そもそもけんかを売ったのは
今年も春の訪れとともに、大阪モーターサイクルショーが開催されました。
新商品・コンセプトバイク・コンパニオンのどれにも興味を示さない僕は、会場に行くことが目的になっていて、
今回は特に見たいものがあったわけではなかったんです。今回も、か(笑)。
会場に行ったらなんか僕の目に留まるものがあるやろ…くらいの体で、
アクセス超不便な南港のインテックス大阪に向かったわけです。
予備知識ゼロで会場入り。
何見たらいいのか分からんなぁ…と、適当に会場内を歩いていた僕の目に留まったバイクがありました。
ハーレーの新型モデルのようです。
確立したスタイルを持つハーレーには熱心なファンがおられますからね〜、どこの会場でも大人気ですよ〜
…の割にお客さん少ないですね。
って、ハーレーのコーナーはあっちやがな。
するとこれは…、
ホンマにですか?正気ですか??なんか悪いもの食べましたか???
そう、ここはBMWのコーナーの隅っこ。
実はこれ、ハーレーではないのです。
「R18B」という、れっきとしたMade by BMWのバイクなのです。
その証拠に、
エンジンはハーレーご自慢の空冷OHV・Vツインではなく、
BMWお得意のボクサー(水平対向)エンジンです。
それもBMWのバイク最大排気量となる2気筒1800cc。
おかげでエンジンが巨大で横に張り出しすぎー!立ちゴケなんぞしたらエンジンがヒシャげて廃車ですぜ(笑)。
前から見ても後ろから見ても、横から見てもハーレーやないか。
エンジンを隠すように前に立った写真をハーレーファンに見せたら100%騙せるな(笑)。
でもよく見たら、ブレーキキャリパーにも、シートにもエンジンにまでもBMWが(汗)。
一応「本家」と並べてみよか?
BMW | ハーレー |
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BMW | ハーレー |
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車体デザインだけじゃなく、垂直設置の4眼メーター&液晶画面までそっくり。
もはやオマージュというよりコピー商品(笑)。
真相を知りたく、BMWのジャケットを着たお兄さんに声をかけて単刀直入に訊きました。
ハーレーにけんかを売ったんですか?
「はい、けんか売りました」(苦笑い)
あっさり認めましたよ!(笑)
BMWとして初めての「アメリカンタイプ」のバイクとのことで、3年も前から販売をしているそうです。
それだけ年月が経ってるのに一台も走ってるところを見たことないし、
ブランドイメージからガラッと変えた毛色の違うものを受け容れてもらうには時間がかかるわなぁと感じました。
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と、いうことは…。
アドベンチャー系というんですかね。車でいうSUVのバイク版というのか。
わざわざ落ち葉を撒いて、林道ツーリングを楽しむような雰囲気を作ってますし。
この手のバイクは、僕ならBMWのGSシリーズが思い浮かびますが、ここまで読んでくださった皆さんはもうお気づきのことでしょう。
BMWではありません。
テールには、
まさかのハーレー。
あの「アメリカン」スタイルを確立し、100年以上もその形にこだわってきた大国のバイクメーカーが、
プライドを捨てて全然違う形の一台をリリースしていたんです。
その名も「パンアメリカ1250」
食パンのパンではありません(笑)。「全…の」「汎…の」の意味を表す接頭辞です。英和辞典でちゃんと調べました(笑)。
エンジンは伝統の空冷ではなく、おきて破りの水冷ですよ。
駆動系も伝統のベルトドライブではなく、ベタなチェーン駆動。
ブレーキはひそかにブレンボついてます。
メーターはクラシカルなハーレーにあるまじきスマホひとつ。
前から見ても、後ろから見ても、横から見ても、どうみてもBMWやん。
タンクのエンブレムも目立たないし、立方インチで排気量を表現するハーレーにおいて、
1250ってccで書いてありますよ(笑)。
それでいて「全てのアメリカ」とは…調子に乗ってますね。
ホラホラ、落ち葉撒きなんて慣れないことするから、来場者の行き来で落ち葉が舞って
ハーレーのジャケット着たお姉さんがハンディ掃除機で落ち葉吸ってましたよ(笑)。
こちらも3年ほど前にリリースされています。でも見るのは初めてですよ。
異色のモデルの人気の なさ 程がうかがえます。
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それにしても、どっちがけんかを売ったんやろう。
僕の両者に対する疑問はそこだけです(笑)。