5000万人への驕り



今年のGWはどのようにして過ごされましたか?
僕は祝日に関係なく仕事でしたので、実感はほとんどありませんでしたね。



さて、僕の住む京都では、このGW中 たくさんの観光客をお迎えしました。
このコラムを読んでおられる皆さんの中にも、新緑まぶしい古都を堪能された方もおられるでしょう。
あ、このコラムはGW終了直後に書いたものです。念のため。



京都は、戦火を免れたため、たくさんの名所旧跡が残っていますし、
また、新しい文化との融合があちこちで見られ、それが観光客の心をつかんでいると思います。
街中を歩けば「京都」のガイドブックを手にした人々が、そこにも、ここにも、あそこにも。



2008年には年間の入洛者数が5000万人に到達しましたからね。すごいもんです。
京都市・京都府としては、もっと京都に来ていただこうと目論んでいるようで。



その京都に来て下さった、ある旅行者の投書が新聞に載っていました。

そのまま載せますので、じっくり読んでください↓







どういう感想を持たれましたか。

この内容、京都人として何の反論も出来ません。
本当のことを言われて、非常に恥ずかしいです。



京都人以外には、見えているんです。

京都の観光地は「京都」ブランドの上で驕(おご)り高ぶっているのが。



僕の友人「脇(仮名)」も 名勝・嵐山に観光に行ったとき、
お土産屋でムリヤリ買いたくも無い商品を買わされ
それも値段が安いほうにすると言ってるのに、「こっちにしぃな」と、勝手に高いほうを包まれたと憤っていました。
仮にそれを断ると、店員はいやらしいことを言うんですよ。

僕も清水寺かいわいで、店員による観光客への押し付けがましい光景を目にしたことがあります。



雨後のたけのこのように出てくる、京都ブランドの「ネオ・フード」 (←僕がいま名付けました(笑)) などのご当地グルメもしかり。
はっきり言って、京都の名を借りた邪道です。



「京都」というだけで勝手に人が集まるから、物が売れるから、
観光地・京都は態度がデカいし、値段も高い

祇園祭時の喫茶店が、「イベント価格」として コーヒー一杯1000円に吊り上げるのなんか、
観光客を金づるとしか思ってないでしょ。

より良くするための努力はしないんですね。

それの成れの果てが、いまの「いけずな」京都だと思います。
そんなところに、どう魅力を持てというのでしょう。



投書にもある「いけず」という言葉、僕たちは「意地悪」の意味で普通に使いますが、
そこには人を小馬鹿にしたニュアンスを感じます。



京都人に今最も求められることは、変なプライドを捨て、京都に来てくださる方々をもてなす心を身に着けることだと思います。
世界に誇る観光都市の名に恥じないよう、僕も努力しますわ。


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本編と全然関係ないですが、「早く帰れ」の意味の「ぶぶ漬けでもどうどすか?」は、まったく使いません(笑)。

京ことばの「〜どす」という語尾も、使っているのは舞妓さんくらいですよ(笑)。



参考資料:京都新聞 2009年4月28日付朝刊