ライダー駆け込み寺




寺社仏閣に行く。
初詣で神社に参拝したり、寺で法要をいとなんでもらったり…。



ニホン人にとって 神様や仏様は 特定の誰それではなく、日常的に身近に存在してますやん。
ご先祖様の仏壇とか八百万の神とかね。

だから普段から宗派とか信仰心とかって意識をあまりしませんが、
ことあるごとに僕を含めたニホン人はお参り(寺)/お詣り(神社)はします。




新聞を読んでると、なにやら変わった寺があるとの情報をゲットしたんですよ。


ニホンで唯一の「バイク寺」なる寺がある、と。


そこには「ハーレー和尚」なる和尚もおられる、と。
それも、京都市街からショートツーリングで行ける距離に。



どういうことやそれは?本堂に仏像じゃなくてバイクが祀ってあるのかえ?

うーん、よくわからん。

考えてても埒があかないので、残暑、いや酷暑厳しい折、実態解明に行ってまいりました〜。


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2024(令和6)年9月19日、9月も後半というのに猛暑日の晴れの日の朝、
シグナスに乗って出発。

目指すは大阪の北の端、妙見山のふもとにある本瀧寺(ほんたきじ)。
ここが噂の「バイク寺」だというのです。



山科からR1→R9と下道をテケテケ西に走ります。
6月アタマ以来3か月半ぶりのバイクツーリングにゴキゲンな僕。

亀岡市街は普段なら京都縦貫道でピューっとパスするのですが、いかんせんシグナスのため高速に乗れず、
お約束の慢性渋滞に巻き込まれ、ゴキゲンが斜め30度に orz



今日はにっくき猛暑日!!


おかげでバイクよりもフルフェイス被った頭は汗だく&オーバーヒートしそうですし、
まとわりつく熱気にダメージ倍増。それに対して相方のシグナスは暑さに弱い空冷エンジンなのに平然と走っています。



日程を誤ったか…、と半ば後悔しながらノロノロと亀岡市街を抜け、R423を南下。
ところが、山間部に入るとそれまでの酷暑がうそのように涼しくなります。
道路の温度計は28℃



それでも平年よりは暑いんでしょうけど、やっと秋の風を感じることができ、すがすがしい!
元気を取り戻した僕は急坂つづら折りを怪しげに走り、順調に距離を伸ばします。



県境を越えて大阪府へ。R423を西に逸れて妙見山のアクセス路を過ぎ、峠を古いトンネルでパスし、
ヘアピンカーブの下り坂の途中で、目的地の「本瀧寺」と書かれた看板が見えました。
おっとここか。唐突に見えたので、そのまま急坂を下っていきそうになりましたわ。


どうやらここが「バイク寺」らしい。でもバイクについては何も書いてへんなぁ。



そして山肌の道を上っていくと到着。ここまででちょうど50km。所要時間2時間
ホンマに近かった(笑)。


ガラガラの駐車場にシグナスをでーんと停め、メットを脱ぐとそれでも噴き出す汗。
頭をぬぐったハンドタオルは見る間にぐしょぐしょに濡れ、変なニオイを放つ雑巾になってしまいました orz





周囲は山に囲まれ、静かです。雑音なし。
駐車場には車が1台しか停まってませんし、お参りに来られてる方も少ないようです。


それにしても、バイク寺と名乗っているワリにやっぱり何も書いてないし、
むしろ肝心のバイク乗りが全く来てないこともシャクに障ります。
平日だったからにしても。




ともかくバイクの痕跡を探さなくては!




寺やのに山門はなくて鳥居があるのね(汗)。神仏習合かな?(付け焼刃知識)





って、何この石段


長年抱えてた右膝の不発弾がとうとう炸裂してしまい、歩くのが辛い僕にこれを歩けと?!
帰ろうか。いや、家宅捜索に来たのにバイク寺の証拠をまだ何一つつかんでいない僕。
証拠不十分で引き下がれるわけがないやん。



あー、分かりましたよ、わ・か・り・ま・し・た・ッ! (゚听) 上ればいいんでしょ上れば (逆ギレ)
おれの膝が暴発したら寺も巻き添えにしてやるからな ヽ(`Д´#)ノ

手すりにつかまり、一歩一歩進む僕。そのうちに汗が吹き出し、濡れ雑巾で拭うも気色悪い orz




そして膝は暴発せず、上り切りましたよ!

そこには小ぢんまりとした本堂が。そばの大木とのコントラストがいい。
緑に囲まれた静寂の山寺です。




ここに後光に輝くバイクが祀ってあるんやな?

…さっそくお参りしようとすると、そこにおられたのはフツーの仏様(大変失礼)でした。


あれ?おかしいなぁ。バイク仏様はどこにおられるのかな〜?( ^ω^ )


境内をウロウロします…が実は境内は写真に写ってるのがすべてと狭いので、すぐに探索完了。
どこにもバイクあらへんやん。



どうなってんねん。ガセネタつかまされたんか、おれは?
なんだか急に気が抜けてしまい、オシッコだけして帰ろうと本堂の裏手の奥にあるトイレに行くと、
そこには下界を見下ろすテラスとお洒落なカフェのような施設があり、その更に裏側に、


証拠品をついに見つけましたぜ ( ´ー`)


こここそがバイク寺…?


↑モザイク外したい方は画像をクリック/タップ



祀られているお地蔵さん、メット被ってますやん(笑)。



↑モザイク外したい方は(以下略)



なんでこんな目立たない場所に orz そりゃ見つからへんわけやわ。


しかし…、どうしてここがバイク寺と呼ばれるようになったのやろう。
和尚さんがハーレーに乗ってるから?


そういう説明とかも何もなく、ヒントになりそうなお洒落なカフェ(?)は閉まってるし、第一、人いないがな (#゚Д゚)


実は僕が訪れたのはバイク寺らしいイベントの3日後で、ニュースにもなっていたので
今日も大々的に宣伝してると勝手に期待を膨らませていたんです。
が、肩すかし甚だしく、土俵下どころか桟敷席に突っ込んでしまったわ orz



こうして僕の暑いだけで収穫ゼロの旅は終わったのでした ε=ε= \__○ノ




きっとバイクシーズンの今なら本堂に「バイク仏様」が祀られているに違いありません。
どなたか僕に代わって おしおき お参りに行ってくれませんかねぇ。




↑ゴミBOXの隣にお堂やなんて、もっとエエ場所なかったん? ・゚・(ノД`)・゚・



参考記事:京都新聞 2024年9月17日付朝刊