3階より上は見ないで〜!



日本一厳しいとも言われる、京都市の景観条例

その余波を受けた 看板をご紹介してきましたが、他にも分かりやすいものがあるんです。




規制が厳しい地域のひとつにやって参りました。
新町通六角付近です。訪れたのは祇園祭(後祭)の山鉾巡行2日前(7月22日)でして。





↑前方に見えますのは、北観音山(きたかんのんやま)。



…ですが、注目するのはそちらではありません。
右側の幅広い和風建築をご覧ください。立派な幕がかけられてますね〜。

見た目は伝統的な京都の建築、京町家(きょうまちや)です。
屋根瓦や二階の格子は京都の町家独特のもので風格を感じます。

実はこの建物、家ではないんです。ホテルなんですよ。それも、大手、三井ガーデンホテル



さすが大手。これほどの京町家を建てるんやもん、相当お金かかってるんやろうなぁ〜、
と、見上げると…!!!







なんということでしょう!

コンクリート打ちっぱなしの無粋な建物が乗っかっているではないか!!


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続いてコチラ。





和の雑貨を売る「くろちく」です。

こちらも京町家に見えますが、横に回ると…







後ろにビルが引っ付いてるやん!!
見掛け倒しもいいところです。


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さらにコチラ。




これは京町家を意識した、いかにもコンクリート造りですが、
上を見上げると…、






普通のビルやん!!
これもホテルですわ。ホテルビスタプレミオ


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お気づきと思いますが、景観条例による規制の厳しい地域において
通りに面した新設の高層建築物は、どうやら1〜2階を京町家風にしなければならないようなんです。
規制がことさら厳しいところでは、3階より上は下層階よりも後方に下げなくてはならない。




↑典型的な例。手前2棟が代表的なパターン。上は普通のマンション。



どうして全部ではなくて2階までか、って?



それは、通りを歩く人の視界が、古都にふさわしい京町家が並ぶ風景に見えるようにです。

たしかに散策していると、風情があるように見えます。
上を見ながら歩いている人なんていないでしょ。だから上層階はどうでもよくて普通の建物になっているわけ。



つまり、これらは京町家風ハリボテなんです。
だから、中は京町家のカケラもなく、中に入ったらそのギャップにショックを受けますよ。




規制のためとはいえ、見かけだけ風情を出すのってどうなのかと思います。


そりゃ、伝統的な工法で京町家なんて建てたら、目が飛び出るような金額になりますけど…。
それでも、これではなんだか観光客を騙しているようで、心中複雑です。