260ヶ所の青い「←」
さて いきなりですが、この表示をご存じですか。
一方通行ではありません。あれは青地に白の矢印ですね。
これは反転しているわけではなく、まったくの別物です。
「左折可」といいます。
信号のある交差点に存在し、たとえ赤信号であっても左折ができちゃうというスグレモノです。
左折する車がスムーズに曲がれることで、混雑の緩和に役立っているのだとか。
京都市にもいくつか存在しまして、代表的なのは堀川五条の交差点ですね。
十字の交差点、どの方向も左折可でして。
↑かなり見にくいですが、赤信号が灯っています
このように、左折レーンには停止線がありません。
停まる必要が無いからです。
しかしながら、他府県ナンバーの車の方には存在しない停止線が見えるのか律儀に信号待ちをし、
後続車からクラクションを鳴らされまくってるのを度々目にします。
隣の直進レーンで信号待ちしている僕も 何度か左折レーンで停車している車に、
「停まらなくていいんですよ〜左折できますよ〜」と教えてあげたことがあります。
うーん、左折可の表示は交差点の直前や信号機の脇など、とても分かりやすい場所に設置されているのに気づいてないのかなぁ。
…ではないようなのです。
この左折可、設置数の上位から、沖縄、岡山、東京、奈良、長野…となっていますが、
実は29の道県でゼロ。関西圏でいうと、滋賀と和歌山がゼロ。
ちなみに京都は11ヶ所。しかも大半が京都市内にあり、府下にあるのはかなりのレアもんです。
全国でもたった260の交差点にしかないんですって。(2023年現在)
そうか…、ゼロの道県に住んでる方から言わせりゃ、そんなん知らんがな ってなっても仕方がないのか。
この左折可、かつては全国にあったらしいですが、今、その数をどんどん減らしていってます。
奈良県では近年、左折可の廃止が相次いでいまして。
↓こんな風に
その理由として、交通技術(と言っていいのか)の進歩により、
左折レーンだけグリーンベルトなど物理的な分離帯によって本線から切り離して左折をしやすくしたり、
赤信号時には左折の矢印信号を点灯させて分かりやすくしたり
…に変わってきているのだそうです。
矢印信号の例を挙げておきますね。東寺のそばの京阪国道口交差点の西行き車線です。
やっぱり左折レーンには停止線がありません。
確かにこの方が分かりやすいですよね。
そんなわけで、くだんの堀川五条の左折可の表示にはこんな補助表示が付けられました。
(2015年12月)
(2023年5月)
この先、左折可は絶滅の道を歩むのかなぁ…。
参考記事:
山陽新聞「さんデジ」
https://www.sanyonews.jp/article/1456445
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230510/k10014061201000.html