3回くぐってワン!
古都・京都は無駄に歴史が長いため、年がら年中、様々な謎の伝統行事が存在します。
そのひとつを僕と一緒に旅しませんか。
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6月末が近づくと、メジャーな神社の目立つところに、 茅(かや)で出来た大きな「輪」が出現します。 |
はっきり言って、奇妙の一言です(笑)。
何も知らない外国人が見たら「ジャパニーズ イズ リディキュラス」と肩をすくめるかもね。
まぁ、外国にもニホン人が見たら奇妙なモンはいっぱいあるやろうけど(笑)。
これは、夏越祓(なごしのはらえ)という奈良時代より宮中に伝わる伝統行事です。
一年の折り返しに、知らず知らずのうちにたまった罪や穢れを祓うもので、
茅の輪をくぐり、夏の暑さを乗り切って残りの半年も無事に過ごせますようにと願います。
「一年の折り返し」ということなので、茅の輪をくぐれるのは、夏至過ぎから6月30日までの超期間限定です。
ちなみに正式には、
神事や祭が執り行われる最終日の6月30日の大祓を夏越祓と言うそうですが、
忙しい社会人は日にとらわれず、とにかく くぐっとけば良いんです。
と言うわけで、僕も今年の上半期の粗相を反省すべく、茅の輪くぐりに行ってまいりました。
神社ならどこでもやってるやろうと高をくくっていたのですが、
自転車を走らせながら、神社の境内を覗いてみるけれど、茅の輪なんかありゃしない。
それどころか境内に人がいない orz
下調べをしなかった僕が悪いのかも知れんけど、開催している神社がちっとも見つからない。
後で気づいたんですけど、僕のおススメする京都歳時記バイブルである「京ごよみ手帳」に、開催神社がたくさん書かれてました。
最初からチェックしておけば無駄走りしなくて済んだのに。
僕の有り余っている脚力で東へ西へ、北へ南へズンズン走り回り、 ようやく茅の輪を見つけたのは上京区の護王神社(ごおうじんじゃ)でした。 狛犬ならぬ狛猪がいることや「足腰の神様」でも有名で、 亥年のお正月には縁起担ぎで大変にぎわいます。 |
亥年以外の11年も 客 参拝者がいっぱい来ますようにと下心を出しているのか、頻繁にリニューアルしてまして、
お参りに行く度にどこかしらが新しくなってます(笑)。
今回は山門の注連縄(しめなわ)と巨大「足腰御守」がおニューになってました。
設備投資の(?)充実ぶりから護王神社は結構儲かってるように思われるので、
そのうち小汚い狛猪が金ピカになったりするんと違うやろか(笑)。
山門をくぐった真正面にこれ見よがしに飾られている茅の輪。 直径3mくらいのビッグサイズです。 「さぁ、くぐれ、くぐらんかい」と言わんばかりに立派に主張されています。 |
はいはい、言われんでもくぐりますがな。そのために来たんやからな。
茅の輪くぐりは単純に通り抜けたら良いというものではなく、 正しいくぐり方がありまして、間違うとご利益がありません、多分(笑)。 多くの神社では手順を言葉で書いてありますが、 護王神社は、ご丁寧に図入りで説明がなされていました。 8の字に何度も回らされ、茅の輪を3回くぐります。 ぐるぐる回ってると、僕の目も回ってきそうなんですけど(涙)。 |
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図のおかげで、日本語がわからない(だろう)外国人4人組も無事に正しく くぐれてました。 でもその意義はわかってないと思いますが(笑)。 電動車いすの方も果敢にアタックしてましたが、茅の輪の厚みが10cmはあるので 乗り越えられず断念されました(苦笑)。 |
そうそう、他のところのはと言うと、
城南宮の茅の輪は僕の背丈よりちょっと大きいくらいのかわいらしいもので、 (注:くぐっているのは僕です) |
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平安神宮では17時過ぎの時点で茅の輪の後ろに柵がされて くぐれなくなってました。 ナメてんのか。 |
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旧暦の6月1日(現在の6月下旬〜7月上旬)には宮中では氷の節句というのが行われ、
山奥の氷室から貴重な氷を取り寄せていたそうです。
そこで、現在では夏越祓にあわせて 6月30日に、氷に見立てたお菓子を食べることで 夏の無事を祈る風習があり、 ういろう状の和菓子「水無月」をいただきます。 京都市内のどこの和菓子屋に行っても売ってますので、お土産にどうぞ。 三角形は氷のかけらをイメージし、 その尖った形と小豆の赤色には魔除けの意味が込められているそうです。 |
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昨年(2011年)の6月にも茅の輪をくぐり、水無月も食べたのに、
僕は1ヵ月後の登山で過呼吸の発作を起こし、その翌週のツーリングでは熱中症でダウンしてしまいました。
母親は4ヵ月後にバイクで派手に転倒し、3ヶ月の入院と長期のリハビリ生活に。
母親のは、お参りしたおかげで「この程度で済んだ」のかも知れませんが、
どうやら神様は僕を許してくださらなかったようです orz