50ccスクーター@サーキット
バイクのレースには、走るに適したバイクの「形」があります。
ここではサーキットを走るオンロードレースを取り上げましょう。
そこを走るのはいわゆる「レーサータイプ」のバイクですね。
その「形」は時代と共に進化し、今の「形」に行きついたわけです。
本来レース活動ってカネがかかるんですよね。
最もコストがかかるのは、勝つための車体の性能向上や維持(メンテナンス)。
けれど、80年代後半あたりから、コラム「Z戦士の会」で紹介したような50ccのスポーツスクーターが登場し、
スクーターのレースが生まれたあたりからレースに新しい風が吹き込んだと思います。
↑Dio ZX
↑JOG ZR
↑ZZ (sepia ZZ)
もともと高性能で戦闘力のあるスポーツスクーターなら、
日常使いの一台でもサンデーレーサーとして気軽に草レースに参加できるんじゃないかな。
むしろ排気量が小さい分、個々のバイクの性能差が出にくく、腕がそのまま実力となる。
純粋に勝負できるやん。いい趣味やと思うよ。
若いころから「バリバリマシン」のような峠小僧…もとい走り屋の雑誌を愛読(→コラム「バイクバカ一直線・3点セット」)し、
レーサーに憧れていた僕にとって、ツナギにスクーター姿もカッコいいもんやな、くらいにしか思ってなかったのですが…。
先日、YouTubeで最近のスクーターレースの動画を観てたんですが、「Z戦士」って今も現役なんですね。
古き良き時代というのか、当時のスポーツスクーターがそれだけ優れていたというのか…。
バリマシ時代を思い出し、ほほえましく見入ってたんです。
その動画に投稿されていた、あるコメントを見てハッとさせられました。
元々気軽な足として生まれたスクーター。
それにスポーツ性をもたせたところで、
レーサー、いやスポーツとしてのバイクに必須と言うべきものがないことに気づかされたんです。
ニーグリップするものが、ない。
股で挟んで体と車体を一体化させるものが、スクーターにはない。
椅子に腰掛けたような姿勢では車体を十分に支えられない。腕や足はあくまでも添えているだけだ。
乗りやすいけれど、バイクとしては不安定というべきスクーター。
「スクーターをコーナーで深くバンクさせヒザ擦りしてるのは、並ではない。」
コメントにはそう書かれていたんです。
むしろ、速く走るのが難しく、技術のいるものなのだ、と。
バイク乗り30年選手の僕なのに、今の今まで気づかなかった…。
気軽に参加できるレースと思っていたのが途端に恥ずかしくなりました。
スクーターレースを今後は違う目で、ある種の感心をもって見ることになるでしょうね。
↓は名古屋モーターサイクルショーで展示されていた50ccレース車両。
先ほど紹介した往年の名スクーターの一、Dio
ZXです。
最高速108km/hですって。速っ!
↑チャンバー(2ストの排気管)がエラいことになってますやん(笑)。
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ま、僕の知識のない文章よりも、知識のある方の文章の方が面白いので無断リンクしときます(笑)。
廃車.com「ニッチな二輪レース『スクーターレース』の世界」
https://www.hai-sya.com/column/scooter-race.html