費削減しようというものですよね。
合併を促すために、2004年度末までに合併すると、国からお金がガッポリもらえるとあっては、
財力に乏しい自治体が飛びつかないはずがありません。


赤字国債が頼みの綱の日本の、どっからそんな大金が出てくるのか、はなはだ疑問ですが…(^_^;)。



ちなみに「平成の大合併」で最初に誕生したのは、1999年4月1日に合併した兵庫県の篠山市でした。
篠山市には黒枝豆ツーリングで何度も訪れている、あの地です。


そして、合併前は全国に3200ほどあった市町村が、1800あまりにまで減ってきました。



ま、それのお陰でといいますか、

山梨県に「南アルプス市」なんて、エラそうな名前の都市が出来たり、

サッカーで有名な静岡県清水市が静岡市に吸収されてしまい「清水エスパルス」の存在はどうしてくれるんやとか、

信楽焼で有名な滋賀県信楽町は、「甲賀市信楽」になって、その名がかすんだり、

住民の意見を無視し、中部国際空港の愛称を取って「南セントレア市」などセンスのカケラも無い名前をつけようとしたり(撤回されましたが)、

埼玉県で浦和、大宮、与野の3市が合併して「さいたま市」なんて、ますますバカにされるような名前になったり(問題発言)、

愛媛県に「四国中央市」を作ろうとしたら、単独で四国の中心を語るなんて不届きやとバッシングを受けたり…。


合併したそれぞれの市町村議は、次の選挙まで議員資格を維持できますし、
合併直前に予算を使い切るかのように公共事業を興したり…
本来の目的の「経費削減」はどこへ行ったのやら…などなど、
いろんなメリットがあります(皮肉)


地方都市に行けば行くほど豪華な市町村の庁舎は合併後、どう使うのかも疑問です(笑)。


で、京都府では2つの統合予定がありまして、
ひとつは、府北部の6町を統合して「京丹後市」になります。
どこに市役所を置くかで揉めていますが。合併後はかなり面積が広くなりますので、
市役所の置き場ひとつで、便利不便有名無名がはっきり出てしまうからです。

そしてもうひとつが、今回のコラムの主人公、
京北町
(けいほくちょう)です。


役場の旧HPはここ


京都市の北西部に位置し、
人口は6700人、
総戸数は4200、
信号機設置数はわずか10か所

少ないですが、広い面積と豊かな自然を持っています。

その広さは218平方km、大阪市の面積に匹敵します。

京都市内まで20km弱と距離が近いですので、
京都市の新たなベッドタウンとして
注目
を浴びています。


僕も手近な自然に浸りに「2相棒」とよく行きます。
のんびりツーリングにもピッタシ
です。
栗尾峠の展望


その京北町が、2005年3月に京都市と合併する事になりました。
合併の特例を受けられる期限ギリギリ、駆け込みもいいところやん(-_-;)


京都市に編入合併されますので、市内に11ある行政区のどこに引っ付くのか、大分意見が分かれましたが、
結局、右京区に編入されることになりました。
これにより、右京区は京都市の35%を占める最も広い行政区になり、
人口も20万2100人になるそうです。


現在の京北町役場は、右京区の出先機関(右京区役所京北出張所)になりました


京北町役場って、以前はボロボロな建物でしたが、5年前に建て替えられ、今では我らの山科区役所より激しく立派です。
京都市の庁舎はボロっちいのが多いです。建て替えるカネが無いから。


だから右京区は区役所より、出張所のほうが立派になる、逆転現象が起こりそうです(笑)。
「税金御殿」と呼んでやる!(-_-;)
おいコラ山科区役所!人口13万5000人の区役所が、たかだか6700人の役場に負けてどうするんや!(笑)


まぁ、それはいいとして(別にいいことは無いのですが、このあたりを突き詰めると話が長くなるので)おきましょう。


↓ここからが本題です。


あくまでも僕個人の意見と断っておきますが、この合併は、京北町の大き過ぎるミスだと思います。

強い強い危惧を感じるのです。


京都市は世界に名をとどろかせる観光都市ですよ。
でも、それ以外のところはどうなのでしょう?
のどかな京北町


実は、京都市には、現在使っているごみの埋立地が満杯になった時の
次の埋め立て候補地がありません。
ならば土地もあり、R162一直線で行ける京北町にごみの埋立地を押し付けられるのは目に見えてます。


ごみの分別だって、京北町は細かく分けていますが、
京都市のごみの分別
は、住んでる僕でも全国に顔向けできないほどいい加減で最低です。


地下鉄は漏水する、歩道のカラーブロックは段差だらけ、道はガタガタで、工期はすぐに延ばして時間ばっかり掛かる…、
こんな京都市の公共事業のお粗末さを、承知されてるのでしょうか。


住民税の支払額の割に、保険・福祉が行き届いてないことを、お知りですか。


京都市の財政は、新規の公共施設の建設をストップさせるほど劣悪なのをご存知の上での決断ですか。
2兆円もの赤字を抱えているんですよ。


京北町は、こんな京都市の恥部をお土産にもらう覚悟は出来ているんですか。


町民の8割が京都市との合併を望んでいると聞きますが、
自分たちの町の名が亡くなる(≠無くなる)事に何も感じないのですか。


「寄らば大樹の陰」と言いますが、京北町は、町の誇りを捨て、まさに京都市に飲み込まれる、
いや、京都市の盾、捨て駒にさせられやしないか、と感じます。

政令指定都市の冠を受けるためだけに、町の「財産」を犠牲にして、本当に後悔しませんか。


大自然を、オオサンショウウオがいる美しい桂川もムチャクチャになるかも知れないんですよ。


政府のまく「アメ」に安易に飛びつかないで欲しい。その先には「ムチ」が待っているのだから…。
僕が京北町民だったら、「残りの2割」の一人になってましたよ。

参考:京都新聞2003年12月25日付朝刊
          2005年4月1日付夕刊