目立ちたがり屋のシダレザクラ
どこにでもいますよね。目立ちたがり屋さんって。
僕の周囲にもモチロンいますよ。
ただ、そういう人って 多くの場合 煙たがられ、扱いが面倒なので適当にあしらっちゃいますね(笑)。
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さて、このコラムを書いているのは、春らんまん、桜が満開を迎えている4月上旬です。
僕の住まいする京都市内には多くの観光客が訪れ、市内のあちこちにある桜の名所は朝早くから観光客で賑わっています。
桜並木の下では花よりだんごの集団が陣取ってドンチャンやってますね〜。何時間も場所取りしてた野郎ども、ごくろう。
僕は通勤ルート上で桜の名所を何ヶ所もハシゴでき、毎日桜を見すぎてお腹いっぱいですわ(贅)。
桜は種子から育てるのが難しいらしく、挿し木をして増やすのが一般的なんだそうです。
最も一般的な桜であるソメイヨシノは、元をたどると1本の木からの枝分かれから生まれた、いわゆるクローンですので、
どこの並木の桜も同じように育ち、花も一斉に咲くと思います。
ただ、クローンの宿命で他の樹木よりも寿命が短いらしいです。
賀茂川左岸の、北山〜北大路間には京都市内で最大規模のシダレザクラの並木道があり、
ソメイヨシノのシーズンが終わると咲き始め、僕たちの目を楽しませてくれます。
ところが、ここに目立ちたがり屋さんがいるんです。
賀茂川を北山大橋から眺めてみましょう。
わかります?
まだつぼみも膨らんでおらず無彩色のシダレザクラ並木の中にその「異変」があることに。
近づいてみましょうか。
咲いています。1本だけ。
ナンボ見ても咲いてます。
ソメイヨシノが開花しだしたこの時期にもう咲いてしまうか?!
しかも毎年この木だけ かなりフライングして咲きます。
おかげで桜に飢えた人たちの注目を集めていますわ。
↓比較に隣のシダレザクラの写真も載せますが、まだこの状態ですよ。
何なんコレ?このシダレザクラだけ得してるやん。
ここの並木は何十年か前にライオンズクラブが同じ桜を一斉に植樹したもので、
樹齢はどれも同じはずやのに…。
だから、こういうイレギュラーに対しては当然のように変な噂が立つのです。
「この下に温かい地下水が流れていて成長がいい」だの「放射能が出ているから」だの
道行く人たちは好き勝手なことを言うんですよね〜。
僕はオカルト説を唱えたろかい…と思っていました(笑)。
地元の新聞の記事にもなりましたよ。
マスメディアで取り上げられるとは、この目立ちたがり屋のシダレザクラがどれほど知られているかが分かりますよね。
そこで、このシダレザクラの謎が解き明かされていました。
実は、この1本だけ他と品種が違うんです。
植樹の際、同じ品種を植えるはずが、植木屋さんが間違って1本だけ違うものを植えてしまったのです。
謎でもなんでもなく、単純ミスだったとは…。それを植え替えたりせずそのままにしたために変な噂が立ってしまって…(苦笑)。
京都市内のソメイヨシノが開花するころに見られる奇妙な光景、一度見に来てください。
1本だけとても浮いてますから(笑)。